Jリーグアドバイザーのホリエモンが「チーム経営には必読」と高評価『マネーフットボール』【全7巻】
※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)
【レビュアー/堀江貴文】
四国の愛媛県にある架空の「J2クラス中堅チーム」を舞台に、ビジネスとスポーツを描いたサッカー版の『マネー・ボール』とも言えるのがこの作品。
簡単にあらすじを言うと……
時勢はすでにデータサッカーの時代。
この地方の1弱小チームを、限られた予算内で、いかに強化してJ1を狙うにはどうしたらいいのか。
それを関東の有力チームからレンタル移籍してきた若手選手を主人公にして描いている。
ストーリー的には、野球界のお金事情を描いた漫画『グラゼニ』に似ているところがある。
主人公は若手でちょっとお馬鹿なキャラクター。地元の一般女性に恋するところなんかもグラゼニに似ていて微笑ましい。
しかし、戦術論やチーム強化のポイントなどの解説が、非常にうまくネームに落とされており、直感的に理解しやすい。
ここが他のスポーツ漫画に比べて格段に優れている。
残念なことに、このテーマやコンセプトが読者にイマイチ引っ掛かりが少なかったのだろうか、題材がニッチすぎたのだろうか、恐らく途中で打ち切られたかのように漫画が終わってしまうところだ。
『グラゼニ』並みにチームを変革させながら、主人公自身が成長していくところを見たかった。
そういう意味で勿体無い漫画でもある。
残念ではあるが、それまでに描かれているプロセスはかなり面白い。
サッカーチームの経営に興味がある人は必読の漫画だ。