2024/4/28教育者向けイベントでのBr.ファップニェムのお話
4月28日29日に行われた「教育者のためのマインドフルネスデー」にて、Q&Aで出家をした理由を聞かれたブラザー・ファップニェムの答え。
Q「なぜ出家したんですか?」
自分が生まれたころのベトナムはまだベトナム戦争の最中で、周りは戦争中の苦しみに満ちていた。その苦しみをどうしたらいいんだろうという思いがあった。
ある時(ブラザーが子どもの時)ベトナムで大嵐があって村中が破壊されるようなことがあった。お寺の建物も壊れたけれど、そのお寺の仏像は壊れずに残っていた。その仏像を見ていたら自分も静かな気持ちになってそこにしばらく静かに座っていた。自分はそうとは知らずにすでに瞑想をしていた。
ボートピープルとしてまず台湾に逃げた。ボートピープルとして逃げていく中でたくさんの苦しみを見た。難民キャンプにいた時に、テーラワーダのお坊さんがいて、彼はただ脈診をして薬をみんなに与えていた。そして(言葉が通じなかったので)何かを話したりはしなかったが、そこで瞑想をしていた。その姿を見て自分も一緒に瞑想をするようになった。
仏教に興味を持って読んだのがタイ(ティク・ナット・ハン師)の本だった。その時は自分は14歳でタイの本は一冊しか読んでいなかったけれど、ある時タイの夢を見た。タイに出家したいと言うと、タイは私が出家することを許してくれた。そして、タイがどこにいるのか調べてみたらフランスにいたので、自分もフランスに行って出家した。
出家をするのは愛と慈悲の心から。僧侶たちの出家の元になっているのは愛と慈悲の心。俗世から離れたいからじゃない。愛と慈悲がなければ僧侶を続けていくことはできない。自分自身を変容させることによって、自分と周りと社会をより平和で幸せにしたいと願っているのが僧侶だ。そのような願いがあるから自分は僧侶になった。