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ミャンマーに大型投資するベトナムとミャンマー軍政

 ミャンマー軍のクーデターがこの2月1日に発生、国民の多くが軍政復活に反対し、デモが多発。それに対して軍事政権は国民を殺戮してまでも弾圧を強め、世界から批難されている。

 ベトナムでも連日のようにミャンマー情勢が伝えられている。ベトナムは伝統的に他国での反政府デモや政変が発生しても客観報道に徹し、事態を詳述したり連続して報道することは過去少なかった。しかしミャンマーの今回の政変に対しては連日のように報道がなされ、反軍政デモで多くの死者が出ていることが報じられた。これは全く意外であった。

 背景には、ベトナムがミャンマーに対する巨額の投資をしており、その経済的利益の観点しても決して見逃すことができない事態だからであろうと思われる。

 対ミャンマーのベトナム投資金額は150億米ドル、日本に次ぐ第4位。件数にして18案件、ベトナム企業200社がミャンマーで活動しているとBBCは伝える。

 主要案件にはベトナム人民軍系の携帯電話会社Viettelと同国軍系MEC社と合弁で設立した携帯電話会社Mytel、ベトナム自動車メーカーTHACO社が筆頭株主となってヤンゴンに建設されたオフィス商業複合施設「ミャンマーセンター」がある。

 アセアン各国外相は先月、ミャンマーの軍に対して国民に対する暴力の停止とその意思を尊重するよう求めた。内政不干渉を原則とするアセアンにあっては異例だともいえる。ベトナムも自国の権益も確保しつつ軍と国民との和解を求めている。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2021年5月号掲載

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