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2024ベルリン観劇記録(17)PHAIDRAS LIEBE

3月3日、ベルリナー・アンサンブルのNeues Haus。サラ・ケインの『PHAIDRAS LIEBE』をシュテファニー・ラインスペルガーの一人芝居で。

原作 Sarah Kane
翻訳 Sabine Hübner
演出、舞台美術、衣装 Robert Borgmann
音楽 Robert Borgmann, Nazanin Noori
映像 Bahadir Hamdemir
照明 Rainer Casper
ドラマトゥルギー Amely Joanna Haag
出演 Stefanie Reinsperger, Robert Borgmann(演奏)

開演5分前


 105分の一人芝居。ベルリンで観る演劇の中では珍しく絶叫発声が多く、かなりの言葉が(わたしには)聞き取れなかった。ト書きは英語で朗読され、ドイツ語字幕が赤い壁に映写される。ラインスペルガーの場面ごとの演じ分けやトーンの調整は見事。観客に話しかける場面が多くあり、Happy Birthday To you を全員で歌った。Robert Borgmann の演出は四年前にDIE MÖGLICHKEIT EINER INSELを観ているが、美術・衣装・音楽とあらゆる要素をBorgmannが担っているため、その世界観が好みでなければ難儀する部分もある。舞台に置かれたインスタレーション的アプローチの美術はプラスチック的質感。わたしはマクドナルドを想起した。一見ポップで大衆好みでグロテスク。おそらく下手がパイドラーの世界、上手がヒュッポリトスの世界。ヒュッポリトスの世界にはスクリーンが置かれ、何度も映されるのはセクシーに踊る女の影。女のドレスはのちに登場するパイドラーのものと似ている。アンビエント・ミュージックが居心地の悪さを増幅する。

BorgmannとReinsperger
信頼関係がよく現れているカーテンコールだった

ドイツで観られるお芝居の本数が増えたり、資料を購入し易くなったり、作業をしに行くカフェでコーヒーをお代わりできたりします!