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【漫画】『嘘喰い』7巻感想~この世界厳しすぎる~

嘘喰いの7巻を読みました。
新しい登場人物がどんどん出てきて、覚えていくのが大変です。
名前もそうだけど、その人の肩書きとか、その人は今誰の味方なのかとか、色々情報が混在しているので、確認しながら慎重に読んでいます。
私は頭の良い人間ではないので、難しい話は理解するのに時間がかかるのです。
でも好きなので時間をかけるのは全然苦じゃないです!
感想書きます。

※ネタバレ注意

○『嘘喰い』7巻  読んだ感想

まず表紙ですが…。
貘兄ちゃん…体力ないくせにその腹筋…どういうこと?
と思いました。以上です。

6巻の終わりに、例のミサイルが撃たれてしまったと蘭子から連絡があり、一同騒然とします。
今頃東京はどうなっているのか、世界に速報ニュースが流れているのか、富士山のトンネル内にいる梶くんたちには見当もつきません。
皆が焦っているところに、レオから続報が届きます。
どうやら発射されたのは目的のミサイルではないようです。
それよりも規模の小さいロケットで、これならそこら辺の樹海に消えて、大きな被害はなさそうだということです。危機一髪です。

これは、ミサイルを止めに行ったはずのマルコが間に合わなかったように感じるのですが、決してそうではありません。
マルコはしっかりミサイルを止めるためにカールの元に辿り着いていました。
カールはマルコに勝てないと悟り、
「自らの命を犠牲にして伽羅に立ち向かった君の行動に心を打たれた。私の言う通りに操作すればミサイルを止められる。」
と呼びかけ、マルコにミサイル解除の手順を教え始めました。
嘘喰いの世界に染まりつつある私には、カールのこの言葉は嘘だろうなと感じ取る力が備わってきたのですが、マルコの脳内にそんな思考回路は存在しません!
マルコはカールに言われるまま、機械を操作します。
しかしこの手順、ミサイル発射解除の手順ではなく、ミサイルを発射するための手順でした。やっぱりなという感じです。
でもマルコはアホの子なので、指示通りに動きながらも、肝心の最後のボタンを迂闊にも押し間違えてしまいました。
発射されたはされましたが、それは東京に届くミサイルではなく、規模の小さいロケットで収まりました。
いや、どっちにしろダメなんですが…。

その現場を目の前で見ていたカールは、「『え?』『まさか?』『こんなにうまくいくの?』って思ったのに。…もう少しだったのに」
「考えられないあの小僧!!意外にテンパりやすい上にボタンを押し間違うとは!!」
などと供述していました。
可哀想なマルコ…。ロケットを発射してしまったマルコは産まれたての子鹿のようにプルプルと震えていました。

それはそうと、ミサイルを発射するための機械はマルコの手に渡ったので、これでミサイル発射の心配は無くなりました。
同時に、斑目貘が個人的に切間創一に持ちかけた賭け(ミサイルが発射されるかどうか)は、斑目貘の勝利ということになりました。
しかし切間創一は、そんなことどうでもいいというようにそそくさと帰ろうとします。
そのために、目蒲と夜行妃古壱の號奪戦をあと5秒で終わらせろと命じます。
ここで急なルール変更…というか、ルールを従来のものに戻すと言い始めました。
従来のルールとは、「號奪戦の制限時間を10秒とし、挑んだ者はその時間内に相手を死に至らしめなければならない。受けた者は心意気同じく全力でそれを排除」するというものです。
今回の號奪戦は勝負途中ということで、半分の5秒の時間が与えられました。
こっから爆速です。カウント1で夜行妃古壱は目蒲を倒してしまいました。

この目蒲鬼郎という男、見ていてとても切ないです…。
ここで目蒲の回想が入ります。
目蒲は昔から出来ないことはなく、何でもそつなくこなす秀才くんだったみたいです。
頭も良い、力もある、なんでも手に入るので夢など見なかったというのです。
しかしそんな時に佐田国と出会い、彼の生き方に魅了されます。
「死を恐れず、命を奪うことに微塵の躊躇もしない。」
「佐田国様のその剛直で破天荒な性に比べたら、自分の存在がどれほどちっぽけなものか思い知ったんだ。」
…なんか、これまでの目蒲は嫌な奴として描かれていたんですが、この言葉を見てすごく人間臭さを感じました。

さて、目蒲は號奪戦で夜行さんに敗北してしまったので、粛清されることとなりました。つまり、殺されてしまいます。
全然嬉しくない偶然ですが、目の前には佐田国のために組み立てられたハングマンと、斑目貘のために組み立てられたハングマンが並んでいました。
2人は一緒に首を吊ることになりました。切ない…。
でも目蒲は佐田国が自分の命を犠牲にしてでも革命を成し遂げようとしてた姿に惹かれていたので、後ろ髪を引かれることもなくその運命を受け入れました。

