目指すは時価総額100兆円。ガチの起業家も楽しめるベンチャー物語『トリリオンゲーム』
【堀江貴文の月イチ漫画レビュー】は、漫画を愛する堀江貴文氏が超多忙を極める合間に読んでおもしろかった作品を毎月レビューするコーナーです。長文レビューもあれば超短文レビューもありますが、そこはご愛嬌。本当におもしろいと思ったものしかレビューしませんので、どうぞお付き合いください。(編集部)
【レビュアー/堀江貴文】
派手好きのイケメン起業家がギークの同級生と組んでベンチャー企業を作ってのし上がっていくというお話。
起業家の物語は数あれどフィクションでこのスケール感でのお話はなかなかないのでベンチャー起業家にとっては自分のことのようで楽しめるのではないだろうか。こういう話は大抵がちゃんとリサーチしてなくて荒唐無稽なシーンが出てきて興醒めだったりする。
私にとっては宇宙ものの映画とか漫画がそれだ。よくできてた「アポロ13」にしても細かいところで科学考証が入っていないところがあったりする。「ゼロ・グラビティ」とかは酷かった。消火器でハッブル宇宙望遠鏡からISSに移動できるわけがない。少し考えればわかるが、そんなことができたら消火器を使った人は毎回後ろに吹っ飛ぶはずだ。
そういう意味でこの作品は巨大な投資会社に生きる人たちとか、ギークの生態とか、セレブ達の生態とかをわりと正確に取材しているといえよう。確かにすこし演出がかっているところはあるのだけど、そこまで不快ではない。むしろ野太いエネルギーが感じられて読後感が爽快だ。
派手系主人公はチャラ男に見えて実は芯が太く義理堅いというのも良い設定だ。といっても時価総額100兆円を達成した日本企業はかつてない。そんなワクワクするようなストーリーを見せてくれるのだろうか。私もロケットや和牛のベンチャーで世界と戦っていこう。