見出し画像

これからのプロダクトマネジメントは共創がテーマになるかも

先日以下の記事を書きました。こんなにも多くのスキをいただき、大変感謝しております。ありがとうございます。

今回のnoteは、上記のnoteの最下部でも触れていたプロダクトアドバイザーに関してなど、プロダクトマネジメントに関することを書いてみます。今回もまた稚拙な文章です。ご容赦ください。

対象読者

  • プロダクトマネジメントのお仕事をされている方/プロダクトマネジメントに興味のある方

  • カスタマーサクセスのお仕事をされている方/カスタマーサクセスに興味のある方

  • プロダクトアドバイザー制度やフィードバックを公開する取り組みに興味を持っていただいた方

  • Qiita Jobsの最近の取り組みについて気になる採用担当者・採用に関わってる方

いきなりまとめ

  • プロダクトフィードバックループに感銘を受け、それをきっかけにプロダクトアドバイザーとフィードバックを公開する取り組みを始めました

  • これから共創という概念がもっと盛り上がってくるかもしれない

  • まだまだ始めたばかりですが、個人としては手応えを感じています

  • 個人だけでなく、携わってくださる方々が手応えを感じていただけるように頑張ります

フィードバックループに感銘を受けた

僕はエンジニアと企業のマッチングサービス「Qiita Jobs」をつくっています。2021年11月当時、ある課題で頭を悩ませていました。

それは「プロダクトマネジメント」です。

自分たちとしては、これからの未来を予測しつつ、こんなプロダクトに進化させていきたいよねと掲げているプロダクトイメージ像がありました。しかし、すぐにそこに到達することはできないし、今すでに利用してくれているユーザーさんや企業さんもいる。目指している進化だけでなく日々の改善も必要。

まさに「未来のための開発」と「今すべき改善」の優先順位とかける時間やコストのバランスに頭を悩ませていました。

そんなとき、この記事をふと目にしました。

プロダクトマネジメントの視点を2つに分けるとすると、市場規模・法規制・競合の動向などを鳥の目で眺めて意思決定を行うマクロな視点と、顧客の現場で日々起こっている課題を虫の目で見つけて、それを解く機能を生み出すミクロな視点に分けることができると思います。
前者の視点でプロダクトに関わるのは事業開発メンバーやプロダクトマネージャーが多いと思います。一方、後者についてはCSが一番適しているポジションだと思います。
つまり、CSは職種としてプロダクトマネージャーとは呼ばれないものの、実際はプロダクトマネジメントの2つの側面のうち片方を担うべき存在だと考えています。
そのプロセスの中で一番大切なことがフィードバックループを回すことではないでしょうか。

https://note.com/kajisan_startup/n/n07171e08fcee

なるほどその通りだ…!ですが、言うは易し行うは難しとはよく言ったもので、我々もカスタマーサクセスがフィードバックループを回そうとしていましたが、回せていないのが現状でした。

そこで、カスタマーサクセスがどのようにミクロな視点でのプロダクトマネジメントを遂行しているのか、記事の詳細以外にも聞いてみたいと思い、初対面ながらkajiさんにMeetyでお話を伺うことができました。

(とても真摯に、そして丁寧にお話していただきました。本当に感謝しております🙏改めてありがとうございました。)

伺った詳細は割愛しますが、顧客に真摯に向き合っているエピソードやその考え方に感銘を受けました。

僕たちが手に入れたかったことはフィードバックループじゃなくて熱狂だった

LayerXさんのフィードバックループに感銘を受けた後、早速自分たちも実践できないかを考えるようになりました。ただその手段に固執するのではなく、なぜその手段を魅力的に感じたのかを改めて考えました。

  • 悩みは「未来のための開発」と「今すべき改善」の優先順位とかける時間やコストのバランス

  • このバランスが保てないと、遅かれ早かれ顧客に必要のないプロダクトになりかねない

  • 今大事なことは顧客に必要とされる、もっと言えば熱狂してもらえるプロダクトやサービスであり続けることではないだろうか

  • …あれ?