佐田国と目蒲の首に縄がかかります。
斑目貘は「死ぬことなんて怖くない。これは天命だ。」と豪語する佐田国に向かって話しかけます。
「……死なせる…か…」
相変わらず顔がかっこいいです。
「天命じゃない!!アンタが死ぬのは…報いだ。下らん人殺し、下らん革命のね。」
ここで斑目貘は佐田国の眼鏡を外し、彼の視界を完全に奪い去りました。
「ところで佐田ちゃん、どうして…死んだ事もないのに死ぬのが怖くないってわかるの?」
この言葉を聞いてしまった佐田国は、ゆっくり首をつられながら死とガッツリ向き合ってしまうのです。
「死にたくない」と、情けなく叫びながら死んでいったのです。
それを見てしまった目蒲も、最後の最後に佐田国がそんなだったので、「俺は何のためにこんな…」と、自分の行動を後悔しながら最期を迎えることとなってしまいました。
なんて不憫なんでしょうか。思わず目蒲のことが好きになってしまいました…。
斑目貘は最後に、「死なせないよ、怪物のままは。せめて人として…ね。」と、死に無頓着で人間らしさを失っていた佐田国の人間らしさを取り戻してから殺すことにしたのです。
これは彼なりの優しさなんですね?高度すぎて私にはあんまりわからない。

これで、ハングマンの決着が完全につきました。
斑目貘らの報酬は、色々差し引いた結果、2億4千8百80万円となりました。
佐田国が賭けた10億円と比べると、結構減っていますが、それでもものすごいお金です。
全てが終わったと思いきや、もう一山残っています。
なんと斑目貘は、切間創一に対して、「このお金を全部支払うから、もう一度賭郎会員に戻してくれ」と要求します。
しかも、もう一度屋形越えします、と宣言までしてしまいました。
簡単に言うと、本人に「お前つぶすから」と喧嘩を売っているようなもんです。
周囲の人間は、切間創一がそんな要求飲むわけないと思っていましたが、そんな予想に反して、切間は斑目貘の要求をのむという決断を下しました。
切間が連れてきた夜行丈一も「よろしかったのですか?」と不思議がっていました。
しかし、この判断はちゃんと正しかったようです。

切間らがトンネルのドアから外に出ると、そこには伽羅が立っていました。
しかも賭郎の人間たちを一人残らず倒してしまっていたのです。
腹に銃弾を受けながらです。化け物や。
これは、伽羅が斑目貘に味方することを意味していました。
伽羅は、マルコとの戦いに敗れた後、マルコの残した携帯電話から、斑目貘の言葉を聞いていたのです。
「見せてやるよ、お前に…勝ち続ける…存在するはずのない…ギャンブラーを。」
目蒲が佐田国に魅入られていたように、伽羅も斑目貘に魅入られてしまっていたのでした。

さて、切間創一がトンネルを抜けたとき、知らない人から彼の携帯電話に着信がありました。
なんとその人物は、切間創一に向かって「あなたがお屋形様ですね?ミサイル発射してくださいよ」と要求してきました。
一体何が起こっているんだ?と一瞬思考停止してしまいましたが、この後ちゃんと種明かしがありました。

時は遡り、とある男たちが集まったところから話は始まります。
そこには、3人の検察官と、”防衛省所属の男”、”外務省所属の男”、”朝毎新聞所属の男”、”内閣情報調査室所属の男(切間創一)”が集まっていました。
そこに、尾野神真(おのかみ まこと)という検事総長がやってきます。検事のトップなので、ものすごい大物です。
彼は、「政治家を操り、共に国家を動かすための組織を作ろう」と持ちかけてきます。
明らかにやばそうなのですが、切間創一は「面白そうだ」と少し乗り気です。
しかし同時に、世にその存在を知らしめるための何かが必要だと問題提起をします。
すると尾野神は「テロかな?」と、申し出ます。
切間はそれに対して、「そこまでは言ってない。だが、『ミサイルでもロケットでも』何でも、この国でテロがおこなわれたという事実があればその話は現実味を増す」と言っています。
なので、テロリストである佐田国に白羽の矢が立った、という流れみたいです。
そして、テロが第一目的ということを隠して、株の暴落を目的とした金儲けの道具として様々な人に声がかかったのでしょう。

いつも思うのですが、漫画家さんや作家さんって、どうやってこういうの思いつくんでしょうか?
頭良すぎませんか?

