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祝20周年!雷句誠が描く、笑って泣けて超感動する王道少年バトル漫画『金色のガッシュ!!』

【レビュアー/南川祐一郎】

ジャンプとは少し違うサンデー的王道少年漫画

今回ご紹介する『金色のガッシュ!!』は2001年から週刊少年サンデー(以下・サンデー)で連載され、アニメでも大人気だった少年漫画の大ヒットタイトルです。

おそらく少年漫画を読む漫画好きの方にとっては「定番すぎて紹介されるまでもない」と言われそうですが、今年20周年を迎えたということで、既読の方やファンだけどしばらく読んでないなーって方にも、もう一度読んでみませんか?という気持ちで紹介させていただきます。

2001年というと週刊少年ジャンプ(以下・ジャンプ)では『ONE PIECE』や『NARUTO』、『HUNTER×HUNTER』、『シャーマンキング』、『ジョジョの奇妙な冒険シリーズ』などバトル系だけでも超名作が勢揃い。『BLEACH』や『ボボボーボ・ボーボボ』が始まった年です。

そして週刊少年マガジン(以下・マガジン)が、ジャンプを抜いて部数首位に躍り出た時期でもあり、サンデー的には最高部数200万部超えまで伸びてきていたという、少年漫画群雄割拠の時期でした。

そんな中サンデーで始まったのがこの『金色のガッシュ!!』。

あらすじとしては

頭が良すぎたことでクラスメイトから疎まれ、そのせいで拗ねて引きこもりになっていた少年・清麿のところに、ある日記憶を無くした子ども・ガッシュベルがやってくる。
彼は実は魔界から送り込まれてきた魔族の子どもで、次の魔族の王を決めるために同じく人間界に送られた他の100人の子どもたちと最後のひとりになるまで戦わないといけないらしい。
ただ、子どもたちは自分ひとりでは魔術が使えず、彼らの力は本に閉じ込められてそれを読める人間のパートナーによってはじめて引き出される。
戦いのことすら忘れていたガッシュに次々と襲ってくる敵たちと戦いながら、清麿はガッシュの記憶を取り戻すため、彼を王にするために戦うことを決意する。

という、まさにザ・王道の少年バトル漫画なんですが、さすがサンデーの作品。こういう設定にもかかわらず、どちらかというと人の心の葛藤や善意悪意のぶつかり合い、友情や絆といったまるでヒューマンドラマを見ているかのような展開がずっと続きます。

もちろん『ONE PIECE』などでも死ぬほど泣かされたり、ジャンプをはじめ他の少年漫画でも泣ける要素やヒューマンドラマ的要素がふんだんに盛り込まれた名作は多数ありますが、『金色のガッシュ!!』は徹頭徹尾心の強さで戦うということを核にしていたサンデーらしい作品だと思います。

強すぎるキャラのクセが、一度見たら二度と忘れられない

あと『金色のガッシュ!!』と言えば桁違いの魅力を持ったキャラクターを語らずにはいられませんね。

ガッシュも相当頭が弱くw、話が進んでいくにつれて心はどんどん成長していくんですが、頭は全然成長しないおバカさ加減が、ストーリーをシリアスにしすぎずとても良いアクセントになっていました。

公園でいつもガッシュを弄り倒してくるナオミちゃんの可愛げの無さ、天然にもほどがある同級生のスズメといったサブキャラから、敵である他の子どもたちと人間のペアもウマゴン(シュナイダー)、キャンチョメ&フォルゴレ、華麗なるビクトリーム様などを筆頭に笑いに振り切ったキャラがわんさか出てくる。

他の漫画でもこういったお笑い担当的なキャラが出てくることは多いですが、この漫画はそういうキャラが多すぎてもはやギャグ漫画と言っても過言ではないくらいです。

当然そういうキャラたちに引っ張られるので、クールな天才児である清麿もしょっちゅうギャグパートに巻き込まれギャグキャラ化します。

ちなみに漫画の紹介としてはちょっと違うかもしれないですが、アニメもとても素晴らしい出来で、劇中で歌われた『チチをもげ』『無敵フォルゴレ』や『ベリーメロン~私の心をつかんだ良いメロン~』といった名曲もきちんと曲になっているので、是非漫画と一緒にアニメも楽しんでみてください。

そんな最高に魅力的なキャラたちが織りなす、最高に笑えて最高に泣ける最高の少年漫画『金色のガッシュ!!』

まだ未読の人は絶対に読んで損はしませんし、長らく見てないなあという往年のファンの皆さまもこの20周年の機会にまたこの世界を楽しみ直しましょう!

雷句誠先生、20周年本当におめでとうございます!