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山口俊治『英語構文全解説〈新装版〉』の使い方

「幻の名著」と呼ばれるものは数あれど,本当に名著と呼べるものは意外と少ないのが実際です(いきなりの毒)。

この記事はnoteメンバーシップ「不知塾(しらずじゅく)」限定ではなく,一般公開するつもりなので毒吐きはこのくらいにしてマイルドにいきましょう,マイルドに。


著者の山口俊治先生は『英文法講義の実況中継』であまりにも有名です。私もこの本には大変お世話になりました。

『英語構文全解説』は当初『コンプリート高校英語構文』というタイトルの学参でしたが,じっくりと取り組み,超高度な英語力を身につけたい大人の学習者に最適です(大半の高校生にはオーバーワーク)。

この本がどういう性質のものであるのかは「はしがき」をお読みいただければわかります。

出版社としては,すでに多数の高校で採用されていた拙著『コンプリート高校総合英語』と同じように,あくまで大量一括採用を目途としていたのですが,その部厚さゆえに,特定の優秀校での採用に限定される傾向が顕著になったため,意向と合致しないという理由から絶版となりました。

特定の優秀校での採用に限定される傾向が顕著」の部分に特に注目してください。

確かに読者を選ぶ教材だと思います。英文法の基礎知識が身についているのが前提になるでしょう(拙著『英文法基礎10題ドリル』に取り組んだ後なら大丈夫です)。

特定の優秀校が採用していたということは『英語構文全解説』(当時は『コンプリート高校英語構文』でしたが)は最難関大対策に有効な教材であると考えられていたと言っていいでしょう。この評価には完全同意です。この本を学び尽くせば東大だろうと京大だろうと合格できるでしょう(別教材で語彙の補強は必要ですが)。

今「この本を学び尽くせば」と言いました。この分厚い[部厚い]本をどのように攻略すればいいのかを解説します。

最初に「基本例文」を暗記しましょう。英文を見て正しい和訳が言え,和訳を見て元の英文を言える状態になってください。私はこれを英文の「暗記」と定義します。まずは[1]から[150]までの「基本例文」を暗記してください。

次に「EXAMPLES」を同様に自分のものにしてください。ここまでで十分です。ここまでで十分ですが,せっかく掲載されているので「類題研究」も同じように堪能しましょう。

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不知塾と書いて「しらずじゅく」と読みます。 ソクラテスの「不知の自覚(無知の知)」を重視しています…

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