さて、ここで切間創一に届いた謎の電話の相手の話に戻ります。
この電話の相手も、株の暴落に期待して空売りを行った一人みたいですね。
なので「ちゃちゃっとミサイル発射してよ」と頼んでくるのですが、切間創一はその要求をバッサリ断りました。
しかも、「僕は株のカラ売りなんて知らない」と発言しています。
切間創一の目的は金儲けではありません。
斑目貘の6巻での推理は、大まかにはあっていましたが、切間創一が空売りの利益を目的としていたと考えていた部分は誤りだったということです。

そして、ここで切間創一に迎えが来ます。
その男がなんと尾野神だったのです。
検事総長の尾野神は、すでに賭郎の協力者だったようです。
つまり、尾野神がテロの話を持ち掛けていたのかと思いきや、すべてが切間創一の指示で、その指示通りに事が進んでいたということでした。
実際に、切間創一はテロ自体が起こればそれでよかったので、新しい組織を作るためには、今回のロケットの発射で十分でした。
最後に決め台詞です。
「佐田国君…革命とはこうやるんだよ」
イケメンすぎる。
切間家の人間には、眉間に仏様の白毫みたいな黒子があります。
ちょっとかわいいです。

さて、ハングマン回はこれで終了です。
最後に、號奪戦のルールが昔のものに戻されたことに伴い、屋形越えのルールも同様に、昔のものに戻すことも重要なポイントです。
そのルールとは、「賭郎会員が屋形越えに挑むには、まず専属立会人が號奪戦にて零號になる必要がある」というものでした。
つまり、自分の専属立会人が101人いる立会人の中で最強であることが必要なのです。
なんとなんと…こんな厳しいことってあるだろうか。とりあえず、そうなりました。

さぁ、次は短いですが、梶くん回です。結構切ないです。
ここはそんなに掘り下げることもないので、気になる方はぜひ嘘喰い読んでほしいです。
簡単に言うと、梶くんの母親がひどい毒親で、梶くんの命をかけて斑目貘とギャンブルするんですが、勝てるわけもなく敗北。
梶くんの命は斑目貘の手に握られ、梶くんは毒親と縁を切ることができたという話です。
終始、梶くんを不安そうに見つめるマルコが愛おしかったです。

さて、この梶母との勝負ですが、斑目貘はなんと、会員の権利を使って立会人を召喚しています。
それが賭郎九拾號立会人の櫛灘鉄馬(くしなだ てつま)でした。
斑目貘的には、101人中90番の人には、なるべく専属立会人にはなってほしくないです。
なので、斑目貘は櫛灘に対して勝負を申し出ます。いわゆる喧嘩ですかね。
「俺が勝ったら専属立会人にはならないで」的なことを言われてしまいます。
櫛灘からすればこれはめっちゃむかつく発言ですね。櫛灘は斑目貘を殺しにかかります。
しかし、そんな櫛灘の後ろに忍び寄る影がありました。

伽羅です。斑目貘を助けに参上したのです。
伽羅は、よく漫画のキャラクターたちがやる首の後ろをトンッてやるやつをお見舞いします。
すると櫛灘の意識がなくなり、その隙をついて斑目貘が北斗神拳をお見舞いします。
しかし、体力クソ雑魚の貘さんの攻撃が効くはずもなく、そのまま伽羅が櫛灘を壁にたたきつけて倒してしまいました。
なんて有能なんだ…。
結局、櫛灘が斑目貘の専属立会人になるという道は閉ざされました。
このことからもわかるように、斑目貘は屋形越えを見据えて本格的に立会人を選びにいっています。

そして、衝撃的な事実も明らかになります。
それが、屋形越えに挑戦するのは、斑目貘ではなく梶くんだということです。
もちろんギャンブルは斑目貘にお任せでよいのですが、当の斑目貘は「命の取り立て」が終わってないので、自身の全てを賭ける必要のある屋形越えに挑む権利がないというのです。
梶くんは、いつも空気のような状態ですが、何気に重要な部分を担っているキャラクターですね。
しかし彼は完全に無能というわけではありません。
序盤の頃に比べたら、頭も回るようになっているし、度胸もついたように思います。
これからの梶くんの成長にも期待できそうです。

7巻お終わりにもう一つ、重要なストーリーが残っています。
それが、米国の犯罪組織「アイデアル」の存在についてです。
最初に登場するのがビリー・クレイグという、ムキムキの白人男性です。
彼は、賭郎に対して交渉があり、とある埠頭の倉庫で落ち合うこととなりました。
クレイグは、破天荒な奴でした。
以下が、出迎えた賭郎の男たちとした会話の簡略版です。
ク「君たちは武器を持ってるかもしれない。フェアじゃない。」
賭「武器は持っていません。心配ならボディチェックしてください」
ク「貴様ら猿の体をまさぐる趣味はない!」
賭「…」
ク「ジョークジョーク!ぜひボディチェックしてください!でもね、まさぐられんの嫌いなんだ」
そう言って賭郎の人たちを倒しちゃいます。自己中がすごいです。

