スタンドで照らされる室内の陰影
先日観たNetflix映画『恐怖の報酬』の中で、主人公兄弟のうち兄家族の家のリビングでのシーンがある。夜のリビングで兄とその幼い娘がソファでテレビを見ているというだけのシーンだが、気になったのはライトのスイッチはどうなっているのかだ。
そのリビングには、日本の家にあるようなシーリングライトやダウンライトは無い。つまり上から明るく照らすのでは無く、欧米でよく見るスタンドライトでの照明になっていた。大きなものから小さなものまで沢山のスタンドライトがあちこちに置かれている。色温度が低く柔らかくて暖かな光に包まれている空間だ。
そこに弟が訪問して来るのシーン。カメラが動いて部屋半分がよく見えるのだが、そこでふと思ったのだ。これだけ沢山のスタンドライトがあるとオン・オフはどうするのだろうかと。
一つ一つ点けるのだろうか、それともまとめて点けられるのだろうか。
部屋の入口の壁には照明用のスイッチのようなものが見えたが、これひとつで全部のスタンドライトが点くのか。
スタンドに気を取られていたら、弟が兄を訪ねてきた理由を聞きそびれた。
結論から言えば、多くのスタンドライトをひとつのスイッチで操作出来る。しかも調光も出来る。調光スイッチはディマーと呼ばれたりしていて、海外ではこれが結構安価に入手出来る。
よく考えればディマースイッチは昔うちにもあった。そこに複数のライトを繋げば良いだけだ。ディマーはライトの光量を絞るためのもの。日本ではあまり普及しないのだろう。
海外の映画やドラマで見かける少し暗めの照明は実に落ち着いていて大好きなのだが、何故か日本では主流ではない。夜でも昼間のように明るい室内にすべく、シーリングライトで部屋全体を均一に照らすことになる。
その一方、スタンドで照らす場合は部屋の中でも明るさに濃淡が出来る。そのため光の演出がし易い。インテリアとしても光を上手く使うことは推奨されているから、明かりでちょっとオシャレな部屋を作ってみてはどうだろうか。
ところで、私は目の虹彩の色素が少ないのか、青い目の人ほどではないが人より光を眩しく感じる。子供にも遺伝しているから気のせいではないのだろう。もしかするとそれもあって暗めの照明を好むようになったのかも知れない。白いライトよりも黄色みを帯びた暖色系のライトの方がいい。
もし虹彩によって好む照明の傾向が異なるのだとしたら、日本で明るい照明がスタンダードな理由が分かる気がする。きっと、他の人にとって暗めの照明は、私が思う以上に暗く感じているのだろう。
おわり