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Vingroup「選択と集中」か、それとも「終わりの始まり」か

 ベトナム最大の私企業ビングループが12月3日同社の量販小売チェーンVinmartを”Chin-su”ブランドの調味料、"OMACHI"ブランドの即席麺で有名なマサングループに売却すると発表した。

 Vinmartは2014年に設立後、現在ベトナム50省市に2600以上ものスーパー、コンビニ店舗を展開する、ベトナム最大のスーパーマーケットチェーンだ。順調だったはずの事業の売却は急だった。続けて、同グループのオンラインショップ"Adayroi"はグループ企業に吸収させ、家電量販の"VinPro"は解散すると続けざまに発表した。同社は小売業から撤退し、自動車や携帯電話といったテクノロジー分野に投資を集中するためと説明している。

 本年夏に販売が開始されたガソリン自動車三種はいずれも価格が高く、販売も芳しくないともれきく。取引先や社員へ購入を強制する動きもあるという。

 同グループの子会社VinSmart社の携帯電話は同グループの開発したマンションの住人約10万人に無料で配布した。売れない不良在庫を同じグループ会社に買い取らせ、帳簿を操作したのではとも受け取れる。

 そのVinSmart社はGoogle社と共同し接続可能なスマートTVの販売も発表した。同グループのヴォン社長は来年EV(電気自動車)の販売も開始するとし、米国への展開も視野にいれている。

 ヴォン社長の弟は、自身の会社の売却にあたり国営携帯電話会社幹部への贈賄の罪で3年間の禁固刑となる判決を受けた。

 一連の動きが同社の「選択と集中」なのか、あるいは「終わりの始まり」か、今後も目が離せない。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2020年1月号掲載

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