【漫画】『嘘喰い』40巻感想~死にそうなときほど生きてる実感がある~
嘘喰い40巻読了しました。
40巻!?もう!?あと9巻で終わっちゃうの…。
悲しいですが、そんなことよりもエア・ポーカー回来ました!
この勝負がとにかく好きでした。
水の表現とか、高度な読み合いがかっこよすぎます!
感想書きます。
※ネタバレ注意
○『嘘喰い』40巻 読んだ感想
まず、オフプロが行われている島のルーツがわかりました。
この島は、元々、拷問のアウトソーシング施設だったそうです。
国連の拷問禁止条約やジュネーブ条約をすり抜けて、拷問を行うために、アメリカが合衆国憲法や国際法の及ばないこの島で拷問をくりかえしていたのです。※漫画の話です。
そのため、人を殺すための道具が揃っているのです。
エア・ポーカーの準備がすぐにできたのも、このためでした。
この勝負をなんなく受け入れる斑目貘に、みんな不安そうな顔を見せます。
チャンプも不安そうですし、斑目貘に勝負を受け入れるように頼み込んだりゅうせいも、思わず声をあげて斑目貘を心配します。
梶くんも、斑目貘の後ろ姿を「僕はもっと側で見るものだと思っていた、貘さんの勝負を」と、じっと見つめています。
さて、肝心の「エア・ポーカー」の紹介をします。
まず、舞台となるのは小さな部屋です。
部屋の中には机と椅子が設置されており、中は目一杯水で満たされています。
賭けるものは25枚のチップ(エア)です。
エア1枚の中には圧縮された空気、およそ80L分が入っています。
これで呼吸するのですが、1枚で保てる時間はおよそ5分程度だそうです。
そしてこのエアは、賭けにも使います。
自分のエアがなくなれば、当然息が出来なくなってしまいます。
どちらかが死ぬまで、このゲームは終わりません。
そして、死の判定方法ですが、水の外からでは判断するのが難しいので、意識を喪失して椅子から体が離れてから10秒経過すれば、その時点で敗北決定です。
勝者は足かせの鍵を渡され、天井の空気のある場所まで泳いで上がることができます。
そして、ゲーム内容です。
テーブルの上には、金属製のカードがあります。
カードは全部で10枚あり、順番を決めて交互に1枚ずつ引いていきます。
5枚そろえて目の前に並べ、1枚 vs 1枚の勝負をするとのことです。
まず、参加料1エアを支払い、お互いのカードをオープンします。
その後、Betタイムでエアを賭けて勝負します。
お互いの持つカードは5枚ずつなので、最大で5回戦の勝負が可能です。
そして、参加料はゲーム毎に1エアずつ増えていき、5回戦目には5エアとなります。
25枚のエアを吸い、また賭け、どちらかが10秒以上椅子から離れたらゲーム終了となります。
ここで、斑目貘はとある疑問点を口にします。
私は全然気づきませんでしたが、それを聞いて「確かに!」となりました。
ルール説明では、カードをオープンしてからBetタイムと言っていましたが、これはちょっと変です。
カードが明らかになってからBetする人はいないからです。確かに!
しかし、その順番は間違っていないといいます。
このゲームは、カードをオープンしたからといって、勝敗がすぐに決まるものではないからです。
このカードには、表面にただの数字が書かれているだけのカードでした。
そして、カードの勝敗は、ある「法則」によって「予想」する事が可能だとだけ明かされました。
つまり、勝てる法則が判明しないまま、5つの数字の中から1つ選んで相手に提示して勝負します。
それを空気の無い水の中で行うのです。ちょっと最悪すぎませんか?
