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ドン・カルロス メモ(5)場面整理, 第四幕

第4幕第1場

◆登場人物
王妃
エーボリ公女
(側仕えの者たち)

◆いつ
三幕後

◆どこで
王妃の館の広間

◆できごと
王妃が宝石箱が開けられて手紙を紛失していることに気づいた。
エーボリ公女ほか側仕えの者たちに鍵を探させた。
鍵は見つからなかった。
エーボリ公女は具合が悪くなり下がる。
ポーサ侯爵が王の用事があると入ってくる。

◆わかること
エーボリ公女は嘘をついている。具合が悪くなるのは演技か、罪の意識か。

第4幕第2場

◆登場人物
王妃
ポーサ侯爵

◆いつ
1場のあと

◆どこで
王妃の館の広間

◆できごと
ポーサ侯爵が王妃に人払いを頼む。
王妃は了承する。

第4幕第3場

◆登場人物
王妃
ポーサ侯爵

◆いつ
2場のあと

◆どこで
王妃の館の広間

◆できごと
ポーサ侯爵が王妃に「フランス大使との謁見を取りやめるように」と王の指示を伝える。
ポーサ侯爵が王妃にカルロスの手紙を渡す。
「会って話さなければならないことがある」と書いてある。
ポーサ侯爵はカルロスを導いて反乱を起こしフランドルを守ると言う。
王妃は資金援助を約束する。(フランス・サヴォア家)
ポーサ侯爵は王妃からカルロスあてに一筆もらう。

◆わかること
ポーサ侯爵はカルロスがフランドルへ行き反乱を起こすように仕向けるつもりだ。
王妃はその計画を恐ろしいが魅力的だと感じている。

第4幕第4場

◆登場人物
カルロス
ドミンゴ(本来はレルマ伯爵)

◆いつ
3場のあと

◆どこで
王宮の廊下

◆できごと
ドミンゴがカルロスにポーサ侯爵と王の面会(二時間にわたる)を知ったと打ち明ける。

◆わかること
カルロスはポーサ侯爵が行動を起こしたと知り喜んでいる、またドミンゴのことも友人と言っている。のちの展開と矛盾しないか?注意


第4幕第5場

◆登場人物
カルロス
ポーサ侯爵

◆いつ
4場に続く

◆どこで
王宮の廊下

◆できごと
ドミンゴが去るとポーサ侯爵が廊下を歩いてくる。
カルロスは人に見られることを恐れている。
ポーサ侯爵はカルロスに王妃の一筆を見せる。
ポーサ侯爵はカルロスに手紙入れを全て渡すように言う。
カルロスは行こうとするポーサを引き止め、病気をした時(アルカラの大学に通っていた頃)に王妃から届いた手紙だけは持っておきたいと言う。
返してもらった手紙を、気が変わってポーサ侯爵に渡す。
修道院で会うと言う話しをする。

◆わかること
カルロスはポーサ侯爵と王の関係に不安を覚えている。
ポーサ侯爵はカルロスが恋に浮かれていることを不安に思っている。



第4幕第6場

◆登場人物
ポーサ侯爵

◆いつ
5場のつづき

◆どこで
王宮の廊下

◆できごと
ポーサ侯爵の独白。

◆わかること
ポーサはカルロスが理想の世界の構築よりも恋に傾倒していることに懸念を抱いている。
ポーサは王の信頼にも応えたいと言う。(本音か?建前か?)

第4幕第7場

◆登場人物

◆いつ
??

◆どこで
王の書斎

◆できごと
王が一人で煩悶している。
王はカルロスの肖像が彫られたメダルを持っている。
(王妃の宝石箱からエーボリ公女が盗み出したもの)
王はそのメダルを投げ捨てる。

◆わかること
娘クララの父親がカルロスではないかと疑っている。


第4幕第8場

◆登場人物

ドミンゴ(本来はレルマ伯爵)

