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馬鹿とハサミとINTP

「馬鹿とハサミは使いよう」というのは、「ハサミは上手に使えば切れるが、下手に使えば切れるものも切れなくなる。同じように愚か者も使いようによっては役にたつ」という意味らしい。

使いようによっては役に立つなら、もう愚か者ではなくない?愚か者は存在しないということでいいじゃん。

INTPはよく「社会不適合」とされる。馬鹿とハサミの理論でいけば、使いようによっては役に立つはず!

そのため今回は、どうすればINTPの人間をうまく使えるのか、というところを考えたい。

INTPが使いづらいと思われるのはなぜか?

なんとなく、INTPは「めんどくさがり」「自分から積極的に行動しない」ようなイメージを持たれるのではないかと思う。

それは、INTPの以下のような特性が影響しているかもしれない。

  • 内向的な思考優先型

    • 行動よりも思考を重視し、アイデアや理論を内面で深く考える

    • 実際の行動に移す前に、さまざまな可能性を頭の中で検討し続けることがある

  • 完璧主義な傾向

    • 理論的な完璧さを求めすぎて、行動に移すのを躊躇うことがある

  • エネルギー配分の偏り

    • 興味のある分野に膨大なエネルギーを注ぐ一方で、それ以外のことには消極的になりがち

    • 日常的な事務作業や反復的なタスクを面倒に感じやすい

こういった特性が原因で、消極的な態度をとってしまっている場合、周りの人がINTPに対してどういった印象を持つかというと、

  • 無関心

    • 周囲の状況に対して反応が薄い

    • 他者の感情や困難に対して共感が見られない

    • 集団の一体感や協調性に欠ける

  • 責任感がない

    • 問題解決に積極的に関与しない

    • 「自分のことしか考えていない」という印象

  • 能力がない

    • 能力不足で行動を起こさないように見える

    • 思考を外部に表現しないため、何も考えていないように見える

  • 傲慢

    • 自分の中の論理的な思考に没頭する姿が、他者を軽視していると解釈される

    • 意見を述べない態度が、周囲を見下していると誤解される

  • 消極的な性格

    • 内向的で、社交性がない

    • 自信がない

    • リーダシップや主体性に欠ける

いかにも社会不適合である。

正直、「無関心」「責任感がない」あたりは、印象の通りかもしれない。多分、INTPは「自分にとってどうでもいい」ということの領域がとても広いので。

でも、「能力がない」「傲慢」のあたりは、実際のところとは違うと思う。言わないかもしれないけど、考えていることはあるし、自分が考えていることが絶対に正しいと思っていることはあまりないはず。

そもそも「無関心」「責任感がない」というのも、そういったことにINTPは価値を感じていないということ。

では、INTPが価値を感じるのはどんなことだろうか?

INTPが価値を感じるのはどんなことか?

INTPは、以下のような観点から価値を見出すことが多い。

  • 知的な好奇心と真理への探究

    • 表面的な理解ではなく、物事の根本原理を理解したいという欲求

    • 自分の無知や誤りを認め、より良い理解へと更新してく過程そのもの

  • 論理的一貫性

    • システムや理論における矛盾のなさ

    • 効率的で無駄のないプロセス

  • 自律的な思考と判断

    • 外部からの強制や同調圧力に依存しない独立した思考

    • 自分自身の論理的分析に基づく結論

  • システムの改善と最適化

    • 非効率や矛盾を解消すること

    • より良いシステムや解決策を見出すこと

  • 知的探究の自由

    • 興味ある分野を深く追求できる環境

    • 新しいアイデアや可能性を探索する機会

つまり、こういった価値を追求するためであれば、頑張れる。
だから、INTPをうまく使いたい時は、これらの価値の文脈で課題を与えるのが良いと思う。

「チーム一丸となって取り組んでくれ」、「君には期待しているよ」といっても響かないし、「なんでできないんだ!!」と感情的に詰めても響かない。

「これについて自分で調べて自由にやってみて。迷ったら相談して」、「今の進め方、どこが効率悪かったと思う?」みたいな関わり方のほうがINTPには響くかもしれない。

INTPはどんな人物を信頼するのか?

INTPに対する理想的な関わり方について考えてみたが、そもそもINTPにとって信頼に足る人物とはどんな人だろうか?

特徴を整理してみると、以下のようになる。

  • 知的誠実性を持つ人

    • 自分の無知を正直に認められる人

    • 論理的な議論において、より良い意見を素直に受け入れられる人

  • 深い専門性を持つ人

    • 特定の分野で本質的な理解を示す人

    • 根本的な原理から説明でき、思考プロセスを共有できる人

  • 不必要な社会的駆け引きを避ける人

    • 建前や形式にこだわらない人

    • 感情的な操作を試みない人

  • 個人の自立性を尊重する人

    • 不必要な干渉を避ける人

    • 強制的な同調を求めない人

INTPは、「内向的な思考優先型」などの特性があるので、何か行動を起こすには、外部からの刺激が必要。

例えば、上記のような条件を満たす「信頼できる人物」に貢献できる、といったことも刺激の一つ。「信頼できる人物への貢献」がどうしてモチベーションの源泉になるかというと…

  • 理論と実践の橋渡しになる

    • 理論的思考にとどまりがちなINTPが、具体的な行動に移るきっかけになる

    • 信頼できる人物の課題解決が、理論を実践する意味ある文脈を提供する

  • 価値の確信

    • 信頼できる人物の判断や目的に対しては論理的正当性を見出せるため、支援に意味を感じられる

  • フィードバック

    • 建設的な批判や改善点の指摘が、改善への動機になる

  • 心理的安全性

    • 余計な社会的配慮や形式的な対応を省略できる関係性の中で、純粋に課題解決に集中できる

    • 失敗や試行錯誤を許容してもらえる環境があることで、より積極的に行動できる

  • 知的な相互作用

    • 信頼できる人物との協働を通じて、新しい視点や知識を得られる期待がある

こういった動機づけがされていれば、INTPはとても頑張ると思う。

INTPを使いこなすにはどうしたらいいのか?

INTPを使いこなすには、以下の2つのことが必要になる。

  • INTPが価値を感じられるように伝えること

  • INTPにとって信頼できる人間になること

でも、これはINTPに限らず、他のタイプであっても同じことかもしれない。どんなことに価値を感じるか、どんな人間を信頼するか、というところがタイプによって違うだけで。

個人の体験

私自身もINTPとして生きていて、自分はかなりハサミ(馬鹿)よりのタイプだと感じている。使い所を間違えれば全く機能しない。でも、うまくハマれば、役に立てる。(役に立てないなら価値がない、ということではない)

「INTPを使う方法」という観点で考えてきたけど、そんなことをいちいち考えてくれる親切な上司はなかなかいない。たまたま相性がいい上司はいるかもしれないけど。だから、自分で自分の使い所を作るほうが手っ取り早いと思う。

とは言いつつ、それはそれで難しい。そうやって居場所を作るために頑張るくらいなら、山に引き篭もりたいと思うし。

まあ、無理しない範囲で頑張ろう。

終わり!

謝辞
claude, lummi

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