死ぬかもしれないというのに、勝てる確証の無いゲームをやるなんて頭がおかしいとしか思えません。
しかも、ルール説明を行っていた能輪紫音は、この法則は常人に解ける次元ではない上に、解けばさらなる悪夢を見るハメになると言うのです。怖すぎます。
さて、そんな怖いルール説明も終わり、ゲームが開始されます。
そして、部屋が水で満たされる間にさらなるルールの追加がありました。
一度呼吸用に使ったエアは、参加料および賭けには使用することができません。
次に、Betの順番ですが、最初は低いカードの方からBet、次ゲームからは交互となります。
Bet上限は場にあるエアの半額、最初は場に参加料2エアがあるので、初回の上限Betは半分の「1」となります。
次に「天災」です。なんか言葉からもう怖いです。
ある特定の負け方をした場合、「天災」が発動し、負けたプレイヤーは、その時に負けた額と同額のエアを水中に放出しなければなりません。
しかし、この「特定の負け方」もこの場では明かされませんでした。
読んでるだけで呼吸がしづらくなるゲームです…。
もちろん暴力行為、エアの不払い、遅延行為など、その他いかなる進行を妨害する行為は即負けです。
水が部屋に満たされていく様子を眺めながら、夜行さんは「自分も嘘喰いと共に戦う」と熱い言葉を述べていました。
みんな斑目貘に魅了されちゃってるんですね。
勝負開始と同時に、とんでもないことが起こります。
参加料の1エアをテーブルに出させる紫音の案内の途中で、カウントが開始されます。
なんとビンセント・ラロは水位が上がり切る前の、立ち上がってまだ届く場所の空気を吸うために椅子から体を離していたのです。
ビンセント・ラロはわずかですが、斑目貘よりも酸素を温存することに成功しました。
これを見て、紫音はビンセント・ラロにSP(シオンポイント)を付与していました。
さて、一回戦の始まりです。
斑目貘の手持ちの数字は、「25」「45」「26」「36」「39」です。
梶くんも私も、どのカードを出せばいいのか皆目見当もついていません。
しかし、2人は何も考えずにカードを1枚ずつ提示しました。
思考とは酸素を消費する行為です。
何もわからないことほど、考えるだけ無駄なのです。
つまり、この一回戦に限っては運に任せるしかないのでした。
提示されたカードは、斑目貘が「36」、ビンセント・ラロが「15」です。
数字の小さいビンセント・ラロからBetスタートです。
ビンセント・ラロは1エアをBetしました。
これに対する斑目貘の選択は、3択です。
①1エアをBetしてコール、②さらに上乗せしてレイズ、③降りるです。
しかし、ここで降りるなんて選択肢はあり得ません。
降りれば参加料1エアをただ奪われますし、カードの勝敗は明かされないので法則を知るためのヒントを得る事が出来ないのです。
なので、ここでは普通コールが妥当かと全員が考えている中、斑目貘はレイズを選択しました。2エアの上乗せです。
そしてなんと、ビンセント・ラロはそれに対してさらにレイズします。
2エアのコールと、4エアのレイズです。初っ端から飛ばしまくりです。
互いの残りエアは、斑目貘20エア、ビンセント・ラロ16エアです。
さらに、斑目貘の吸っているエアが尽きたので、呼吸用のエア交換により、斑目貘の持ちエアは19エアとなりました。
斑目貘は、ビンセント・ラロの4エアのレイズにコールで4エアを差し出して終了しました。
両者のBetは8エアで釣り合いました。
ここで、勝敗の判定です。
勝ったカードは「15」、ビンセント・ラロの勝利です。
残りエアは、斑目貘15エア、ビンセント・ラロ32エアです。
焦りまくるチャンプに対し、梶くんは冷静に状況を分析します。
一回戦は運なので仕方がないのです。
斑目貘は、運だけで勝負する人間ではないですが、時には運河重要だということも知っています。
運に賭けた8エアは妥当だったと断言しています。
本当に成長したんですね、梶くん。
そして、ビンセント・ラロはまだセーフゾーンに入ってないことも指摘します。
例えば、ここからの4回戦をビンセント・ラロが参加料だけ支払ってすぐに降りることで逃げ切ろうとしても、失うのは14エアです。
最終的に斑目貘29エア、ビンセント・ラロ18エアで、状況が客店強いてしまいます。
呼吸用のエアを考えなければですが。
しかし、斑目貘があれ以上1エアでもレイズしていれば、セーフゾーンに入られていたかもしれません。
斑目貘は、不運をギリギリのところでかわしたと言えるのです。