  • 必要とされる、熱狂してもらえるプロダクト・サービスを作りたいが本当の自分の手に入れたいことかもしれない

「フィードバックループをやりたい」というニーズから気づいたのは「必要とされたい、熱狂してもらいたい」といったジョブを自分たちが抱えていることでした。

ここで自分たちのサービスが位置する市場の説明は割愛しますが、レッドオーシャンの市場だと認識しています。その中で自分たちが選ばれるサービスになれていない、いわゆるプレファレンスに以前より課題を感じていました。これが最も解決したいことでした。

改めて「必要とされる、熱狂してもらえるプロダクト・サービス」になるために、今どんな振る舞いが必要なのかを考え始めました。

このときに想像したのは、NiziUです。アイドルになる過程をオープンにすることで、愛着や共感が生まれファンが生まれる。まさにプロセスエコノミーそのものでした。

僕たちのプロダクトは全然完成されていない、むしろ改善点が多い。だからこそ、プロセスエコノミーの考えが合うかもしれないと思い、自分たちの過程に着目しました。

まずは企業の目線で考えたときに、自分たちの過程に以下のような課題があるだろうと考えました。

  • フィードバックの場が一元化されていない

    • 打ち合わせでカスタマーサクセスに伝えれば良いの?

    • 打ち合わせがない場合どこから伝えれば良いの?

  • フィードバックに対してリアルタイムで対応進捗の共有ができていない

    • 伝えたフィードバックってその後どうなってるの?

    • 今Qiita Jobsって何をしているの?どんな状況?

  • 機能リリースの案内などのお知らせにおいて、コミュニケーションが一方通行になりやすい

    • 新しい機能や改善が出たと言うけど、一体何を目的にやっているかわからない

    • もっと他に優先的に取り組むことがあるでしょう

熱狂してもらうために、過程の課題を解決する。それを目指して自分たちなりのフィードバックループを考えることになりました。

そんなとき、Qiita運営自体がユーザーと運営とのコミュニケーションの場として「Qiita Discussions」の運営をクローズドベータで開始しました。
(2022年2月現在、正式運用を開始しています。)

ユーザーとのコミュニケーションの場として「Qiita Discussions」がある。この取り組みを企業側にも実施していこうと考えました。

結果としてたどり着いた共創

当時並行して進めていたものがあります。それはコミュニティの立ち上げです。実は自分たちが選ばれるサービスになれていない、プレファレンスの課題は以前よりすでに感じており、そのための施策として進めていました。

コミュニティ立ち上げも全くノウハウがなかったので、立ち上げの背景や目的や取り組みを、KARTEなどを運営しているプレイド社や、同じ業界で人事コミュニティを運営されているHERP社にお話を伺いながら小さく立ち上げを始めていたところでした。

(その節は本当にありがとうございました🙏いつも与えていただいてばかりなので与える人になりたい、ならねば…。)

伺ったお話を参考に、我々もQiita Jobs利用企業に対してプロダクトだけに限定せず、サービスとして選ばれるきっかけをつくっていこうと小さくいくつかの企画を実施しました。

このような企画をきっかけに、利用企業には徐々にコミュニティとして用意しているSlackワークスペースに参加いただいていたのですが、今後のコミュニティのあり方を模索しているところでした。

結局ファンを作りたいってことだよなと思い、どうやったらファンを生み出せるのかを考えていたときにファンベースの考え方に出会いました。

(以下のnoteでもファンベースについて語られており、参考になります。)

まさにこれだ!!!!と。

  • 熱狂:「身内」として扱い、共に価値を上げていくこと

  • 無二:コアファンと共創する

  • 応援:ソーシャルグッドを追求する。ファンの役に立つ

この3つを叶えることができれば、必要とされる、熱狂してもらえるプロダクト・サービスになれるかもしれない。そしての課題を解決する要素もある。

その方法はなにかー。今後のコミュニティの検討とフィードバックループの検討のタイミングが重なり考えに至ったのが、プロダクトアドバイザー制度とフィードバックを公開する取り組みです。

https://corp.qiita.com/releases/2022/02/qiita-jobs-product-advisor/

Qiita Jobsを特に利用いただいている企業さんを身内として扱おう。プロダクトフィードバックの場を用意し、フィードバックをいただこう。いただいているプロダクトフィードバックをカンバン形式で公開して、いただいたフィードバックが今どんな進捗か示そう。開発優先順位をプロダクトアドバイザーに伺ったり、みなさまのフィードバックへの共感量に応じて決めよう。素早く改善出来るようにフィードバックを元に改善を行うチームをつくろう。役に立つサービスを利用企業と共につくっていこう。

https://corp.qiita.com/releases/2022/02/qiita-jobs-product-advisor/

このような過程を踏んで生み出したのがプロダクトアドバイザーであり、フィードバックを公開する取り組みです。
(プロダクトアドバイザーに関して、他にも多くの方からご応募いただきました。本当にありがとうございます。最大4名が限度だろうと考え、今回は決定した4名の方々にお願いいたしました🙏)

