推しを推すことになった10の理由。
以前ちょろっと書いたが、アイドルがキライだった。
アイドルがというよりは、特典商法のような営業形態が苦手だったのと、それによって押し出され、他のアーティストが見えなくなる状態がイヤだったのだろう。
アイドルもとんだとばっちりではある。
まぁ、バイアスはかなり掛かってそうだが、アイドルが歌う音楽自体に興味を持てなかったのだろう。
ということで、はじめまして。僕です。
焼肉屋で最初に出てくる牛脂は焼いて食べる派です。
そんな、アイドルに全く興味が無く、かつ、ライブに行きたがらない僕が、点染テンセイ少女。という地下(?)アイドルにハマって3か月が過ぎた。
アニメで言ったらワンクールである。
とりあえず一息ついていい時期な気がするがどうなんだろう。
2022年になるまで、生涯行ったライブは全4回。
中学時代、友達に連れていかれた東京パフォーマンスドール。
元職場の知り合いに頼まれて行った、名前も知らないビジュアル系バンドの解散ライブ。
同居人に連れられて参加したゆかりんのライブが2回。
どれも受動的な参戦である。
特にビジュアル系バンドの解散ライブは辛かった。
初めてのライブハウス。前方のファンはヘドバンしながら泣き叫び、演者の歌は日本語か英語なのかすら判別がつかない。
観たこともない異様な空気の中、地蔵化する、スーツにビジネスバッグの僕。
今のメンタルなら泣きながら外に逃げ出していそうだ。
そんなひきこもり大好きな僕が、月に5回も6回もライブハウスに足を運んでいる。
理由がさっぱりわからず、自問自答を繰り返すが、答えはでない。
どうも、大きな理由がどっしりと構えているわけではなく、小さなつまらない偶然が積み重なった結果のように見える。
備忘録も兼ねて、推しグループが先月発売したアルバムのタイトル「異世界転生してはいけない10の理由。」にかけて10個列挙したいと思う。
偶然1 普段行かない大宮に行った
正しい埼玉県民である僕にとって、遊びに行かなければならない場所は池袋であり、正しいオタクにとって、ヲタ活は秋葉原でおこなわれなければならない。
時間的にさほど変わらない大宮に降り立つ理由はないのである。
その日も、最初は東京駅に行く予定だった気がする。
なんとなく、東京駅周辺に行き飽きて、好きなクリエイターさんのポップアップショップがあった大宮に行くことにした。家を出て最寄り駅に向かいながらの変更だ。
まさに、小田和正のラブストーリーは突然にである。
「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら」
あの日大宮に行って、あの時間にあの場所を通りがからなければ出会うことはなかった。
2回公演の1回目、ラストの曲を(同居人だけ)聴けたのは僥倖としか言いようがない。
主に財布事情的に「出会ってよかったのかね?」と同居人と話す。
どうせ他の事に散財していただろうから、おおむねよかったのではないか。というのが2人で出した結論のようだ。
偶然2 ビラではなく手招きされた
知らない人と絡むのが苦手なので、ビラやティッシュは一切貰わない。
同居人にも厳しく躾けている。
うっかりなんでもかんでも受け取って、ウオーターサーバーやら携帯電話の勧誘を受けるのが煩わしいからだ。
同居人は「貰わなきゃ損だ」と、なんでもかんでも受け取り、そこかしこで困り果てているタイプだったが、長いこと一緒にいて矯正された。
点染テンセイ少女。も、都内各地でビラ(フライヤー)配りをしているようだが、出会いがそうだった場合、目も合わせず通り過ぎていただろう。
単純接触効果もあるし、興味ある人もいるだろうし、もちろん有効な手立てであるが、少なくとも僕らにとって効果的ではない。
遠巻きに野次馬をしていた中、黄色い衣装を着たかわいい女の子の優しい手招きじゃなかったらノコノコ近寄るようなことはなかった。
結果、その日にCDを予約購入して、これだけ通っているのだから、勝ち負けで言ったら負けである。負けてよかったけどね。
偶然3 マイクが故障していた
これも幸いな偶然だが、出会った日、同じ場所で2公演あり、2回目を観ることができた。
歩道の隅っこで小さくなって観ていたのだが、僕たちに声をかけてくれた黄色い衣装の女の子のマイクが故障していた。
そんな中、その子は動じることもなく、音響になにかを訴えるわけでもなく、何事もなかったかのようにステージを終えた。
ただの1アクシデントだが、これがなぜか僕たちに大きく響いた。
まず、口パクではなく、実際に歌っていることがこれ以上無いほどはっきり伝わった。
僕の知っているアイドルらしからぬ激しい楽曲の中に微かに聴こえる力強い歌声。動じない胆力。ちゃんとした形でもう一回聴きたいと思わせるには十分だった。
偶然4 コスチュームが今のデザインで、MVも出ていた
当時のブログで、見た目についてこう評価している。
旧衣装もかわいいとは思うが、おそらくかわいいで止まっていて、他のかわいいアイドルと見分けがつかなかったと思う。
また、youtubeでMVも2曲出ていて、どちらも非常に好みだった。
それ以前の曲が気に入らないというわけではないが、MVが出た辺りから曲調がより一般に聴きやすい感じになっている気がする。グループとして完成されつつあるのかな?単純に好みの問題なのかな?