ついでにビンセント・ラロに10SP加算です。これでビンセント・ラロは11SP溜まってます。あんまり関係ないですが。
二回戦です。参加料は2エアで、残りエアは斑目貘が13エア、ビンセント・ラロが30エアです。
それぞれの手札は、斑目貘が「25」「45」「26」「39」、ビンセント・ラロは「44」「47」「63」「8」です。
この法則については、立会人達や傍観者たちが色々考えていますが、誰もピンときていません。
さて、この二回戦、斑目貘は39、ビンセント・ラロは8のカードを提示しました。
一回戦は数の小さい15が勝利したので、数字の大小で勝ちであれば8の勝利です。
しかし、まだ法則は分かっていません。
そして、ビンセント・ラロはここでやっと呼吸用のエアを入れ替えました。
ビンセント・ラロの残りエアが29になります。
一回戦は、ビンセント・ラロからのBetだったので、二回戦は斑目貘からのBetです。
ここでの斑目貘の選択肢は①チェック(賭けない)、②Bet(賭ける)、③フォールド(降りる)です。
ここで、斑目貘がチェックしてもビンセント・ラロがBetしてくる可能性は十分にあります。それくらい、エアに余裕があるのです。
そもそも、斑目貘が1エアでもBetすれば、ビンセント・ラロは最大で3エアのBetが可能になり、4エア以上が動く可能性があります。
これで負けてしまえば、ビンセント・ラロはセーフゾーンに入り、逃げ切りが可能になってしまいます。
賭けに出るのはこの二回戦目か、それとも三回戦目まで待つか、その選択を斑目貘は迫られていました。
この時、梶くんが斑目貘に意味ありげな視線を送っていました。
何かに気づいたような強い視線です。
斑目貘はこれに気づき、笑みを浮かべて2エアBetしました。
この二回戦目で賭けに出ることに決めたのです。
この行動を見て、ビンセント・ラロの空気が一気に放出されます。
彼が一生懸命思考している証拠です。
ビンセント・ラロはたくさん考えますが、制限時間に迫られてコール、さらに1エアをレイズしました。
斑目貘は、これにコールし、さらに5エアをレイズしました。
これにてビンセント・ラロの残りエアは26エア、斑目貘は5エアとなってしまいました。
斑目貘はもう、この二回戦を勝たなければ後がなくなりました。
ビンセント・ラロはコール、さらに1エアをレイズしました。
一回戦とは違って弱気のレイズです。
もうここからが怒涛の勝負です。
まず、斑目貘が今吸っているエアが尽き、斑目貘は残りの4エアに手を伸ばします。
しかし、斑目貘は呼吸用のエアを取り替えることをせず、手持ちの4エア全てをレイズしてしまったのです。
斑目貘は、空気を吸えない状態になってしまいました…。何してるんだ…。
ビンセント・ラロは呼吸のできない斑目貘を眺めながら、時間を目一杯使ってのコールをしました。
ここの、無呼吸を耐えている斑目貘の苦しそうなことといったら…。
そして、なんとこの法則、梶くんはいち早くその解き方を把握していました。
斑目貘の「39」と、ビンセント・ラロの「8」、勝のは「39」だといいます。
カードは全部で10枚、数字は「8」から「45」までの振り幅があります。
斑目貘の5枚のカードの合計値は「171」、これは、一組のトランプの合計「364」の半分の「182」に近いのです。
梶くんは、この事実から色々と想像しました。
なぜ5回戦で打ち止めなのか、それは5回戦以上では成り立たない理由があるからだと考えました。
この勝負は、ちゃんとポーカーでした。
与えられた数字たちは、1デッキから作られたポーカーの役5枚の数字の合計数だったのです。
つまり、「15」だったら、「A」「2」「3」「4」「5」のストレートフラッシュの合計値だと考えられます。もちろん、他の役の可能性もあります。
ここからは頭が崩壊します。
水の中じゃ、絶対に冷静に考えられませんが、勝負をしている2人はそれをしなければなりません…頑張ってほしい…。
まず、一回戦のビンセント・ラロの「15」と斑目貘の「36」ですが、それぞれ色んな組み合わせが考えられます。
しかし、それぞれの数字で勝つための最高の役は、「15」であれば「A」「2」「3」「4」「5」のストレートフラッシュ、「36」であれば「8」「8」「8」「8」「4」の8フォーカードです。
役のランクは「15」のストレートフラッシュが上なので、斑目貘は負けてしまったのです。
であれば、二回戦目はどうか。
