大臣は何をする人か
大概のことはネット検索すれば答えが見つかる時代。しかし答えが見つからなかったことがある。それは大臣の仕事についてだ。
大臣(正確には国務大臣というらしい)は各省庁の長であるから、さぞ重要な職務だろうと思っていたから、内閣のメンバー入れ替えがある度に引き継ぎやら方針変更などで大臣当人もだが、各省庁も大変だろうなぁと会社員的感覚で考えていた。
ところが、引き継ぎと称するニュース映像では何やらファイルを手渡しする程度で全く大変そうにしてはいない。いやいやあれはカメラ用で実際は大変なんだと思いきや、国を左右するような職務の割には引き継ぎに1時間も掛かっていないように感じる。どういうことだろう。
そこで大臣の仕事についてググってみたのだが、杓子定規な説明書きしか見つからない。具体的にどんな業務でどんな日常なのか、そういったことを記述した情報が見当たらない。
予想通り各省庁の長ではあるけれど、これも予想通り実務は完了が行う。職務上あれこれと官僚に指示することが出来る立場なのであろうが、昨日までの大臣が言ったことを180度変えることも無いだろう。そう考えると、官僚から提示された選択肢のうちのどれを選ぶのか、指示とはそういうことなのではないかと邪推する。
そんなことを考えていたら、子供の頃にやった、どっちの手に入っているか? と手の中の小石がある方を当てるゲームを思い出した。
形式上は官僚が立案したことを、民意を背負った大臣が決定する、ということだろうが、どちらかと言えば責任を追わせられる役割と言った方が正しそうだ。官僚が責任を追わせられるとなると、いつクビになるか怖くて官僚の仕事なんて出来ない。そうでなくとも官僚の世界は足の引っ張り合いなのだ。その点大臣であれば、責任を取ると言ったところで、大臣を辞めるだけで済む。別に政治家を辞める必要はない。つまり、実質的な害は無い。
大臣になると年収3000万円だというから、与党の中で持ち回りで大臣をやることにすれば、何かと都合が良さそうだ。だから大臣就任の際に各派閥から何人みたいなことを気にするのかも知れない。
何でこんな人が大臣になったんだろうと思うような人が出てくるのも、そう考えれば合点がいく。
実質的に日本の政治行政は官僚が握っていて、政治家や大臣は国民と官僚の間に立ち塞がって、官僚がやっていることの実態を直接見えないようにする。そんなことなのではないかと穿った見方をしてしまう。
新たな内閣をどう思いますか? という世論調査の選択肢が、「期待出来る」「期待できない」「どちらともいえない」という三択だとしたら、「どちらともいえない」を選択する気持ちも分からないでもない。期待するとかしないとかいう問題ではないのだから。
おわり
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