見出し画像

【漫画】『嘘喰い』44巻感想~最強の立会人は誰だ~

嘘喰い44巻読了しました。
今回は立会人達による、笑いあり、涙ありのバトルが繰り広げられた回でした。
ちなみにマルコもちゃっかり参加してます。
感想書きます。

※ネタバレ注意

○『嘘喰い』44巻  読んだ感想

プロトポリスでの卍勝負が終わり、勝利した斑目貘が屋形越えを行うこととなりました。
場所はプロトポリスが行われていた島の中央に立つ塔です。
さて、そのゲーム内容ですが、まだ決まっていません。
そして、ゲームを取り仕切る立会人も決定していません。
これを9人の立会人の中から決めることになりました。
一応まとめておくと、参加者は、
零號 夜行妃古壱
壱號 能輪美年
弐號 門倉雄大
肆號 間紙ボロ
陸號 能輪紫音
拾號 三鷹花
拾壱號 銅寺晴明
弐拾八號 弥鱈悠助
弐拾九号 真鍋匠
です!熱いですね。
正直ヰ近さんとか南方とかもいたら嬉しかったですが、全然問題ありません。
彼らは互いにハンカチを奪い合い、一番多くのハンカチを集めた立会人がゲームを決めて屋形越えに立ち会うということになりました。

そして、もう一つ重要な要素として、この島の状態についても言及がありました。
この勝負中、様子のおかしな立会人が複数出てきます。
元々プロトポリスはゲームを行う裏側で臓器売買が行われていたり、麻薬を吸っている人がいたりと、闇の部分も持っていました。
そして、運営達はこの島から逃げていく前に、証拠隠滅のために地下で麻薬を作るための植物を燃やしてから逃げていました。
そして、その燃えて上昇した空気が島の中に充満していたのでした。
立会人たちは、この麻薬の含まれた空気を吸いながら戦うこととなったのです。

今回はいろんな人間ドラマがあったように思います。
まず対峙したのは夜行さんと門倉です。初っ端から大一番の戦いが行われました。
書き忘れていましたが、戦いはインナーをつけて行われます。
自分のインナーに2度攻撃を受ければ、制電が行われます。インナーの情報を管理しているのは梟です。

夜行さんは門倉の頭に足蹴りを食らわせて早速ハンカチを奪いますが、頭に衝撃を受けた門倉は人格が変わり夜行さんに攻撃を与えながらハンカチを奪い返しました。
門倉は「失敬、失敬、失敬!」と叫びながら夜行さんに殴りかかり、ハンカチを奪ってしまいました。
夜行 vs 門倉の勝負は門倉の勝利でした。
夜行さんはハンカチを取り返しに行く様子がなかったので、元々門倉に譲る気だった可能性もあります。
どうやら立会人達にもいろんな思いがあるようです。
次に弥鱈と能輪美年、別場所では間紙と銅寺が対峙していました。

美年は、弥鱈に対し、自分のハンカチを差し出し、「年寄りが先のある者に道を譲る機を逸する、これほど愚かな事はあるまい。老害として醜態を晒すより、託すという体で威を保ちたい…」と言い堂ます。
私も将来こういう人になりたいです。
そして、間紙も同じように銅寺にハンカチを差し出していましたが、こちらはちょっと様子がおかしいです。
間紙は刀にハンカチをのせ、「ホレ、ホレ」とまるで獲物をおびき寄せる罠のようにハンカチを差し出しています。
銅寺は怪しみながらもハンカチを取ろうとすると、間紙は銅寺に刃を突き立てました。
銅寺は何とか避けますが、何やら様子がおかしいです。
銅寺は突然「ヌハハハハハ」と笑い出します。大笑いです。
ハンカチを差し出して渡しはしない間紙と、それを見て大笑いしている銅寺です。
それもこれも麻薬の影響でした。

