【朗読】寝かしつけ台本『声の国』
⚠️高校生を含む18歳未満の台本使用禁止!
・まだ18歳(さい)になっていない人(ひと)は絶対(ぜったい)に使(つかっ)てはいけません
・当台本は大人だけが読むことができます
利用規約
⚠︎本規約は予告なく変更できるものとします
⚠︎当台本使用時は必ず本規約を確認の上ご使用ください
⚠︎発生した全てのトラブルについて責任を負いません
ご使用は自己責任でお願いします
・台本の著作権は全て執筆者[tmt]に帰属
・高校生を含む18歳未満の使用禁止
・非商用のみ利用可(無料)
・投稿音声作品には以下を明記
作者名 「tmt」(読み方→てぃーえむてぃー)
作品名 「【朗読】声の国」(こえのくに)
当台本のURL
・配信での利用可
配信時に作者名、作品タイトルを音読してください
・配信時、台本を画面上に表示不可
・台本アレンジ不可
・SE、BGMの指定はありません、演出はご自由に
・無断転載、改変による転載、自作発言禁止
良識の範囲でご使用ください
・事前連絡は不要、使用報告は任意
使用していただいた際にnoteのコメント欄に
連絡いただけたらとても嬉しいです聞きに行きます☺︎
以上のことを守り楽しく演じていただけたら嬉しいです
よろしくお願いします
概要
寝かしつけ用の睡眠導入、朗読台本です
寝る前の耳に優しい童話のようなお話にしました
聴く人を睡眠に導いていただけたら幸いです☺︎
台本
昔々、大きな森の奥深くに「声の国」という小さな国がありました。この国ではすべてのものが「声」で心を通わせていました。空を飛ぶ鳥たちは美しい歌でコミュニケーションを取り、風は優しくささやき、畑の野菜たちはその実りを豊かな音で知らせていました。人々もまた、言葉を声にして互いに思いやりを持って暮らしていました。
この国の王様は、国中で最も響く声を持っていました。その声は人々に安心感をもたらし、優しく包み込む力がありました。王様はその声の力を深く理解し、大切に扱っていました。王様は広大な森の中にそびえる一番大きな木に住んでおり、その木を見守ることも大切な務めの一つでした。
その大きな木の話をしましょう。
この木は、声の国ができるはるか以前から森に静かに立っていました。何千年も孤独に耐え、なぜそこにいるのか、自分の名前さえも忘れてしまっていました。深く根を張り巡らせ、どこかにいる誰かがその根に触れてくれることを、ただひたすらに願っていたのです。
ある日、木の根が森の隅々にまで広がった時、奇跡が起こりました。木が発した微かな声が根を通じて森全体に響き渡ったのです。その声は、まだ若い王様の耳にも届きました。二人は出会い、やがて一緒に国を作ることを決意しました。
木はもはや孤独を感じることはなくなり、王国の人々に大切なメッセージや思いを伝える役割を担い、時には王様の声を森中に響かせました。その木を通じて届けられる「声の便り」を人々は心待ちにしていたのです。
王様と木は、ただ声を通じて国を支えるだけではありませんでした。王様は夜になると木の下で静かに耳を澄ませ国の平和を見守っていました。木もまた、その根を深く張り森の隅々まで気配を感じ取り、何か異常があればすぐに王様に知らせていました。
ある夜、不穏な気配が森に漂いました。王様は木の下で静かにその声を探ります。すると、木の根が森全体にわたって振動しはじめました。木は悪意ある存在を感じ取り王様に伝え、王様はその警告に応じ声を高めて歌を歌いはじめました。森の中では王様の歌声が力強く響き渡り、木の根が深く振動して悪意を追い払っていきました。人々にはそれは優しい子守唄のように聞こえていました。王様と木は、影で王国を守り続け、その強い結びつきによって国を平和に保っていました。
ある日、王様が森を散策していると、木の近くで困っている少女を見つけました。少女は森の外れにある小さな家で一人暮らししており、両親はずいぶん前に亡くなっていました。彼女はその孤独な生活の中で、言葉を声にすることが難しくなっていました。また声に出来たとしてもその声はとても小さかったため、彼女の声が誰かに届くことはほとんどありませんでした。少女は自分の意志を伝えることができないまま誤解されることも多く、傷つくこともありました。
王様は少女に優しく声をかけましたが、彼女の声は小さすぎて王様の耳にも届きません。そこで王様は少女に紙とペンを渡しました。少女はペンを持ち恐る恐る小さな文字をひっそりと書き始めました。「私の声は小さく、皆のように言葉を声にすることができません。それでも、どうしても伝えたいことがあります。王様のような響く声であればと願う毎日です。」
王様はその文字を見て優しく語りかけました。「君の声が小さいからといって、その思いが小さいわけではない。声の大きさだけが大事なのではなく、その声に込められた思いが本当に重要なのだよ」木もまた、優しくささやきました。「君の声が小さいのは、君がとても繊細で心優しい証拠です。たとえ君の声が小さくても、その思いはきっと多くの人々に届くはずですよ」少女はその言葉に勇気をもらい、一つ一つ自分の思いを声にしはじめました。声にするのには時間がかかりましたが、王様と木はずっと優しく見守っていました。
ある朝、少女は心の中の想いを声にする決心をしました。王様と一緒に木の根をしっかりと握りしめ、静かに息を吐きながら声を出しました。その声は儚くも力強いものであり、少女の小さな声が木を通じて森中に響き渡り、多くの人々の心に届きました。
「声の国」の住人たちは、小さな声にも大きな力があることを理解し、それぞれが自分の声に自信を持ち、どんな形であれ大切なことを伝え合うことの素晴らしさを知りました。どんな声にも世界を変える力があると学び「声の国」はさらに美しい場所となったのです。
そう、ここは王様の声で守られた「声の国」
王様の声が失われた時、人々が「夜の子守唄」の意味を知るのはまだずっと先のお話です。少女のおかげで声の持つ力を知った人々はどうやって王様を助けたのでしょうか。続きは、あなたの夢の中です。
(囁き声)おやすみなさい