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アギトアリ

先週初めて見た

そしてワーカー、女王、オスを採った(コロニーではない) 飼育を試みる…

なんかもう全てがカッコいい

まずもってデカい!女王とワーカーでそこまで差のある種じゃないから際立ってデカい感じはしないかと思ってたら、何このデカさ

加えて色がマッドなのもあって迫力ヤバい 頭の裏の色が薄いのがネルギガンテ的な感じでヤバいカッコいい、なのに脚はそこまで薄い色じゃないの流石…!

顎のグラデがかっこよすぎる、こういう色、チタンの焼付き的なカッコよさ

顎の形がヤバい。 バールのようなもの×2といった出で立ちで、先端の四角い歯と尖った歯のお陰でただの武器ではなく道具である、この自然界を生き残るためのしたたかな強さを感じる。言うまでもないが、顎を開いた時のシルエット、出で立ちのカッコよさよ、180度開くための付け根の形よ!開いた状態で手を掃除するための大顎以外の口器のパーツの繊細さ、周辺のパーツ配置の洗練具合!そして形が、顎の筋肉が入ってる膨らみがあまりにも露骨で、顎のための形すぎる。これだけカッコよさを詰め込みながら、眼は大きくつぶらなのだ。しかし触角も細長くてカッコいい 色味が良い!暗い色の他の部位に対して、この光沢のある触角がアクセントになる。 しかも長くてよくしなる。動きのアクセントとしても機能していて、良い…

なんとカッコよさは頭だけじゃない

胸部だ、首から背中にかけてのラインがまた絶妙で、この頭を支えられるという事実に納得できるのに、なぜか細い

背中の凹凸もまた絶妙で、印象としてくびれていないギリギリまで括れている これまた印象として頼りなくならないギリギリの細さ、そして女王の、翅があっても損なわれない括れというか、凹凸のカッコよさの絶妙な太さ!

無論翅もカッコいい。

翅が黒い種も多くいる中、彼女らの翅は黄ばんでいる程度。だがそれが良い。翅脈は程々にありつつ、しかし体が透けて見える時のシルエットは邪魔しない。逆に光沢で翅が白い種も多い中、光沢も強すぎず、透明度が絶妙である!両翅を畳んでシルエットをすっきりさせているのも素晴らしくカッコいい。これだけすっきり身体のシルエットを見せてくれる翅なのに、前縁の翅脈の色は濃いのもあって、翅の存在感は強いのだ。デザインとしてあまりにも洗練されている。

脚もだ。

この大型種で、頭の重そうなアリなのだ、腿節や基節はもう少し太ましくても良さそうだが、どういうわけか細い。しかも、脛節以降の色が薄いため、主張が抑えられているのだ…と思いきや、これはかなりアクセントとして効いている。この細さであるのに、透けないのだ。脛節の先に棘が一本、別に珍しくもない形質だが、このアクセントとしてはこの棘の存在、角度がまた、絶妙なのだ。

そして、腹部。

何より、腹柄節だろう。ただ一本の、やや後ろを向いた棘!それこそトゲアリのようなトゲでも格好良かったし、このシルエットなので控えめな丸いものでもカッコ良かった。ハリアリ類なのだから、やや太い腹柄節でもカッコいいフォルムになったろうに、なんとトゲである。しかも中心軸に沿ってただ一本、後ろ向きのトゲである。デザインの意匠としてこれを考えた時、これは最適解と言って良いだろう。彼女らはハリアリ亜科の、"アギト"アリである!アリのような、単独で生存することを考慮しなくて良い生活史において、攻撃するための形態はより特化できる。その攻撃手段は当然、「針」と「顎」だ。地上を這うアリが針を使う時、当然針を前に向けなければならない。アギトアリの場合、これをする時、股下をくぐらせて針を突き出すのに十分に長い脚があり、その時に脚が描く線は、身体の中心、首あたりに向かう線が特に目立つ事になるが、その場合アギトアリには大きな牙があるため、視線を誘導された先は顎となってしまう。しかし腹柄節にトゲがあることにより、そのトゲがやや尻に向けた線を描き、針での攻撃がこれ以上なく格好良く思えるのだ。加えて、攻撃的な形態を体現しているといっても過言ではないアリにおいて、針を使うポーズに際して腹柄節にもトゲがあることで、攻撃的な形態が三角形を描き、アリそのものへの視線誘導となるのだ。顎を使う際に関しても180度開いた顎に対して直角に近い配置で、しかしトゲ自身が傾いているためにやや前方に向けた線を描くこの形態は、やはりこのアリを引き立てるのに最適な形であると言える。

そして忘れてしまってはいけない、腹柄節に続く腹部があるのだ。これがまた綺麗な形をしている。歪まないのだ。腹柄節からほとんどまっすぐで、光沢も相まって極めて美しい形をしている。そして、針のある先端に向けて黄色がかったグラデーションもあるのだ。

驚くなかれ、ここまで♀の形態についてしか書いていないのである。単位生殖ではないため、♂が存在するのだ!♂もまた、美しい形態をしている。体色である。ハリアリ亜科の傾向なのか、彼らは黄色い。♀の暗色に対してこの眩い黄色、巣から出てわずかの間だけ飛び回る♂にこの明るい色、まるで命に火を着けているような…

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