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小雪舞う箱根(25年1月4日5日)

1月4日。私、妻、帰省中の息子、嫁いだ娘とその旦那の5人で箱根に行った。初めての二家族旅行。

小田原駅西口で待ち合わせしホテルの送迎バスに乗って約1時間。宿「はなをり」に到着。

スムーズなチェックイン。フロントの手際がいい。説明も簡潔明瞭。「お二部屋は向い合わせでとらせて頂きました」とのことで、カードキーをもらってそれぞれの部屋へ。

ピンポ〜ン♪  早速娘夫婦が部屋にやってきた。

「へえ〜、こっちは芦ノ湖が見えるんだ。眺めいいねえ〜」とベランダに出たかと思えば「寒〜っ」と言ってすぐ部屋に戻ってくる娘。相変わらず分かり易い。

ソファ横のテーブルを囲んで座る。

娘(姉)は息子(弟)にプレゼントを買ってきてくれたようで、アロマキャンドルやハンドクリームにおしゃれなお香などを袋から次々に出して渡し始めた。ほんと弟思いの姉だ。

弟「ええ!これほしかったやつだ。〇〇〇!」
姉「ね、いいいでしょ!」
弟「おお、これは〇〇〇だ、めっちゃ嬉しい」
姉「やっぱ知ってる?いいよね、この〇〇〇」
弟「これも探してた〇〇〇だ、ええ〜いいの?」
姉「〇〇〇いいよね〜」

聞いたことのない単語の連続で、ちっとも頭に入ってこなかった。娘の旦那は隣で微笑んでいる。

姉「開けて嗅いでみてよ」
「うん、うわぁ!めっちゃいい匂い!」と興奮気味の弟。

「どらどら」と妻も嗅いでみる。
「ほんとだ、いい香り〜」と満足そう。

「どれどれ」と自分も嗅いでみたが、全然匂わずその良さがわからない。妻からも言われている通りやっぱり鼻が悪いのだ。

息子の近況報告に花が咲く。なんかいいなぁと思いながらも私は静かに温活サ活へ。

男女入れ替え制の棚湯。

スリッパを脱いで脱衣場に入ると花柄ピンクの浴衣を着た髪の長い人がすーっと横切っていく。その後ろ姿は紛れもない女性!

ええ?
ええ〜!
しまったぁ!

風呂間違えたか!と思ったが、見回すと他の男性宿泊者も裸で普通に歩いている。あれっ。

ドライヤーで髪を乾かし始めるその人。鏡に映ったそのお顔をちら見すると、長州小力系(キレてないっす!)だった。

まったく紛らわしい、とちょっと憤慨。心拍数が無駄に上がってしまった。

気を取り直してサ室へ。ボナサウナ。上段に座り、壁にもたれると最初背中が熱いが慣れるとじんわり気持ち良い。ガラス窓から外がみえるので閉塞感がない。とても静かで落ち着く。いい、とてもいい。

水風呂からあがって最初の外気浴。椅子に腰掛けると芦ノ湖が見える。小雪が舞っている。足の裏が冷たい。体感零度。

二度目の外気浴。遠くの山の上部が薄赤く色づいている。立ち上がって日の沈む方角をみると、山間の空が真っ赤に染まっていた。小雪舞う静かな夕焼けだった。

三度目の外気浴。日が沈み急速に暗くなっていた。薄い雲の隙間から星が瞬いていた。足の裏の冷たさは慣れた。

1月5日。翌朝、窓の外は雪景色だった。

朝風呂に向かう。

昨日とは違う入口の暖簾をくぐる。脱いだスリッパを取ろうとするとピンクの浴衣を着た髪の長い人が入ってきた。ドキッ!

ええ?ええ!今度こそ間違ったか?と一瞬焦ったが、髪をかき上げるその人の顔がちらっとみえる。またもや長州小力系だった。昨日の人か!ほんま紛らわしい。また朝から無駄に心拍数を上げてしまった。

気を取り直してサ活。

朝風呂のサ室はミストサウナ。誰も居ない。座っていてもなかなか熱くならないので立ち上がった。そしてどうせ立つならと目を瞑って片足だちの練習をした。目を瞑るとすぐにフラフラしてしまい、どうしても10秒持たない。

右足立ち、左足立ちとフラフラしながらも交互に練習していると、他の宿泊者が入ってきたのがわかった。目を開けると怪訝な顔をされていた。

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