ミスリード(2014.03.25)

一つの事象をありのままに説明する。
それはもう比喩とか使ったり、言い回しを強調したり。そして結に繋げて、聞いた相手はその結に対して「ほほう」と頷く。

しかしその説明の中で伝えたかったのは、その結ではなかったりする。

でも恥ずかしかったり、言いづらかったりするから、結を強調する事で真意をよりいっそう見つけにくくする。

その結果、話してる内容はまどろっこしいけど、言ってることは単純明快でどうって事ないことをだらだら論じる人だと思わせる。

言い方を悪くすると、バカに見せる。

でも誰も気付かないから真意は迷宮入りする。結果世界に残るのは、思いやりのないバカの自分。

伝えたい事は、伝わってから初めて意味を持つ。
伝わらない事は、どんなに奥深くても掘り出せなければ埋もれてく。

掘り起こせるのは、論じる自分への興味と好意。
よって世界中の99.9%以上の人は掘り起こせない。

でも0.1%未満のそこに伝わればよくて僕は言葉に含みと息吹を閉じ込める。

まるで今までの人生で使ってきた全ての言葉を託すように。

辿り着くまで多くのミスリードを散りばめて。
言葉を紡ぎ、言霊に託す。

言葉の悪魔に負けないように。
言葉の魔法に頼らないように。

言霊は国境をも超え、言語をも超越し、世界を繋ぐ。

そういうことか。
僕らが毎日誰かと話してる言葉の内容なんてすべてがダミーだ。

みんな腹の中で考えてるんだ。
調和の為。自分を守る為。相手を敬う為。相手を擁護する為。
だから怒り、悲しみ、感情、感動は言葉にならず、細胞を通じて身体に現れる。

人間の会話はほとんどがミスリード。
分かっちゃいるけど引っ掛かったふりをしあって、今日という日を素晴らしい一日に変えようとする。

そんな事を悲観する暇なんて、僕らは持ち合わせてないんだ。

2014.03.25

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