【ネタバレ注意】母として見たエヴァ
初めてエヴァを見たのは中3の時。
当時クラスメイトだった夫から借りたVHSで、夜中の再放送を撮りためたものだった
3倍録画で画像も荒かったけど勉強してるふりして夜中に夢中になって見た。
その後もなんだかんだ追いかけてきて、母となり父となり、二人でシンエヴァを見た。
その感想をつらつらと書きます。
私はもともとキャラクター推しするほうでもなく、それはエヴァも同じで、初見当時からミサトさんが好きかな、くらいの感覚だった。
アスカも、傷付いて孤独でそれでも毅然とするしかないってことは分かってたけどあくまでお話の中の人として見てたので、旧劇の鳥葬も演出として衝撃的だったけどアスカ個人に対してどうこうはあまりなかった。
それが今回はもうアスカに泣かされた。
ケンケンとの未来を感じさせたことに賛否があるのは分かる。ぽっとでのケンケンに。
でもさ、中身は28才でこの14年歯を食いしばって生きてきた女が、愛憎入り混じるとは言え14才の子供との未来は考えられないでしょう。
この14年、見た目の成長がなくても共に生きて支えてくれた人を好きになるのは当然だと思うの。
そして、例えプログラムされてたとしても、シンジに対して抱えていた思いを直接伝えてスッキリしたかなって素直に言えるのも28才のアスカだからだったんだよね。
そこからの、アスカの頑張りがもうね。
14才がギリギリのとこで戦う設定は思春期との戦いだと思ってるから仕方ないと思ってる。
初見の頃は自分に重ねて見てたし。
でもそれと同じ戦いを28才の女がすることを考えたら涙しかない。
あんな無茶は14才だからできるの。
28才なのに。アスカもうそんなに頑張らないで、って思いながら見てた。
シュッとしたカッコいい弐号機が、ユーロが決死の思いで残した寄せ集めのパーツでゴツい鎧背負ってさ。
必死だよね。世の中だいたい分かってるのにそれでもあんな風に戦ってるの。
使徒化してパーツ脱ぐところは出産みたいだなぁと思ったよ。
最後、シンジとちゃんと対話して思春期にケリつけたし、ケンケンと幸せになってほしい。
そしてミサトさん。
旧劇のミサトさんは「14才の少年から見た憧れのお姉さん」なんだよね。
だから性の匂いがプンプンしてたし本人も自覚してた。
それが今作は「お母さん」になってた。
テレビと旧劇の時のベースにあった性の匂いは新劇にはほとんど感じられなくなってて、その上で旧劇のミサトさんが担ってた役割をアスカが肩代わりしたのかなと思う。
旧劇ではオンナな自分を使ってたし、それでシンジと向き合おうとして、自分でもしんどかったろうなって思う。
新劇では、丸ごと受け止める母、厳しく突き放す母、人間同士として向き合い信頼する母、でも根底に全部愛情があるって姿を見せてくれたと感じてる。
最後バイザー外して髪も解いて突っ込むミサトさんは、全部愛してみんなを守るエターナルセーラームーンだった。
昔のミサトさんも好きだったけど、親になった強さを見せてくれてありがとう。
シンジも色々頑張ってたけど、私の感想はもうほぼこの二人に持って行かれた。
ゲンドウくんもほんとどうしようもねぇなと思ったけど、ゲンドウのどうしようもなさがあったから人類が介入できて新たな選択をできたわけでしょ、ゲンドウがなんもしなかったらゼーレが計画完遂して終わりでしょって夫が言ってて、確かにと思ったし、夫的にはあそこまで一人を思う気持ちに感動したらしい。
ドロドロした頃を同じ教室で過ごしてたけど、お互い大人になったし、親にもなってしまったし、それでもまた昔話しながら一緒に見に行って良かったな。
おしまい。