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ラオス暴走日記2010 Vol.4 〜目的地到着〜
※過去日記の転載です
2010年9月26日
0:30起床。
飲み過ぎた...。
当然ながら辺りは真っ暗。
めちゃめちゃのどが乾いたので、階下に降りるも、当然ながら入り口が閉まっている。
うーん。生水を飲むか。
その昔、キルギスの民家で、熱い石にお湯をかけるサウナが気持ちよくて、生水飲みまくったことがある。
私の丈夫な腹は多少のことでは壊れない。
しかし...メコン川のマディな色が頭をよぎる。
間違いなく水はあの水だろう。
今回ばかりは我慢した方が良さそうだ。
つーわけで、夜が明けるまでの5時間ほど、悶々としながら一人ベッドで耐え忍ぶことに。
日本にいたらまずこんなことはない。
しかし、それがいい...のか?
少なくとも、明日からは飲み水だけは常備しようと決意する。
5:30、待望の夜明け。
ペプシを2本、水を1ℓ瞬時に飲み干し、人心地を取り戻す。
霧雨けぶる朝のメコンは今日も泥の色。
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その中を、僧たちが喜捨を受けて歩く。
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旅に出る前は、ラオスという国に対して具体的な情報はほとんどなかったのだが、なんとなくカオスな感じなんだろう、と思っていた。
山賊が出る、なんつー話もあったし。
しかし、実際にここまでの様子を見ていると、
人々は非常に礼儀正しく、交通事情もカンボジアに比べるとだいぶマシである。
カンボジアのカオスな感じを知っている私からすると、はっきり言って、ちょっと拍子抜けですらあった。
もしかすると、そういう気質は仏教の教えによるところが大きいのかもしれない。
そんなことをつらつら考えるも、ま、とりあえず腹が減ったので朝メシにする。
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野菜たっぷりのヘルシーなフー。
昨日の経験を思い出し、あんまり辛くしないでおこう。
そんでもって荷造りも完了、単車はしばらく宿で預かってもらい、8:30、船でこの旅の最終目的地、デット島へ向かう。
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船はゆったりと進む。
優雅に三線を弾いてみる。
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このシーパンドーンエリアは、4000の島というその名の通り、メコン川の中に無数の島が浮いており、昔ながらの生活が営まれている。
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そして、その中で異彩を放つのが、大きなパラボラアンテナだ。
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ラオスでは衛星放送が急速に普及しているようで、至るところにこのようなアンテナがある。
ゆったりと進むこと1時間半、10:00、ようやく目指すデット島に到着。
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船から降りて荷物を降ろすと、なんとおっさんが船をもやうのを忘れ、船はゆっくりと沖に向かって流れていく。
商売道具なのに...。
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仲間が船を救いに行き、事なきを得る。
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船の運転手がしつこく進めてくるゲストハウスがあったので、一応のぞいてみるが、バンガローがいまいち。
ここには2泊する予定なので、もっと落ち着ける宿を、ということで、歩いて何軒か回ってみると、サンセットバンガローという、川っぺりに立つ素敵なバンガローが。
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ハンモックもあるし、一泊200円だし、何より宿のおねーさんの笑顔がキュートだったので、ここに決定。
部屋は↓のように非常にシンプルだったが、それがいい。
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とりあえず昼飯にハンバーガーを食べながらビールを飲む。
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で、ハンモックでゆっくり昼寝。
贅沢の極み。
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午後の強烈な日差しでまどろみから醒めると、時間は14:00。
ちと散歩でもしてみるかっつーことで、徒歩で島を探索。
メコンの恵みを受け、肥沃な水田が広がっている。
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田舎だ...。
それにしてもあちぃ。
ネコもこんなザマ。
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ブタも油断しすぎだぜ。
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子どもたちは元気だが、ちょっぴり照れ屋さん。
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小1時間ほど歩いただろうか。
隣のコーン島へ続く旧鉄道橋が眼前に現れた。
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この橋はフランスの植民地時代に作られたものだそうで、日本軍が占領するまで、後述のSLが走っていたそうだ。
なぜこんな島に鉄道が必要なのか、と思ったが、隣のカンボジアも元仏領。
おそらくは、戦争の際、カンボジアからの物資をラオスに運んでいたのだろう。
滝が多くて船だと通りにくいし。
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橋を渡り、入島料20,000kip也を支払い、川沿いのレストランで休憩。
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焼いたフーをつまみに冷えたビールを飲む。
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そういえば、デット島は電気がきていないという情報があったが、デット島もコーン島も普通に電化製品が使われている。
ここ最近で電線が引かれたのだろうか。
黙々と飲み食いしていると、ネコがすり寄ってくる。
文字通り、僕の足にすり寄ってくるのだ。
これはかわいい。
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どう考えてもメシをよこせということだと思うので、マカロニをあげる。
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スパイシーなのにけっこうがっついてきやがるぜ。
相当腹が減ってるんだろうな。
というわけで、日本ではあり得ない優しい気持ちになりつつ、優しい味のミックスジュースを飲んでみる。
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で、先ほどの鉄道橋を走っていたというSLを見に行く。
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ちっちゃ...。
どうせなら島をぐるっと回ってみようと思うが、デット島よりさらに広いので、チャリを借りることに。
これが後々トラブルを引き起こすとはつゆ知らず。
道は最悪だが、まあ走れないことはない。
途中で水牛に水浴びをさせている少年に遭遇。
あちーもんな。
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こんな小さいのにでかい牛たちを完璧にコントロールしている。
熟練の技である。
そして、ソムパミットの滝に到着。
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落差は全然ないが、川幅が広いので、思ったより迫力はある。
そして、下流にペットボトルのゴミが浮いているのを発見。
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言うまでもなく、メコン川は首都Vientianeからここまで私が延々と走ってきた街を流れているのだから、ゴミも同じルートでここまで流れてきているのかもしれない。
そして、この流れはやがてカンボジアを抜け、ベトナムを抜けて最後は海へ向かう。
国境を越えるメコンの流れ、それが汚染されるということは、いずれ、そのまま東南アジアの国際問題になってゆくのだろう。
そんなことをちょこっとだけ考えつつ、さらに南へとチャリをこぐのであった。
To be continued...