◆いつ
7場に続く

◆どこで
王の書斎

◆できごと
ドミンゴが王に王妃の訪問を告げる。

◆わかること
王は今は王妃に会いたくない。

第4幕第9場

◆登場人物

王妃

◆いつ
8場のつづき

◆どこで
王の書斎

◆できごと
王妃が宝石箱から大切な物(婚約中にカルロスと交わした手紙)が盗まれたことを王に訴える。
王の権限で盗んだ者を見つけ出すように願い出る。
王妃は王が投げたメダルに気づく。
王は王妃がアランフェスで王子に会ったことを隠していたとなじる。
王妃は王がカルロスを父親として真っ当に愛していないから会ったのだと指摘する。
王が娘クララに辛く当たったことから、王妃はピレネー山脈の向こう(フランス)から民衆を呼び寄せねばならないと言う。
娘クララを抱いて出ようとしたところ、躓いて転び、血が出る。

◆わかること
王は王子に嫉妬している。(所有欲、あるいは責務か?愛か?)
王妃は反乱を示唆している。


第4幕第10場

◆登場人物

王妃
ドミンゴ(本来はアルバ公爵も)

◆いつ
9場に続く

◆どこで
王の書斎

◆できごと
音、騒ぎに驚いたドミンゴが入ってくる。
王妃が王妃の館へ戻る。
王はドミンゴによって王妃への不信感を募らせたのだと詰る。
ポーサ侯爵が目通りを願い出る。

◆わかること
王は王妃の不倫を信じているのではなく、まだ疑っている段階。
良心がある。残虐ではない。


第4幕第11場

◆登場人物

ポーサ侯爵
ドミンゴ

◆いつ
10場に続く

◆どこで
王の書斎

◆できごと
王はポーサ侯爵の謁見に元気を取り戻し受け入れる。
ドミンゴは下がる。

◆わかること


第4幕第12場

◆登場人物

ポーサ侯爵

◆いつ
11場のつづき

◆どこで
王の書斎

◆できごと
ポーサ侯爵は隣の部屋で11場の顛末について噂話を聞いた。
王はポーサ侯爵が王妃の不倫の証拠を掴めたかどうか知りたがる。
ポーサ侯爵はカルロスの書類入れを手に入れたと言う。(5場で受け取った手紙束)
ポーサ侯爵はエーボリ公女がカルロスに相引きを持ちかけた手紙を受け取る。
王は筆跡からエーボリ公女の手紙とわかる。
内容から二股をかけたのはエーボリだと推測。
ポーサ侯爵は王妃の野心(フランドル解放?)について語る。
ポーサ侯爵が秘密の逮捕命令を願い出る。
王はそれを受け入れ逮捕状を書いてポーサ侯爵に渡す。

◆わかること
王の怒り、憎しみが王妃よりもカルロスへ向かっていく。


第4幕第13場

◆登場人物
カルロス
ドミンゴ
(本来はレルマ伯爵が一緒)

◆いつ
12場面前後

◆どこで
王宮の廊下

◆できごと
カルロスはポーサ侯爵が国璽尚書、宰相になったことをドミンゴから知る。
カルロスは「ポーサ侯爵にとっては自分一人の幸福よりも多くの人の幸福が大切だ、それだけの度量がある」と言う。
カルロスはエーボリ公女に助けを求めにいく。

◆わかること
カルロスはポーサ侯爵を失ったと思う。


第4幕第14場

◆登場人物
王妃
ドミンゴ(本来はアルバ公爵も)

◆いつ
13場のあと

◆どこで
王妃の館のある部屋

◆できごと
ドミンゴが王の命令でポーサ侯爵が画策しているようだと忠告(ドミンゴ=教会側も画策している)。
ポーサ侯爵が出て行った後に王の手にはカルロスの書類入れがあった。
王妃はドミンゴの方が敵だと思っていたと言う。
王妃が、不倫していると訴えた者に会いたい、ドミンゴを証人に呼びたいと言う。

