認知症と安楽死~安楽死制度を議論するための手引き12(後編)
論点:認知症になる前に書いた安楽死の希望は、認知症後の患者さんにとっても有効か?
前回の記事では、オランダの認知症をもつ方に対する安楽死およびその裁判について取り上げました。
オランダでは、事前に書面で意思表示をしていれば、その後に判断能力を失ったとしても事前意思が「現在の意思」として取り扱われることが合法となったのですが、さて日本ではどうしていくべきでしょうか。
僕は前回記事の最後に
「認知症をもつ方に対し、過去~未来まで全てが揃っている僕たちが、その常識を当てはめて安楽死の是非を議論するのは、そもそもとして間違っているのではないか?」
という問いを投げました。
今回はここから、この問題を掘り下げていきましょう。
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