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成功する人はどんな人か
分からない。
成功する人はどういう人間かというコラムはよく目につくが、参考にならない。
例えば、以下のコラムが目についたとしよう。
「億万長者の人は、意外にケチだ。絶対自動販売機でジュースを買わないし、無駄な買い物は一切しない。本当に必要なものだけしか買わないから、家の中が散らかっていない。」
ふむふむ、なるほど金持ちはお金の管理がしっかりしているからこそ金持ちになれるんだな。分かる気がする。よし!明日から無駄遣いしないぞ!!と心に決めた次の日、
「億万長者の人は、湯水のごとく金を使う。一般の人はためらうような買い物をばんばんするのだ。これは億万長者になる前からずっとだ。億万長者は、お金は自分のものにするとは考えず、ただただ通過しているものとしかとらえない。」
げげ!!どっちやねん!!
となったりする。
これは論理の飛躍があるからだ。億万長者になれるかどうかは「金銭感覚」のみと暗に条件を一つに絞ってしまっているからだ。
本来は、以下のように非常に多くのパラメータがある。
「イケメン度」1~10
「金銭感覚」 1~10
「教育レベル」1~10
「ユーモア」1~10
「カリスマ性」1~10
これらパラメータはきっと数えきれないほどあるだろうが、思いつく5個を取り出した。とりあえず一つのパラメータに10段階の数値を入れておいたが、これの組み合わせは、10×10×10×10×10=100000通りの組み合わせになる。
さらに、億万長者になる方程式が以下だ。
億万長者になれるかどうか=F(イケメン度,金銭感覚,教育レベル,ユーモア,カリスマ性)
この数式Fの中身は、よく分からないが5個のパラメータを足したりかけたり一生懸命計算する式になっている。この式にそれぞれの値を代入すれば億万長者になれるかどうかがわかる。
F()の中で何をやってるか分からないが、きっと掛け算は入ってるだろう。変な定数をかけてるかもしれないし、パラメータ同士をかけてるかもしれない。なんなら乗倍だってありそうだ。そうすると、イケメン度が2じゃなくて実は1だったってだけで、出力結果は大幅に変わってきてしまったりする。
そこで問題になってくるのが、「自分がイケメン度1なのか2なのか計測できるのか」という問題だ。そんな定性的なパラメータはきっと1とか2とか断言できるものではない。計測出来ないのだ。
つまり、計測できないものなのに、1とか2の少しのずれで大幅に結果が変わってきてしまうわけだ。
これはパラメータが多ければ多いほど起きる。今は5個だけしか例に挙げなかったが、もっと何百、何千とパラメータがあっていいはずだ。そしたらもう億万長者になれるかどうかなんて、予測不能に決まっている。
以上より、
「成功する人はどういう人間か」というコラムはクソの役にも立たないということになる。そんなコラムに一喜一憂するのはやめてとにかく頑張って成功してみよう。
成功したら、成功した理由をコラムに書いて皆を一喜一憂させてやろう。
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