
ラオス暴走日記2010 Vol.2 〜 XR250にまたがり南へ〜
※過去日記の転載です
2010年9月24日
7:30起床。
単車を借りようってのに、外はあいにくの雨。
でもカンボジアでの経験上、明け方の雨はだいたい一時的なもんだと思い、あまり心配せず。
とりあえずNirと一緒に朝飯を食いに行くことに。
道中で古いBuickを発見。
物価に比してガソリンの高いラオスでは大変贅沢な乗り物(たぶん)。
バゲットサンドを食べたが、なかなかうまい。
フランス植民地時代に培った技術か。
店が飼っているパグがめっちゃかわいかったのでじゃれてみる。
日本じゃこんなこと絶対しないんだけど、なんでだろう。
顔がモザイクもんですな。
そんなわけで、北に向かうというNirとはここでお別れ。
こういう関係って旅ならではでいいなって思う。
特に日本人同士だとつるんで行動するはめになりがちだけど、短い旅なので日本人と一緒にいるのがもったいないって思っちまうんだな。
とりあえずバイクを借りようと街を歩くが、すぐに「トゥクトゥク!」と声をかけられる。
カンボジアのシェムリアップではトゥクトゥクに乗ったりもしたが、その時の経験から分かったこと。
旅は、人に行き先を任せた瞬間からつまらないものになってしまう
トゥクトゥクに乗って快適?に目的地まで移動するなら、自分の足で歩いて探した方が300倍くらいおもしろいってこと。
普段は日本でその快適さを金払って享受しているからなのかもしれないが、旅はめんどくさくなけりゃおもしろくない。
快適に暮らしたいのなら日本にいればいい。
これはだけはガチ(個人差があります)。
てなわけでてくてく歩いてレンタルバイク屋を探すも、某ガイドブックはいまいち役に立たず、見つけたバイク屋もカブしか貸し出していないとのこと。
色々情報収集をし、ようやく見つけた店がこちら。
オーナーはフランス人で、もちろん英語OK。
店先には僕が日本で乗っていたW650のトライアンフバージョンや、インディアンを模したShadow 400も。
一応オフロードも走れるようにと、Honda XR250をレンタル。
Bajaと迷っていたら、「君はきっと黒いのが好きだね」と言われ、わざわざ黒いXRを用意してもらった。
ちとボロいが、黒好きな僕はそれでいいと納得。
一応記念写真なども撮ってもらう。
10:30出発。
久々の単車、ギアが明らかに短いが、まあいいだろう。
そして、でかい交差点を左折したところで気づく。
ここは、右側通行だ...。
すぐにUターンするも、警官が手招きしてくる。
カブの白バイよりもこっちの方が絶対速いからブッチ切れるような気もしたが、違反したのは事実。
一応自分が悪いので、話を聞くと、
どうやら免許とパスポートのコピー(現物はバイク屋に質で預けてある)を警察署まで取りにきて、罰金を払う必要があるとのこと。
なんてめんどくせー。
今日中に400kmは走ろうと思っていた矢先、その時間があまりに惜しかったのと、経験上東南アジアの警察は買収できる、ということで、$10札を出しまあこれでいいでしょ、というと、あっさりOK。
ちと払いすぎたのでは、という気もしないでもないが、勉強料ということでしゃーない。
てなわけで、一路南へ。
つくづく思うのが、なぜ私はこんなしょうもないことをしに、わざわざ高い航空券を買ってしまうんだろう、ということ。
途中、なんかよくわかんないけど、単車のアクセルを吹かしながら、でっけー声でブルーハーツの「情熱の薔薇」を唄いながら号泣しちまった。
理由なんてないと思うんだが、というか、泣くのに理由なんかいらないと常々思うんだが、日本にいたらそれがわかんなくなっちゃうのかも。
日本で泣くことなんて滅多にないし。
景色が良かったわけでも、歌詞に共感したってわけでもない、ただ、目の前に走る道があって、それに向かって一人で走ってる、そういうのが好きなんだなーって再認識。
変態なんだな。きっとそう。
途中でラオスの小学生と遭遇。
手を振ってくれます。
ガソリンスタンドでも小学生が相手してくれます。
まだ昼くらいなのに学校終わりっぽいが、家の手伝いが学校よりも優先なんだろうか。
そんなわけで、350kmくらい走って(東京→名古屋くらいか?)15:30、Tahkehkというタイ国境に近いちと大きな町に到着。
腹も減ったので昼飯を。
現地語には自信ないので、英語の分かりそうなレストランをチョイス。
なかなかおしゃれです。
でも、基本は現地では現地食を食うべし、という独自の不文律に従い、
ラープという肉のミンチ香草サラダを食べることに。
まあまあだな。
ただ、私が何度かチラ見するまで釣り銭を持ってこないのが気にかかった。
それはキルギスでよくやられたパターンだ、ちゃんと釣り銭を要求。
ま、悪意があったかどうかはわからんが。
ほんでもって、そのさらに先のSavannakehtという街を目指す。
が、その前に給油。
写真のおっさんがすごくフレンドリーで、こういう出会いがあると俄然テンション上がる。
ゴーグルをメットの上にはね上げ、生の眼にラオスの風景を焼き付けようとしばらく走る。
ん...影がおかしいぞ。
レンタルのゴーグルを落としたことが判明。
Juleのおっさんに何て言おうか。まあいいか。
道の途中でラオスの兵隊さんたちを満載した車に出会う。
なぜか私を見てテンション上がったようで、みんなでラオスの軍歌?を合唱していた。
バイクに乗ったまま敬礼し、速やかに抜き去る。
そんなこんなでだんだんと日も暮れ始め、ちょいとスピードアップ。
道路状況もよくないから、コケたら死ぬかもというイメージもちょいと頭をよぎるが、それが一層アクセルを回す原動力に。
うーん、ド変態だな。
その甲斐あって、なんとか日が暮れる一歩手前、18:00、Savannakhet着。
宿を探すには疲れきっていたので、ガイドブックに載ってた一番安い宿へ。
バイクを降りる時つまずいたら宿の女の子にクスクス笑われた。
こちとら疲れてるんだ、笑うこたねーじゃねーか...。
部屋はまあ普通。
1000円くらいだからちと割高だが、まあいいだろう。
とりあえずメシとビールを求め、近くのレストランへ。
無難にチャーハンと生姜焼き的なものをオーダー。
うまかった...ような。疲れてたからよくわからん。
酔いも回り、三線を弾いていると近くのラオス人が話しかけにきたので、とりあえず弾かせてみた。
彼はVientiane在住、22歳のマーケッターだそうな。英語が少ししゃべれたので、日本の話などを聞かせる。
物価の高さに驚いていたが、私だって驚いているさ。
あと、こいつの婚約者が異様にかわいいのにも驚いた。
こういうタイプがモテるなら、日本同様オレには出番はないな...。
そんなわけで楽しい夜を過ごすが、会計時に気づいた。
9年前のシルクロード旅行で買った唯一の土産、
ウイグルナイフがない...。
レストランの人たちにも探してもらったが、ない。
たぶん走行中に落としたのだろう。
万が一襲われたらそいつで対抗しようとか思っていたのだが、こんなに親切に探してくれる人たちに対して、私はいったい何を警戒していたんだろう、そう反省し、ウイグルナイフを諦め宿へ。
かろうじてカメラの充電だけやって、泥のように眠る...。
うーむ、今読んでも我ながらほんとアホだ。
To be continued...