◆わかること
王妃の不倫を訴えたのが誰か?わからない。


第4幕第15場

◆登場人物
カルロス
エーボリ公女

◆いつ
13場のあと

◆どこで
エーボリ公女の居住スペースの居間

◆できごと
カルロスがエーボリ公女を頼りにくる。
カルロスはエーボリにした仕打ちを謝る。
エーボリは嫌がる。
カルロスはエーボリ公女の取次で王妃に会おうとする。

◆わかること
カルロスの純粋すぎる残酷さ


第4幕第16場

◆登場人物
カルロス
エーボリ公女
ポーサ侯爵

◆いつ
14場の続き

◆どこで
エーボリ公女の居住スペースの居間

◆できごと
ポーサ侯爵が近衛兵を連れて現れ、カルロスを逮捕する。
エーボリ公女は逃げようとするがポーサ侯爵に捕らえられる。


第4幕第17場

◆登場人物
ポーサ侯爵
エーボリ公女

◆いつ
16場の続き

◆どこで
エーボリ公女の居住スペースの居間

◆できごと
ポーサ侯爵がエーボリ公女にカルロスから何を聞いたのかと問う。
エーボリ公女は何も聞いていないと言う。
ポーサ侯爵はエーボリ公女を短剣で脅す。
ポーサ侯爵はカルロスの秘密を知ったならエーボリ公女を殺すと言う。
(思想の自由、黄金のスペイン新時代……)
ポーサ侯爵は思い直して出て行く。
エーボリ公女もポーサ侯爵とは違う方向に出ていく。

◆わかること
残酷になりきれないポーサ侯爵。
あるいは人芝居打つポーサ侯爵。
エーボリ公女の優しさ。


第4幕第18−20場

◆登場人物
王妃
エーボリ公女
ドミンゴ

◆いつ
17場のあと

◆どこで
王妃の館

◆できごと
エーボリ公女が王妃の部屋へ駆け込み、カルロスがポーサ侯爵に逮捕されたことを伝える。
エーボリ公女が、宝石箱から手紙とメダルを盗み出したこと、王との不倫を告白する。
王妃は黙って出ていく。
しばらく経つとドミンゴが入ってくる。
ドミンゴは王妃がエーボリ公女を解任し修道院で判決を待つように言っていると伝える。

◆わかること
王妃が直接的ではないにしても怒り?を表現するのはこの場面が初めて。


第4幕第21場

◆登場人物
王妃
ポーサ侯爵

◆いつ
20場のあと

◆どこで
王妃の館

◆できごと
ポーサ侯爵がカルロスを助けるために死ぬつもりだと言う。
王妃はその覚悟を受け入れる。
ポーサ侯爵は王妃に銃を渡し、カルロスを守るように言う。

◆わかること
ポーサ侯爵と王妃は国の未来(大志、大義)のために自らを捨てようとする。
王妃はフェリペ2世と結婚することが決まってからは国のために人生を捧げると覚悟したようだ。その中で「自分の意志を込める」としたら国のため、かつて愛した者のために活路を見出すこととと考えたのかもしれない。

◆その他
22−23場
通信長のタクシスが<ポーサ侯爵がブリュッセルのナッサウとオラーニエン公爵(オランダ独立戦争の英雄)へ出した手紙>をもち、王に会うためにくる。レルマ・アルバと話す。(この手紙には自分に罪を肩代わりさせるための嘘が書かれている。ポーサ侯爵の計略)
パルマ公子、フェーリア公爵、メディアシドニア公爵と歴史上の人物らが突然でてきてわたわたする。(笑わせたい場面かも)王が涙を流したという。涙=人間らしさ、か。


第4幕第24場

◆登場人物
エーボリ公女
ドミンゴ

◆いつ
22-23場面に続く

◆どこで
王の書斎の前の部屋

◆できごと
ドミンゴの独り言、「王が涙を流した」と呟く。(22ー23場の間に王はポーサ侯爵がブリュッセルに宛てた嘘の手紙を読み、騙されている)
エーボリ公女が入ってきて、王に真実を伝えると言う。


◆わかること
王のポーサ侯爵への信頼の厚さ、愛の深さ

◆その他
エーボリ公女が王に伝えたい「真実」とは?


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Tamaki Ohkawa 大川珠季
ドイツで観られるお芝居の本数が増えたり、資料を購入し易くなったり、作業をしに行くカフェでコーヒーをお代わりできたりします!