眼鏡ケースを作ってみた
前置き
テレビや映画館で3Dが流行った時期があった。
家電量販店に展示されているテレビで試してみたり、映画館で3Dグラスをつけて鑑賞したりしたことは何度かあったが、印象はいまひとつだった。
何より、折角コンタクトレンズにしているのに眼鏡を掛けるのが鬱陶しい。まして何だか目が疲れる気がする。
その割に立体感がどうかと言えば思っていた程ではなく、目の前に飛び出す感じはなかった。
しかし考えてみれば当たり前で、映画で見る光景の中でモノや人が飛び出して来たら却って不自然で、自然な光景を描こうとしたら大袈裟な3D演出にならないはずだ。
だったら3Dではなくて2Dで十分ではないか。
フィルム映画の場合は、フィルムという媒体の性質上、超高解像度でかつ高コントラスト比が当たり前だったのが、デジタル上映に置き換わった時点で、データ仕様やプロジェクター仕様に引っ張られて、事実上の画質は落ちていたのだろう。
その画質低下を誤魔化すというか、違った観点で補おうとしたのが3Dなのかもしれない。
現在では、撮影カメラや映画プロジェクターの解像度や仕様が上がっていて、2Dでも十分な立体感や奥行き感を表現出来る映像投影が出来るようになったので、3Dにする必要が無いのだろう。
4K HDRの効用は、細かいところが良く見えるとか鮮やかとかいうこともそうだが、映像の奥行感が自然に表現出来ることにあると私は思っている(8Kや16Kなら尚更だ)。
さて、そんな訳でいまやすっかり下火になってしまった3D映画なのだが、先日買い換えたホームシアター・プロジェクターは最新モデルにも拘わらず3D対応ということで、今さらながら我が家でも3Dを体感してみずにはいられない気持ちになってしまった。
4Kプロジェクターで見る3D映画はどうなのか。
そこでまず、対応する3D眼鏡、Sony TDG-BT500Aを購入した。
プロジェクターの説明書には、方式が同じならどのメーカーでも使えるというようなことが書いてあるが、方式の違いがよく分からない。
Amazonを見ると中華製と思しき安い3DグラスにSonyプロジェクター対応と書かれたものは見当たらない。恐らく使えるのだろうけれど、使えなかった場合に面倒くさいので、ここは少し高いが純正品を購入となった次第。
9月末まで有効のクーポンがあるのでソニーストアでゲット。
本題
さてさて、今回の投稿は3D映像についてでも、3Dグラスについてでもなく、標題にあるとおり、眼鏡ケースを3Dプリンタで作ったことについてだ。
要するに、3Dグラスを入れておくためのケースを作ったということ。
完成イメージはサムネの通りであるが、私の中での今回のポイントは3つあった。
①コンポーネントを使うこと
3Dプリントする物のデザインに使用しているFusion360というソフトウェアでは、コンポーネントという形でパーツごとに分けて設計することが出来るらしい。
これまでは面倒くさいので、新規作成してボディを作るだけという操作をしていたが、パーツが複数ある場合はコンポーネントを使った方が便利らしい。
今回はその練習を兼ねて、本体と蓋という2つのコンポーネントを作って設計作業を行うことにした。
まだ全然分かっていないので、解説が出来るレベルでは全く無いが、とりあえずコンポーネントという機能を使ってみたということ。
②蓋の精度
1つ目が、蓋がスムーズに開け閉め出来つつ、本体と蓋の継ぎ目が分かりにくいようにすること。これは、本体と蓋の間に0.2~0.4mmの寸法差を設けてやることなのだが、3Dプリンタでは加工精度があまり高くないので、コンマ数ミリでの違いは図面通りにはいかない。
予めサンプルを印刷して図面寸法と実測寸法のズレを検証しておけば良いのだが、あらゆる形状や大きさについてデータを取っておくことは出来ないので、結局はやってみないと分からない面がある。
今回は、蓋が嵌る部分の本体寸法を蓋の内法よりも0.4mmだけ小さくしてみた。
②蓋の文様
2つ目のポイントは、蓋に文様を作ってみること。
今回選んだのは「麻の葉柄」。昨年当たりからしばしば目にした文様だろう。この模様を蓋の上部に彫り下げてサムネ画像のようにしようと試みた。
これが結構面倒くさくて、文様が線で出来ているので、掘り下げるには線に幅を持たせなければならない。
本当はもっと簡単な方法があるのかもしれないが、よく分かっていない私は、一旦線で描いた文様のひとつひとつの線に対して、0.5mmずつ幅を持たせて1mm幅の線形状を描いた(下図の青い線)。
この作業に肩が凝った。
ここまで出来れば、この文様を押し出しで彫り下げるだけ。
周囲に溝があるのは気持ち悪かったので、周を埋めて下図のようにした。
完成品
プリントして出来たのがこちら。
蓋の上面を下向きにしてプリントしたので、文様があまり綺麗に仕上がらなかった。
むしろ蓋の裏面が透かしのように文様が見えて、こちらの方が良い感じ。
文様の上に1mm厚程度の面を作った方が良かったかもしれない。
まあいいや。
ところで、3D収録したBlu-rayソフトを持っていないので、何か探さなければ・・・。
おわり
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