「バカとブスこそ東大へ行け!」衝撃的かつ学びの多いスポ根東大お受験漫画が過激さマシマシで帰ってきた『ドラゴン桜2』
【レビュアー/南川祐一郎】
受験勉強も新時代に突入!
「バカとブスこそ東大へ行け!」
…いやぁ、2021年になってもまさかこのセリフが聞けるとは思わなくて、テンションを上げつつも、こういうご時勢なのでクレームとかいっぱい来るんじゃないかと勝手にヒヤヒヤしてしまう今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
このセリフをご存知の方も多いと思いますが、三田紀房先生が2003年から連載を開始され、2005年にドラマ化し社会現象にもなった『ドラゴン桜』の名ゼリフです。
経営破綻寸前になった落ちこぼれ高校の生徒たちを東大へ行かせるというこの作品。
ドラマでは「なぜ東大なのか」をきちんと説明しながら、いかに生徒たちの意識を変えて成長させていくかという、スポ根のような展開の人間ドラマでしたが、漫画では、より具体的な勉強法もしっかりと描かれ、その斬新さと極めてロジカルな内容に、受験生だけでなく社会人のビジネス思考や勉強法にも役立つと多くの書籍が出されるほどの人気でした。
あれから15年以上が経ち、ネットやスマホなど我々を取り巻く環境は別世界と言えるほど大きく変わりました。
そして、そんな今の時代に合わせた新たな『ドラゴン桜』として2018年に始まったのが『ドラゴン桜2』です。
そして現在ドラマの方も絶賛放送中。
SNSでも話題になっていたように、TwitterやYouTubeを使う「スタディサプリ」で弱点を把握するなど、まさに今という時代に合わせた最新勉強法が見られ、前作同様今の学生さんにとって非常に役立つ内容になっていると思います。
ただ、手法はアップデートされても、意識を変えること、物事の本質を常に捉えるよう思考を止めないこと、自分自身を認めるためには自信を持てるだけの努力が必要なこと、といったマインドの部分は変わっていない。
むしろ15年前よりもっと生きづらく、閉塞感に苛まれ、なんで生きているのか、なぜ頑張るのか、その先に幸福は得られるのかなど、悩み苦しむ人が多い今だからこそ、桜木先生の強い言葉がより深く刺さるんじゃないかなと思います。
どんな優秀な勉強法を知ったって、まわりがどれだけ応援や励ましや指導をしてくれたって、それを生かすも殺すも結局は自分自身の覚悟と行動次第。
その一歩を踏み出すためにはとんでもない覚悟が必要なのかと言われれば、実はとりあえず飛び込んでしまえって程度の軽い気持ちでも十分だと思います。
大事なのは、立ち止まるのではなく行動することなんでしょうね。
ドラマのストーリーは漫画とは似て非なるものなので、ドラマが面白いと思ったそこのアナタは、是非漫画の方も読んでみてください!