ELLEGARDENが新曲を出した
2022年9月9日夜、日本のロックバンドELLEGARDENより新曲が発表された。
ELLEGARDENは1998年に結成、2000年代に一世を風靡するも2008に活動休止していた。その後2018年に活動を再開、復活後ライブを行いながらロサンゼルスでの楽曲制作を行っていることを明かしていた。そして2022年9月9日、同年代の3バンドと行ったライブの最後に新曲「Mountain Top」を演奏した。
16年ぶりの新曲となる。
少し話が外れるが、私がELLEGARDENを知ったのはすでに活動休止していた時だった。
2011年、東日本大震災が起きた年。関西で行われたチャリティーコンサートに細美武士が出演していた。私は親に連れられていった。小学生でまだロックバンドをあまり知らなかった私は当然細美武士の存在も知らず、名前から演歌歌手みたいな人だと思っていた。そしたら登場したのは釣り人みたいにキャップを被ってるが、腕にはゴリゴリタトゥーの入ったおじさん(小学生の私から見たらおじさんではあった)登場。見た目によらず声が綺麗、歌がうまい、ギター1つで楽しそうに英語の曲を歌いこなす、まわりにいた観客のお兄さんたち(おそらくELLEGARDENのファンだったのだろう、終始きらきらした目で見ていた)がアコースティックライブなのにものすごく盛り上がってる、私も盛り上がる、かっこいい!!!!と一瞬で好きになった。そのライブで最後にMake a wishをしたのは今でも覚えている。英語が分からない小学生の私もなんとなくのノリで歌っていた。それ以来しばらくは友達に「一番好きな曲はMake a wishだよー」なんてませて言っていた。そこから私のロックバンド好きは始まっていった。
それから16年。最初は復活するなんて思っていなかった。それでもELLEGARDENの曲をずっと聴いてきた。私自身もつらい経験をしながら常にELLEGARDENの曲を聴いて人生を歩んできた。もう社会人になった。そして今ELLEGARDENの新曲を聞いている。しんじられない。
話はそれたが16年ぶりの新曲を聞いた私は3回泣いた。
まずはapple musicの配信で曲だけ聞いた。最初の音で泣いた。ずっと聴いてきたELLEGARDENの新しい音。
新曲mountain topはミドルナンバーだ。音もレスポールの音だけど全盛期のようにバキバキするどい音じゃない。ひずんでるけど明るくやさしい。バンド全体の音が包み込むような優しさを持ちつつそれでもそっと背中を押してくれる推進力を持った音。そして変わらないけど以前よりも丁寧で優しい細美の歌声。私の待っていたELLEGARDENの新曲だ。
そして1曲通して聴いた後YoutubeでMVを見た。おそらくアメリカで撮ったのだろう。最初は荒野(?)にある空き地のような、とりあえず外での演奏だった。そしてサビにはいるところで倉庫の中のような場所に変わる。「ELLEGARDEN」の垂れ幕をバックに演奏するメンバー。ああ、確かにELLEGARDENなんだと思った。ここでまた泣いた。2回目だ。
そしてMVには日本語訳がついていた。
ちなみにオフィシャルの歌詞ページもある。
ELLEGARDENらしい歌詞だ。変わらない。決してポジティブではない。しかしかっこ悪くても前に進もうとする。ELLEGARDENはいつだってそんな曲を作ってくれる。
そして2サビ後のCメロにあたる部分。そこの歌詞で泣いた。3度目だ。今回は号泣してしまった。
また話はそれるが、人気漫画ワンピース。読んだことがある人も多いだろう。その中で"3D2Y"というものが出てくる。
強敵に打ちのめされ、強かったルフィが初めて自分の弱さを実感する。敵の手により仲間と離れ離れになってしまった。離れる際に2日後に集合しようと仲間に告げた。しかしその後の頂上決戦で大切な兄を失う。絶望のルフィだったがジンベエに「まだ残っているもの」を教えられ、集合を3日後から2年後に変更するメッセージを世界に発信した。またそれぞれが強くなって次の海へ進むために。
おおざっぱであるが以上が3D2Yの内容だ。私は新曲のCメロを聞いた際にこれが思い浮かんだ。そして泣いた。
10年間別々の道を歩み、また再集合したメンバー。変わらないところもあるが、それぞれがそれぞれの道でいろんな経験をしてきたことは音からもわかる。それぞれの音にただの音圧でない厚みがある。一度はあゆみを止めたバンドであるが、今また再始動しこの時代でまた自分たちの旅を始めようという強い意志が現れている。そしてこれからの旅は前のように孤独な旅ではない。信頼のおけるメンバーとの旅だ。
日本のロック、音楽業界はコロナにより一度あゆみを止めてしまった。今少しづつあゆみ始めているが、まだ感染対策のため以前のようなぎゅうぎゅう詰めになるほどの満員のライブや声出しなどは行えていない。音楽への熱量はコロナ前には戻ることはできていないだろう。そんな中でまた熱い想いをもって再始動しようとしているバンドがいる。このバンドならどこまでだって歩んでいけると私は思っている。
ELLEGARDENの新曲はこれからの時代を進んでいく決意表明なのだ。
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