クレイグはそのまま倉庫にたどり着くのですが、そこに待ち構えている人達がいました。
まずは泉江夕湖(みずえ ゆうこ)。賭郎の外務卿だそうです。
めちゃくちゃ美人で、スタイルも良いです。
そして泉江の後ろには2人の男がいました。
1人目がグリス・李です。
鮫丸回でマルコとやり合った彼です。
マルコとの戦いの傷がまだ癒えていないのか、口元に包帯をぐるぐる巻きにしています。
もう一人が龍(ロン)という男です。
彼は初登場です。2人とも、壱號立会人である能輪さんの部下にあたります。

クレイグは、美しい泉江さんを見るとすぐに駆け寄っていきます。
そして、ボディチェックをさせてくださいと言って、泉江さんの胸をがしーっと掴んじゃいます。
泉江さんは全く動じません。セクハラに屈しない強靭な精神力を持つクールな女性です。
グリスと龍が「私達のボディチェックもありますから手短に」と声をかけると、クレイグは「貴様らのナニなんぞ誰が触るか!!猿!!」と罵倒。理不尽です。

そんなふうな一悶着がありましたが、なんとか本題に入ります。
話をまとめると、クレイグらアイデアルという犯罪組織は、今回のミサイル事件に一枚嚙んでいたようです。株を空売りしてお金を儲けようと思っていたのです。
しかし、ミサイルは発射されませんでした。
つまり、アイデアルにとっておおきな損失があったということです。
その代償として、「3百億円を支払うことと、賭郎の48ある会員権の席のうち、24を譲ること」を申し出てきました。

それに対する切間創一の答えはこうです。
「下品で知性の無い金集めしか出来ない白豚にくれてやる金はビタ一文無い。」
交渉は決裂です。
ここから泉江、グリス、龍 vs クレイグとその仲間2人のバトルが始まりました。

最後に、アイデアルについて紹介します。
先ほども書きましたが、アイデアルとは、米国の犯罪組織だそうです。
アイデアルの意味は「ダイヤモンドのカットの最高形」です。そして、組織のボスは不明。
世界中の犯政府組織やゲリラの資金運用を生業をしていて、近頃は犯罪組織の乗っ取りも行っているとのこと。
つまり、アイデアルの標的は賭郎であり、3百億円や会員権などはブラフで、彼らは最初から戦闘するためにやってきていたのです。

この時日本には、アイデアルから5名の殺し屋がやってきていて、そのうち判明しているのは4名です。
「マーティン・ブルース・ホワイト」、「ジャック・リバース」、「ギルバート・アイザック」、「キルスティン・ハワード」です。
この中にビリー・クレイグの名前はありません。つまり、判明していない残りの1名はこいつであることがわかりました。
クレイグは、とある飛行機のファーストクラスの席をすべて予約してたった一人で乗ってきたようです。
能輪さんによると、クレイグはそういう、リッチなクセを持っているそうです。
さらに、能輪さんは彼に「カラカル」という通り名をつけたことまで教えてくれました。
カラカルとは、トルコ語で「黒い耳」という意味だそうです。確かにクレイグの耳を見ると、黒い模様が描かれています。
通り名があるということで、クレイグは最悪なことにめっちゃ強いです。

残りの2名は先ほど名前を挙げた4人の殺し屋のうちの2人です。
「マーティン・ブルース・ホワイト」と「ギルバート・アイザック」です。詳しい説明は省きます。
この6人で、戦闘が開始されたところで、7巻終了です。

眠くて最後のほう結構殴り書きになってしまいました。

あー、目蒲くんが死んでしまいました。
特に推していたわけではありませんが、彼の最期があまりに不憫だったので、何か救いはないのかとちょっとだけ願ってしまいました。

あと伽羅!
斑目貘にいいように使われていますが。
もう斑目貘に完全に取り込まれてしまいましたね。
彼は呼ばれたら必ず来るんですか?絶対来るんですか?
そういうことされてしまうと、私の中の腐の感情がうっかり芽を出してしまいそうなのでやめてほしい…。
「先っぽだけだから…」と頭の中で唱えながらちょっとだけ伽羅貘って検索してしまいました…。
そしたらちゃんとそういうのが存在してて嬉しいやら恥ずかしいやら、何やら複雑な気持ちになりました。
嘘喰い全部読んで、まだそういう気持ちが残ってたら拝見させていただきます。
不快に思われた方がいたらすみません。でも、どうしても知的好奇心を止められません。

そして、アイデアルが出てきました。
このボスについては、今は不明ですが私は結構記憶にあります。
このボス戦がめっちゃくちゃ好きでした。
まだまだ先ですが、今からとっても楽しみです。

ふー、もっと簡潔に文章を書けたら良いんですが、できそうな気配がありません。
書いていくうちに簡潔にまとめられるようになることを願っています。
次回も楽しみです。

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