ラオス暴走日記2010 Vol.10 〜別れ、そして冒険再び〜
※過去日記の転載です
2010年10月2日
7:30起床。
頭痛がひどい。ま、昨日の代償だな。
頭痛薬を飲み、水も2ℓくらい飲んでシャワーを浴びるとだいぶマシになる。
外に出ると、Tony、Raffe、Danがいたので、4人で朝メシ食いにいくことに。
レストランからは素晴らしい景色が。
日酔いの時はいっぱい食べればよいという謎の自説に基づき、スペシャルバゲットサンドとフライドポテトを頼む。
予想以上のボリューム。
そして、フランス統治時代にコーヒーの文化が根付いているラオスだが、なぜか概して甘い。練乳が入っているのだ。
変なこと教えるなよフランス人。
Raffeが、「Fuckin' Good!」と言っていた、アイスチョコレートドリンク(ミロみてーの)を飲むと、さらに甘くて歯が痛くなった。
彼らは一ヶ月の休暇を取っていて、まだ2週間くらい時間があるそうだが、ここVang Viengには一泊で、北のLuang Phabanに向かうことにしたらしい。
距離は400kmくらいだが、もっと険しい山道が予想される。
こんな景色もよくて快適で、チルアウトな町に一泊せず、次の目的地を目指して走るとは、私以外にもそういう旅が好きなやつがいてうれしかった。
そういえば、昨日飲んでる時のことだ、Benがハチに胸を刺されたらしく、真っ赤に腫れていた。
アシナガバチのことを英語でwaspというらしいのだが、スペルを聞いて、思わず僕は、「White Anglo-Saxon...」と言うと、全員が大爆笑。その夜一番のウケを取った。
Benに、確かに俺たちはWASPだ、いやー、しかしおまえはどこでWASPなんつー言葉を知ったんだ?と言われた。
まあたしかに日本人にはなじみのない言葉かもしれんな。
そして、Darrenに、Tomo、おまえもLuang Phabanに一緒に来いよ、とすげー誘われた。
いや、行きたいけど、何せ明日フライトだからなー、というと、大丈夫、飛行機は変更できるさ、と言う。
いやいや、そんなに休んだら仕事はどうするんだ、オレはボスに怒られ、仕事をクビになっちまう、と言うのだが、大丈夫、足をケガして入院したって言えばいいじゃねーか、とのこと。
そしてクビになったら中国で働けばいいんだ、と。
Tomo、人生は長いんだ、ラオスに来ることなんて何度もない、たった一週間かそこらだろ?
酒が入っていたのもあったが、ちょっと、いや、かなり心が動いたのは事実だ。
たしかになー、日本で働いている限り、一ヶ月休むなんて無理だもんな。
中国に新天地を求めるか。
とちょっとだけ思ったが、それにしたってさすがに日本には帰らなきゃな、つーことで、彼らとはここでお別れだ。
ゲストハウスに戻り、彼らの出発の準備を待つ。
僕の足は内出血がひどい。
ほんとに折れてないんだろうな...。
(ま、折れてたんだけど)
ネコも見送りにきた。
着替え中のBenが脱いだ短パンとじゃれる、の図。
ベルトに噛み付く姿がかわいすぎる。
全員で記念写真。
左から、
・Raffe
・Malcolm
・Darren
・Benjamin
・私
・Tony
・Dan
である。
私が子どもに見えるくらいみんなでかい。
そして、Darrenとのツーショット。
ちなみに彼とは今でもメールして近況を語ったりしている。
いい仲間ができた。
9:30、気つけろよ、Good Trip!
と、旅人らしく清々しい別れを交わし、彼らはエンジンをうならせ、風のように去って行った。
偶然が生んだ、私の今までの旅の中でも一、二を争う素晴らしい出会いだった。
などと感傷に浸っている暇はない。
こちらはこちらで出発しなくては。
パッキングを終え、10:30出発。
と行っても、Vientianまではそれほど時間はかからない。
そして、ここVang Viengには冒険心をくすぐる感じの景色が広がっている。
近くを周遊してから、ゆっくりと帰ることに。
しかし、バッテリーに不安があったので、まずは昨日の店で再充電。
礼を言うと笑顔を向けてくれ、写真も撮ってくれた。
コプチャイ!