そしてコミュニティでは、feedbackチャンネルを作成し、いただいたフィードバックへのコメントや進捗のやりとりをしています。このフィードバックへの取り組みに注力しつつ、ユーザー会も定期的に開こうと考えています。

すでに共創に取り組んでいる事例も

個人的に「お!共創だ!」と思ったのはメルカリが試験提供を開始したメルワークです。

これがリリースされた時には勝手に「くそ、先越された…」と悔しがってました。今後もサービス利用者と運営者の垣根を超えた取り組みは増えてくるのかもしれません。

共創の手応えと今後

始めて1ヶ月程度なのですが、個人的には手応えを感じています。

  • プロダクトアドバイザーはもちろん、その他Qiita Jobs利用企業さんからもフィードバックをいただけている

  • プロダクトアドバイザーに、これからのプロダクトロードマップを共有してフィードバックをいただいたり、新機能のプロトタイプを共有してフィードバックをいただける

  • 自分たちが気づかなかったことに気づける

  • 気づいていたけど優先順位を上げられていなかった改善点が、実は利用企業にとって優先順位が高いことに気づく

  • エンジニアやデザイナーも直接Qiita Jobs利用企業さんと話す機会が定期的に持てるようになった

  • 仲間感があって心理的安全性高い関係性が築けている(気がする)

    • 忖度ない関係性が気づけている気がする

まだまだ出来ること、改善点もあります。ですが特にプロダクトアドバイザーは共創している感じが出てきています。お忙しい中、貴重な時間を使ってQiita Jobsに携わってくれることがすごく嬉しいです。

ただし、まだ始まったばかり。この共創をきっかけに利用してくださっている方々の役に立つまで突き詰めていこうと思います。共創はあくまで手段ではありますが、この手段がとても有効に作用するだろうと今は考えています。

企業にばかり着目してない?

このnoteを見ていると「あれ?Qiita Jobsって企業にばかり着目してない?」と思う方もいるかもしれません。今我々は、ユーザーのために企業と共創することが大事な時期だと思っています。

ユーザーにより良いコンテンツを届けること。ユーザーと企業のマッチングの場そのものを良くすること。それらを叶えるために、企業との共創は不可欠だと感じています。詳細は割愛しますが、今ユーザーのためにここに時間をかけています。

このあたりはまたの機会にnoteに書くことにします!

最後に

https://media.jobs.qiita.com/community

Qiita Jobs利用企業向けにコミュニティを運営しております。まだ入られていない方はぜひご参加ください!

フィードバックを公開する取り組みに関して、クローズドベータとしてGitHubで運用をしています。

プレスリリースにも記載したのですが、Qiita Jobsの企業管理画面を主に利用している採用担当者にとって使い慣れないサービスのため、利用のハードルが高いかもしれません。

しかし、我々のミッションである「エンジニアを最高に幸せにする」に立ち返り、多くのエンジニアが利用するサービスを実際に採用担当者の方にも利用していただくことで、「エンジニアの方々を身近に感じていただけるのではないか」「利用サービスをきっかけにエンジニア文化に触れる機会を作れるのではないか」と判断し、クローズドベータでは「GitHub」での運用を開始しています。

コミュニティ加入後、Qiita Jobs利用企業フィードバック参加応募フォームがfeedbackチャンネルにありますので、そちらより応募し、フィードバックを公開する取り組みにご参加ください!

Meetyを用意しました

これまで多くの方にお話を伺ってきたからこそ今があります。もし僕が力になれることがあればと思い、Meetyを作成しました。

何か力になれることがあればお話させてください!(と言いつつ、僕がいろいろ伺ってしまうかもしれません)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?