緩和的鎮静は安楽死の代替となり得るか~安楽死制度を議論するための手引き08
論点:緩和的鎮静は安楽死の代替となり得るか
前回の記事では、子どもに対する安楽死制度の適応についてみてきましたが、その適応条件となる「緩和ケアを受けても苦痛が緩和されず、余命が限られた患者」が実際にはかなり特殊な状況でほとんど存在しないのではないか、ということを書きました。
その理由として、理論上「終末期におけるあらゆる苦痛は、適切な緩和ケアによって取り除くことができるはず」だからです。そしてその要となるのが、終末期において麻酔薬に近い薬を使って意識の状態を落とし、苦痛