376話を掛けた壮大な伏線回収に、ネームを読んだ全スタッフが泣いた!『宇宙兄弟』40巻がバヤい
【レビュアー/上原梓】
人類は2種類に分けられます。
『宇宙兄弟』40巻を読んだ人か、読んでいない人かの2種類に。
と、意味もなく壮大に語りたくなるほどの展開の『宇宙兄弟』40巻。あなたはもう読みましたか??
ここからはネタバレの内容を含みますので、未読の方はどうぞ、読んでからお越し下さい。
(※以下ネタバレを含む内容です:編集部注)
さて。
やっとこの時が来た…! ついに、ついに、ムッタとヒビトの兄弟が、月に並び立ちましたねー!!!
そりゃあ、いつか必ずこの瞬間が来るだろうな、とは、ずっと分かって読んできました。なんせタイトルが『宇宙兄弟』ですし。
でも、ここまで巨大な感動の波が胸に迫ってくるシーンになろうとは、少しも予想していませんでした、スタッフなのに!!
ネームの時点でスタッフもボロ泣き
そう。私(上原)は、ご縁があって漫画『宇宙兄弟』のSNSや記事のライティングをさせていただいているスタッフのひとりなのです。
そんな私ですが、この40巻、特に単行本の最後に収録されている第376話のネームを見た時は、あまりにも感動してしばらく立ち上がることができませんでした。
月面のシャロン天文台が完成した時にもネームでボロボロ泣きましたが、今回はそんなもんじゃありません。思い出すだけで涙目になるような、情緒不安定な時間をしばらく過ごす羽目に…。
聞けば、他のスタッフもみんなそんな感じだったようです。それほど、すごいストーリーの誕生の瞬間を見ることができたのは、僥倖(ぎょうこう)以外のなにものでもありません。
今こそ振り返ろう、兄弟2人の軌跡を
ここまでの軌跡を振り返りますと、1巻の第1話では、ムッタは無職、ヒビトは宇宙飛行士として月に行くミッションにアサインされたばかり。この時点では、2人の間には、とても埋められないかに思える大きな差がありました。
無職だったムッタは、周囲の支えに助けられつつ、努力を重ねて徐々に月に近づいて行きます。
逆に、先に月に手が届いていたヒビトは、月での事故をきっかけに、宇宙服すら着ることすらできない状態に…それでも夢を諦めきれなかったヒビトはNASAを去り、新天地ロシアで再び宇宙を目指すことになったのです。
このように『宇宙兄弟』は、ものすごく遠くから一歩一歩月に近づいて行く兄と、月から一度は遠ざかってしまい、そこから再起を図る弟の物語でもあります。
『宇宙兄弟』のタイトルに潜む真の意味とは
そんな兄弟ふたりが、40巻かけて、やっと月面で再会。文字通り『宇宙兄弟』になった…!! こんなの、感動しないわけありません!
ところが…。
その感動の波がピークではないことを、40巻のラスト、第376話で私たちは知ることとなるのです。
万が一、まだ40巻を未読の方が、うっかりここまで読んでしまっていたら大変なので明記はしませんが、『宇宙兄弟』というタイトル自体が伏線だったとは、誰が想像し得たでしょうか?
タイトルの真の意味をネームで知った瞬間に、まさに涙腺崩壊! というくらい泣いてしまったのでした。本当に、この作品に関われて幸せです。
と、完全に身内の作品をべた褒めする流れになりましたが、だからこそ断言できます。『宇宙兄弟』は本当にすごい作品です。未読の方はぜひ、一気読みをオススメいたします!!
さらに、40巻を読んで誰かに語りたい! しかし、ネタバレはしたくない……! そんな方のために、40巻専用の秘密の特設サイトがございます。URLは40巻の巻末にありますので、そこからアクセスして、どうぞ思いの丈をぶつけてください!!
と、大変宣伝っぽい締めになりましたが、何にしても言いたいこととしましては……。
人類は2種類に分けられるのです。
『宇宙兄弟』40巻を読んだ人か、読んでいない人かの2種類に。