youtubeの2曲が無ければ、やはりそこで止まっていた気がする。
大宮のリリイベでこの2曲が入っていたのも大きいし、オレンジ色の子の歌唱力もすごかったし、青い子と旧紫の子が隅っこでイチャイチャしているのも尊かった。
MV・衣装・歌唱力含め、ある程度完成している形を観れたのは幸いだった。
数か月早く知っていたらどうなっていたかはわからない。
偶然5 推し活がひと段落していた
僕たち側の事情なのだが、今年の上半期は強めにハマるものが多かった。
点染テンセイ少女。に出会った8月末というのは、あまりアニメを観ない僕がハマったパリピ孔明が終わり、スパイファミリーは1クールと2クールの間、ゆるキャン△とククルスドアンと心待ちにしていた映画も観終わり、水星の魔女はまだ先の話で、ラジエーションハウスとワタモテも今更買い揃えてゴリゴリと読み終わった時期。
かなり大きい数多くの波が過ぎ去った後の、ふと気が抜けるような絶妙なタイミングに彼女たちは現れた。
東京駅⇒秋葉原といった定番のコースではなく大宮駅に向かったのも、いつものヲタ活に飽きが来ていたからだろう。
費やすところに必要以上に費やし、落ち着いて、さぁこれからどこで散財しようといった、かなり頭の良くない状態二人の時に飛び込んできた。
よくよく貯金とは縁のない二人である。
偶然6 元でんぱ組.incえいたそのリリイベに参加していた
4月にえいたそのシングルリリイベに参加しており、失礼な言い方をすると、規模の小さいライブと怪しいチェキ会というものに耐性があった。
身元がしっかりしているリリイベに参加し、楽しいことだと認識をしていなければ、同居人がチェキ目当てにCDを予約しようとしても止めたかも知れないし、少なくとも2回目の公演に対して「暑いしめんどいから帰ろう」と提案はしていたであろう。
まぁ、提案は却下されて観ていたのは間違いないと思うんだけどね。
偶然7 配信が面白かった
リリイベに参加し、黄色い子をフォローしたことにより、配信をやっていることがTLに流れるようになった。
誰かの配信なんて見たことがなく、スパチャで何万円も支払わなければならないおっかない世界だと思っていた。
見るだけなら無料と知り、おっかなびっくり入った空間で、黄色い子にびっくりするぐらい優しく迎え入れられた。
本人の資質もあるんだろうが、規模が大きくなっていたらこれだけの好待遇は受けられなかっただろう。
今はアホの子みたいに通い詰めているので、最初にどんな話をしていたかなんてさっぱり覚えていないが、アイドルらしからぬ若干のおっさん臭ささえ感じる笑い方と、常にガサガサもぐもぐ何かを食べている音は変わらないんだろうな。
ツイッタープロフィールの変更や、ハンドルの変更なんかの細かいことまで気付いてくれて喜ばれたら、こっちだって嬉しくなっちゃうよね。
偶然8 ゆかりんのライブでコール慣れしていた
声優界隈に属する方なら、ゆかりんこと田村ゆかり嬢とそのファンである王国民のこと、そしてライブでの特徴的なコールを知っている方は多いと思う。
その一糸乱れぬ統率されたコールを、コロナ禍が始まる前のゆかりっくフェスで体験していた。
体験って言っても見ていただけだけども。
アイドル界隈でも同様のコールがあるのは(主にAKBのパチンコで)知っていた。
知ってはいたが、事前知識無く現場を観ていたら、正直ドン引きしていた可能性が高いと思う。だってめっちゃ力強いんだもの。
一体感あって見ていて楽しそうだなと思うけど、まぁ性格的に混ざることはないんだろうな。
とか言いながら、やるようになってたら面白いね。youtubeとか聴いてても勝手に脳内で同時再生されるしなぁ。
偶然9 御朱印集めにハマっていた時期があった
最近はすっかりご無沙汰であるが、一時期、旅行先やポタリングの際にあちこち回って、数冊になるぐらいは御朱印を集めていた。
流行るにつれてマナーの悪い人や転売ヤーが目立つようになり、コロナ禍でその場で書いて頂けなくなり、すっかり離れてしまった。
真面目な人には怒られそうだが、チェキを貰うのと御朱印を頂くのって似ているのよね。
定番があって、限定があって、目の前で書いてもらえる方が嬉しくて、収集癖が満たされて、後で見返した時に当時のことを思い返したりできて。
どっちも神様から頂くようなもんだし。
地球を創ったか、ライブ空間を創ったかぐらいしか違いがない。
だから、チェキを貰いに行くのって参拝に近い感覚なんだよね。
話がしたい欲っていうのはあまりなくて、「今日はライブに来ましたよ」ってスタンプをポンと押す感じ。あれ、いろんなところから怒られそうな表現だな。
お祈り代わりに、一言二言「楽しかった」とか「おめでとう」とかお伝えできればだいたい満足。
