鸚鵡(2013.07.22)
人が喋った事を繰り返す。それをすると人が喜ぶ事を知っている。
そんな鳥は今日も籠の中。
自由のない籠の中で、人が喋った事を繰り返し、餌を貰う。
ちょっと待て、僕らとてもよく似ている。
常識という名の籠の中。
誰かに教えてもらった受け売りの言葉を、まるで自分の言葉のように他の誰かに伝えて、その誰かを喜ばす為に思ってもいない事を誇らしげに言ってみたり。
社会という名の籠の中。
誰かに認めてもらおうと偉い人の言葉をそのままなぞって語ったり、自分の餌の為に、大嫌いな奴を喜ばす言葉を覚えて、それをそいつに喋ってみたり。
世界という名の籠の中。
生まれた国の言葉より、先進国の言葉をむやみやたらに褒めてみて、異国の文化や風土を知る前に、高い金を払って格好つける為に他国の言葉を習ってみたり。
僕らはいつも籠の中。
自由になりたいと願いながら、誰かの言葉に聞き耳立てて、誰かの言葉を真似して。
誰かの言葉に影響されて、自分を忘れて誰かを追いかける。
人に喜ばれる事が好きで、人に尊敬される事が好きで。
絶対読めない漢字をBlogタイトルにしたりして、うわぁすご~いなんて思われようとしたりして。
実は自分も知らない漢字を、まるで自分の知識のように使ったりして。
小さな籠の中で迷子のフリして。。
早くこの籠から抜け出さないと、アイデンティティがなくなっちまうね。
自分の言葉、自分の想い、自分の思想、自分の信念を、全て堂々と誇れる自分になりたい。
そうだ、僕は人間なんだ。
羽は無いけど、目の前塞ぐ鳥籠なんてない。
色々な籠に入ったのは自分から。
だからそこからはいつだって出られるんだ。
全てを失う覚悟はあるかい?
それでも幸せって思えるかい?
籠の外は危険がたくさん。誰かに食われちまったらそこで終わりだ。
それでもここから脱げ出すかい?
それは自分で決めた事かい?
それでも抜け出して求める自由。
きっとオウムに同じ事を聞いたら同じ方を選択するよ。
きっと人間もそうしたい。
そこに気付けたなら、それをすればいいと思う。
だって、常識の籠の外に出たら、いくつになったってまだまだ何でも間に合うんだから。
2013.07.22
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?