妄想紙[vol.2] 心と体 ONLINE
季節は健康の尺度。季節を感じる自然の変化に気づかないときは、自分の変化にも気づかない。そして、忙しさから抜け出して一息ついた頃、もう季節は変わっている。今年の4月、大好きな桜を見逃してしまった。多分、見つめていたのは液晶のスクリーン。顔を上げて、自粛中の部屋から窓の外を眺めた記憶はない。もう今は6月。じめっとした嫌いな梅雨の季節がやってきた。気分はもちろん憂鬱。でも、季節の変化には気づいている。心と体は健康ということ。そう思うと、梅雨入りも少しだけ嬉しくもある。今回の妄想紙のテーマは「心と体 ONLINE」。オンライン生活中の今だからこそ気づく「心と体」のことについて、あれこれ妄想してみた。(なつ)
□ The secret of my health/ mika
サイバー空間で「立ち話」をしているmika。外に出るよりも、家にいた方が疲れずに良いと思ったが、疲れないからといって、気分が上がるわけではないと感じた。人と話すこと、文章を書くこと。定期的にスイッチをONにすることは必要な事なのだと気づく。stayhomeだからこそ、「ON/OFF」について考える。
□ 小さなハプニングと大きなハプニング / natsu
雨の降っている夜に、ワンピースを来て傘を差して散歩に出かけたnatsu。雨の日に外に出ることは憂鬱なことのはずだが、この日はいつも以上にウキウキだった。なぜウキウキになれたのか考えてみると、出てきたのは「脱・予定調和」というキーワード。日常の行為とこのキーワードを照らし合わせて、心と体の調子について考えてみた。
□ それも自分だから / いずみ
色んなこと頑張ろうと意気込み、活動するなかで、体からのSOSに気づかないフリをするいずみ。「周りの人に迷惑をかけてはいけない」「何もできていない自分に価値はない」そう思い、焦ってとにかく突っ走っていた。そんなとき、「もうダメだ」というタイミングがやってきた。どんな自分も認めてあげるためには、どうすればよいのだろうか。
□ ダイエット意識が健康? / よしだはるか
「小顔になれる」とある人の投稿から納豆を食べ始めたり、野菜を食事の1番初めに食べると「太りにくくなる」という話からサラダを食べたり。健康とダイエットをよく混同しがちだという、よしだはるか。最初はダイエット意識から始まるが、続けているうちに、健康とダイエットは切り離すことができないのではと思うようになった。
□ 「真面目」なアカウントと多様な自分。 / くりのさやか
「twitterアカウントは一つにすべきか?」
仲が良い先輩から言われた一言で、アカウントを「普段用」と「ゼミ用」に分けたくりのさやか。いつのまにか「普段用」は使わなくなり、「ゼミ用」だけ残した。しかし、コロナ禍の今、アカウントが1つしかないことに苦しさを感じるという。「アカウントの中の"私らしさ"」とは一体何なのだろうか。
□ お医者さんとはオンラインの方が話しやすいと思う / Takeru Nagaoka
1年以上オンライン診療を利用しているTakeruNagaoka。オンライン・コミュニケーションについてのネガティブな声もあるが、著者にとっては、そこで失われるものよりも得られるものの方が重要だったようだ。オンラインで失われるもの、得られるもの。このような状況だからこそ、どちらが「自分にとって重要か」を考える機会かもしれない。
□編集後記
健康という同じテーマでも、心に焦点を当てる人、体に焦点を当てる人、医療に焦点を当てる人など、書いていることは皆バラバラだ。だが、読んでみると、文章の端々に「オンライン」というキーワードが潜んでいることに気づく。インターネットと共に育ってきた私は、今回の状況で「オンライン」のあり方が変化したと感じている。いや、あり方ではなく、「利用する私たち」の向き合い方なのかもしれない。「なんとなく使う」ということから、「意識的に使う」という変化を強く求められていると感じる。考えていることをゼミ生にシェアしたり、友達とくだらない話をしたり。アイディアが浮かぶ機会や自分の心を癒す時間は、自分で意図的に作らなければいけない。大変なようにも聞こえるが、「自分の手で自分の状況を変える」という状況に、私はワクワクしてしまう。案外、今の状況は楽しいのかもしれない。(Kurino)
[Chief Editor] 長岡健
[Editor] 栗野紗也華, 西山なつ美
[illustrator]高村南美