2分間話し続けるコミュニケーション能力も消え去ったので、無言で拝み続けてみたいもんだけど、それはそれでかなり気持ち悪いだろうしね。
会いに行ける神様。いいじゃないね。
偶然10 新曲・TV出演・番組ED起用と話題が続いた
派遣コーディネーターを長く経験していて、仕事する子たちに共通する壁を見ている。
まず、入ってから3日間ぐらい、とにかく新しい環境がイヤで行きたくない。
2週間ぐらいすると、なんとなく慣れているけど周囲の人との距離感がわからず居心地が悪くて行きたくない。
3か月ぐらいで慣れてきて落ち着くんだけど、半年過ぎると飽きて辞めたくなる。
1年経つと日常になる。
だいたいみんなこんな感じ。
中高生の恋愛ともちょっと似てるなって思う。
僕はいつでも仕事したくない子だけども。
推し事も似たようなところがあって、最初すごい魅力的でも、なんとなく起伏が少なくて続かないコンテンツがあったりする。
8月のリリイベを観た時は、初のCD発売とワンマンで盛り上がっていて、ワンマンの時に新曲発表。で、その新曲が非常に好みの曲だった。
週一のTVの冠コーナーで、担当したばかりでしばらく無いと思っていた推しさんが月間担当をすることに。
その後、地上波TV番組のエンディング曲が発表されるなど、少しずつ規模が大きく、外へ夢の膨らむ発表が続いた。
前々曲⇒前曲の期間がどうだったかは、ネットでの知識でしか知らないが、アイドル業界の中で、内側に内側に広がって行くような時期だったように見える。
もちろん盛り上がることだし、大切なことなのだろうが、業界内を全く知らない人間にとって、外へ外へわかりやすく広がってくれたのは非常に残りやすい環境だった。
以上10個。
探せばもっとあるんだろうけど、まぁまぁつまらない偶然が重なったものである。
パトレイバーの松井さんは偶然が重なると必然があると言う。
恋する乙女のような言い方をすれば、必然を超えると運命になるんじゃないかな。と思う。
本当につまらない偶然が重なった結果、月に6回も7回もライブハウスに地蔵になりに行く僕が誕生した。
どれかが欠けていたり弱かったりしたら今のような状態になっていないと思う。
3か月通ってみてわかったんだけども、やっぱりアイドルに興味がないのよ。
対バン?とかで、他のアイドルを観る機会も多く、かわいいなーとか歌上手いなーと思うことも多いのだが、それ以上になることがない。
事務所(KABUKIMONO'DOGs)が同じグループはバイアスがかかるのか、似た部分があるからなのかわからないが、観ていて楽しいし、目当てにしたいところもあったりする。
が、他所様になると、完全に耳がアウェーな状態。
アイドルではなく、アーティストやクリエイターと同じ箱に点染テンセイ少女。は仕舞われているんだろうな。
ライブ会場で僕のことをよく見かける人たちは、スタッフさんたちも含め「あぁヒマリちゃん推しのおっさんがいるな」って思うだろうし、僕も便宜上推しさんって言葉を使ったりするけども、ヒマリさんは神様で大好きな人なだけであって、推しは箱なんだと思う。
違うな。箱推しなのよ。
昨日、新曲「ぼくらの夏休み。」がリリースされた。
本人もちょっと気にしてるようだったかな?推しさんの出番がちょっと少なくて、しょんぼりはするんだけど、でも、本人も思っているようにものすごくいい曲に仕上がっていて、目の前にいろんな色や風景が過ぎ去っていくような、今までで一番いい曲だと僕は思う。
次の曲もその曲も制作が決まっているようで、投票の結果でカップリングのユニットを作ったりと面白いことをやってくれている。
出来る限りの応援をしたつもりだけど、資金があるわけじゃないし、拡散力があるわけでもないから、どれだけ投票結果に影響を与えられたかはわからない。
結果どうなるのかな。楽しみだな。新曲、好みのテイストだといいな。
現状、僕も同居人も半狂乱に近い形でハマっている。
もう少ししたら落ち着くんじゃないかな。
理想の形は、会場へ足を運ぶ回数も減って、日常の一コマとして、のんびり楽しめる状況。これ、運営的には全然理想じゃないね。
飽きさせないで!って状況は超えたと思う。
やっぱり最終目標は推しさんに忘れられること。大きなコンテンツになって、ファンがいっぱいいて、チェキ会なんか滅多にやれなくて、ライブ行っても聴けなくてガッカリする曲がいっぱいあって、大きな会場の隅っこでゆったり観られて。
そんな未来があるのかな。簡単ではないもんね。
でも呑気に待ってるのって楽しいんだよね。
やってる方は大変なんだろうけどさ。
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