そして、単車でナムソン川にかかる吊り橋を渡り、岩山の方へ向かう。
一層田舎っぽい町並みが広がる。
ナムソン川はメコンと違い、透き通ったきれいな川だ。
これなら水遊びしてもいいかもな。
山の形も日本と全然違ってなかなかおもしろい。
そして、山に近づくに連れ、だんだんと道が険しくなっていく。
左足がやや不安だが、とりあえず進む。
道が河原みたいになってきて、段差を越えようとすると、後輪が空回りしてハマってしまった。
元気なら何てことないトラブルだが、足を痛めた私にはちときつい。
と、後から来たラオス人が脱出を手伝ってくれた。
彼曰く、この先にはcave、洞窟があるとのこと。
うーん、手に持っている2つのヘッドライトからして、どうやらガイドをする気だな。
ま、とりあえずバイクはここに置いて、もうちょい歩いてみることに。
しばらく行くと、さらにごつごつした道に。
これは左足のコンディション的にちときつかったかもな。
さらにずんずん歩く。やはり左足が痛い。
足をかばいながら30分くらい歩き、洞窟入り口まで来たが、もうへとへと。
道もジャングルみたい。
そして、ガイドから洞窟に行くには山を登る必要があると聞き、
さすがに断念。木陰で一休み。
洞窟見学をしきりに勧められたが、さすがにこの足じゃ厳しいとガイドに伝え、戻ることにしたが、やはりガイド料をくれ、と言われた。
50,000kip(約500円)を要求されたが、洞窟にも入っていないのに満額払うかっつーの。
でもバイクの救出を手伝ってくれたから、30,000kipをやろう。
日本の話やラオスの話などを、お互い拙い英語で伝えながらゆっくり戻ると、途中食事中の牛を発見。
そんなわけで、プチ冒険タイム第一弾は終わり、第二弾の情報を得るため、昨日の日本人の店に行く。
話によると、最近外国人に公開されたばかりのエリアがあり、滝が見れるとのこと。また、そこからさらに進むと山岳民族、モン族の村があるらしい。
聞いただけでわくわくする話だ。
親切にも滝へ向かう小さな道の入り口まで案内してもらい、未舗装路をゆっくりと進む。
小さな池がところどころにある。
ラオスでは、子どもたちは家の手伝いをするのが当たり前のようだ。
金払って塾まで行って勉強をするのが当たり前な日本とはえらい違いだ。
そのまま走っていくと、山道をチャリで走る坊さん発見。
そして山道を越えると、川の先に小さな屋台村的なものを発見。
バイクやチャリが川の手前で止まっているところを見ると、ここにバイクを置いて橋を渡って行くようだ。
でもなー、さっき歩きまくって疲れたし、バイクで越えちゃうか。
車は対岸にあるし、バイクだって映画かなんかで川越えるの見たことあるし、いけるだろ。
みたいな感じで、渡ってみたものの、上流なのででかい石がゴロゴロしていて、タイヤが何度か滑りかけたが、頑張って渡り切る。
ブーツがびしょ濡れだぜ...。
しかし、バイクで先へ向かおうとすると、ここに置いていけ、と若者に言われる。
ま、よく見るとたしかにこの先は無理そうだ...。
せっかくブーツびしょびしょにして渡ったのは無駄だったようで。
そして、変なおっさんに、この先は神様(仏教だから仏?)がいるから、このミサンガみたいなのをつけなさい、と言われる。
ほんで、変な呪文を唱えてくれ、どうやら僕を清めてくれたようだ。
ま、金はしっかり取られたけど、50円くらいだし良心的だな。
長くなったので、一旦切ります。
To be continued...