ビンセント・ラロの「8」の最高役は「A」「A」「A」「A」「4」のAフォーカードに対し、斑目貘の「39」は「9」「9」「9」「9」「3」の9フォーカードです。
これであれば「8」の勝利となりますが、一回戦目でビンセント・ラロのストフラに「A」のカードが1枚使われている可能性が大いにありますので、8フォーカードの可能性はかなり低いです。
「8」はよくて「2」「2」「2」「A」「A」のフルハウスか、「A」「A」「A」「2」「3」のAのスリーカードとなります。
対して「39」は、「8」よりも高い役が作れる可能性が大きいです。
従って、二回戦目は「39」を提示した斑目貘が勝つ可能性が高いのです。
梶くんの説明がめっちゃわかりやすいです…。
私もなんだかんだまとめてますが、梶くんの説明を読んだり、水の中で切羽詰まっている2人の様子をぜひ見てほしいので、嘘喰いをたくさん読んでください。
梶くんの読み通り、勝った数字は「39」でした。
梶くん!すごいじゃん!と叫びそうでした。
梶くんは、このヒントに気づきましたが、当然斑目貘に伝えに行けるわけではありません。
斑目貘は梶くんが水槽に手をついて斑目貘に視線を送っていた様子をみて、このゲームの法則に気づいたのです。
梶くんが水槽についた手を見て、ポーカーの役はハンドということ、そして、トランプ5枚を重ねた厚さが、今回の金属のカードの厚さと同じだということに気づいたのです。
斑目貘は、梶くんへの感謝の気持ちを思いながら、意識を失いました。
斑目貘の体が椅子から浮いたのを見て、紫音はカウントを始めます。
このまま10秒経ってしまったら、斑目貘の敗北確定です。
ここで、意識を失った斑目貘に、伽羅が声をかけます。
ここがめっためたにゾワっとしました。
伽羅が「まだ…こっちに来るんじゃねぇよ」「勝てよ嘘喰い」と、あの世から声をかけたことによって、斑目貘は意識を取り戻し、エアを獲得しました。
これにて、斑目貘は29エア、ビンセント・ラロは16エアを持つことになりました。
ついでに斑目貘に100SP追加です。これは関係ありません。
最後にビンセント・ラロはある選択に迫られます。
この法則を解くか、解かないかです。
本来ならば、勝負に勝つために法則を解いた方がいいように思いますが、法則を解いた斑目貘の姿が、その危険性を語っていました。
斑目貘は、頭の中で無数のポーカーの役を作ることで、自分の手持ちの数字の役を探っていました。
その際に大量の酸素を消費してです。
斑目貘は、このゲームの法則を知ってしまったがゆえに、死に近づいていったのです。
40巻終了です。
あー、長くなってしまいました。
でもやっぱりこのゲーム大好きです。
戦ってる2人がかっこいいですし、梶くんがめちゃくちゃ使い物になってるのが最高です。
まず、このエア・ポーカーですが、水の中で死と隣り合わせの状態で進んでいくのがスリル満点ですね。
私は水が大の苦手なので、自分でこのゲームをやることを考えたら意識が飛びそうなのですが、見ている分にはものすごく興奮します。
序盤と比べると、明らかに作画も良くなっているので(偉そうですみません)、水の表現とか、苦しそうな表情とか、見ているだけでドキドキします。
ビンセント・ラロなんて、長髪なので、水に靡く髪が神秘的です。
あの、能輪紫音とかいう男ですが、面白い奴を極めすぎてませんか?
というか、精神年齢がそんなに高くないように見えます…。
謎の力で手すりの上を永久に滑り回っていたり(←意味わかりますかね?)、勝手にSP(シオンポイント)をつけて一人で興奮していたりと、変な行動が多すぎます。多分AB型じゃないですか?
美年さんのことをお義父さんと呼んでいることから、能輪家に婿養子に入ったようですね。素敵です。
あと梶くん!むっちゃくちゃイケイケになってますやん!
ちゃんと主人公やってますね。
昔だったら考えられないほどの頭の回転数です。私だったら、「手持ちの数字を足してみよう」とか思いつかないと思います。
最初の頃に梶くんのことを「普通の奴ー」とかいってなめていたことを猛省します。
また貘さんを支えてあげてね。
最後に、伽羅が登場しました。
死んでもなお斑目貘の支えになってくれる伽羅さんが大好きです。
こういう、常識では通用しないことをやってくれるのが伽羅っぽいなと思いました。
というか、この2人やっぱり精神的につながりすぎていませんか?
来世で斑目貘の妻として生まれ変わった伽羅が献身的に夫を支える姿が視えます…。どうしてでしょう…。
次回もとっても楽しみです。