ドン・カルロス メモ(4)場面整理, 第三幕
第3幕第1場
◆登場人物
王
◆いつ
早朝
◆どこで
王の寝室
◆できごと
王が朝まで眠れずに過ごしている。
胸の内が吐露される。
◆わかること
王妃を愛せたことがない。
政治のための結婚であった?
第3幕第2場
◆登場人物
王
ドミンゴ(元はレルマ伯)
◆いつ
早朝
◆どこで
王の寝室
◆できごと
王は王妃の館が燃える夢を見た。
ドミンゴがきて二時間でも眠るよう勧める。
◆わかること
王の睡眠障害は1幕1場の時点から続いている。
◆その他
3場でアルバ公爵と王が話し、エーボリ公女が盗み出した王子と王妃の婚約時代の手紙の存在が暴かれている。後半に繋がる要素。2幕4場でカルロスは「王妃の筆跡を知らない」と言うが矛盾する。
第3幕第4場
◆登場人物
王
ドミンゴ(本来はアルバ公爵も一緒にいる)
◆いつ
2場に続く
◆どこで
王の寝室
◆できごと
ドミンゴがエーボリ公女が告白したことを明かす。
(王妃とカルロスの婚約者時代の手紙を盗んだこと)
ドミンゴが民衆の噂話を明かす。「クララはカルロスと王妃の子ではないか?」
王妃は王が病気になった頃にクララを妊娠した。
王は裁判を開いて王妃とカルロスを裁くという。
◆わかること
王はドミンゴ(とアルバ)の陰謀に気付いている。
第3幕第5場
◆登場人物
王
◆いつ
4場のつづき
◆どこで
王の寝室/書斎
◆できごと
王が「人間」を与えて欲しいと神に願う。
自分の手帳を取り出し、誰かあてがないか思案する。
ポーサ侯爵の名前に気づき会ってみることにする。
◆わかること
功績を上げた人物、過失を犯した人物を手帳に書き留めている。
几帳面さがうかがえる。
しかし具体的な人物像がわかる家臣は少ない。
王は一人で孤独だ。
◆その他
6−8場では
メディア・シドニアがアルマダの海戦(1588年7月〜8月)の敗北を報告。
時系列は物語上の都合で変更されている。
王が諸侯にポーサ侯爵について聞くと評判が良い。
ポーサの功績とは?
マルタ包囲戦(1565年,マルタ島がトルコ王ソリマンの襲撃を受けた)際、18歳の若者でありながらアルカラの大学から突然姿を消してマルタ騎士団に合流。聖エルモの要塞を守った40人の1人。カタロニアの暴動を未然に防いだのもポーサ。それでいて周りから嫉妬されていない。相当の策士なのでは?
1565年に18歳であるなら今は21歳でカルロスよりも年下となる。ただし時系列は矛盾する。
第3幕第9場
◆登場人物
ポーサ侯爵
◆いつ
5場と同日、朝のミサ後
◆どこで
王の書斎
◆できごと
ポーサは王に呼ばれ(原作ではアルバ公爵が声をかけたようだ)て来た。その真意を計りかねているが千載一遇の機会とも捉えている。
第3幕第10場
◆登場人物
王
ポーサ侯爵
◆いつ
9場に続く 昼前?
◆どこで
王の書斎
◆できごと
王とポーサ侯爵が初めて会う。
ポーサ侯爵が「世界市民」に、人間になって欲しいと訴える。
ポーサ侯爵の人間性に感銘を受けた王は、ポーサ侯爵を側近に迎える。
(国璽、宰相、秘書…アルバ公爵、ルイゴメス伯爵ともに失脚する)
王はポーサ侯爵を使い、王妃の不倫について明らかにしようとする。
◆わかること
王の孤独、愛を求める心。それでも猜疑心が消えることはない。
ポーサ侯爵の情熱。思想。「思想の自由」。