麻薬は、普段紳士であることを心掛けている立会人達の本性をむき出しにさせていました。
美年は弥鱈にハンカチを差し出しながらも、自分に負けるようじゃハンカチは渡せないと言って弥鱈の足にお得意の針を刺して動きを止めてしまいました。
美年が弥鱈のハンカチを奪おうとしたその時、美年の車椅子を操りだす人物が現れました。能輪紫音でした。
紫音は、なぜ大事なハンカチを自分ではなく弥鱈に託すのかと泣きながら美年に襲い掛かりました。
紫音は車椅子を崖の際まで追いやり、美年を落とそうとしましたが、美年はなんとか逃げ延び、歩けないふりをしながら地面を這っていました。
美年は本当は歩けますが、歩けないふりをして過ごしてきました。
賭郎内にもこの事実を知る人物はいません。美年はこんなところで秘密を明かすわけにはいかないと、必死に考えます。
美年を追い詰めていた紫音に、今度は弥鱈が襲い掛かります。
弥鱈は紫音のインナーに一発攻撃を入れ、残り一発が入れば制電が行われるような状態になりました。
しかし、ここで紫音が覚醒します。

さて、紫音には妻と息子がいました。
妻は弐拾弐號立会人 能輪美玲(のわ みれい)で、息子は八號立会人 能輪巳虎です。
美玲は巳虎に、紫音について「彼は無敵よ」と話しています。
紫音は、普段は本気を出していないだけで、本気を出せば最強だというのです。
その言葉の通り、紫音は向かってくる弥鱈に対し、反撃をしかけました。
弥鱈はそれを防ぐ事が出来ません。
そして、強いものをねじ伏せたい弥鱈ですが、紫音の攻撃を受けて「強すぎ」と言ってます。
そして、最後の一発が繰り出される直前、紫音の視界に平べったい石が映り込みました。
紫音は、急遽「タイム」といって戦闘を中止し、その石を拾って崖の上から水切りをしました。
しかし、崖の上からでは流石に上手くいかず「やっぱ崖からじゃむりか~」と残念がっていました。
…紫音は、次の瞬間、弥鱈から攻撃を受け、さらに制電を受けて敗北してしまいました。
紫音は、集中力が続かず、別のことに興味を持ったら、今やってることを中断して別の方に行っちゃう人みたいですね。
…こういう人結構いますよね。ていうか、私もちょっとこの傾向あるかもしれません。

とりあえず、紫音は弥鱈に敗北してしまいました。
あとは美年を倒すだけです。
美年は「仕方ない」と呟いて弥鱈に針を投げ、それを避けた弥鱈の前に自分の足で立ち上がって見せました。
弥鱈はもうびっくりです。制電受けてないのに体中に電気が走っています。
そして、弥鱈は美年が人生をかけて守ってきた秘密を明かしたことで、ここで自分は殺されるかもしれないと覚悟しました。
しかし、美年は弥鱈を通り過ぎ、意識を失って崖から落ちそうになっている紫音を助けに行きました。
かつては立ち会いのためなら肉親に手をかける古都すら厭わなかったのに、今では自分の秘密を明かしてでも家族を守ったことに、自分自身であきれていました。
美年は負けを認め、弥鱈にハンカチを差し出しました。
美年おじいちゃん…ちゃんといい人でした。

ここまでの結果ですが、門倉がハンカチ2枚、弥鱈はハンカチ3枚、そして銅寺も間紙からハンカチを受け取って2枚の獲得数となりました。
残るは、三鷹と真鍋のハンカチです。
そして、マルコも同時に動いていました。
マルコは、斑目貘が相手との考えの読み合いをするゲームを望んでいるので、そういうゲームを考えてくれる立会人が勝つように動いていました。
マルコは、間紙からハンカチを取った銅寺の後ろに突然現れ「殺す!」と呼びかけました…。
銅寺も思わず「えーーっ!」と叫んじゃってます。そりゃそうですね。
マルコは銅寺に「ゲーム何やるの?」と直球で聞きます。
そんなこと教えられるわけがないので、そう伝えると、マルコは「マルコに教える理由がない!?そう言われることはマルコは分かっていた!!」とでかい声で叫びます。…全力すぎて可愛いです。
そしてマルコは銅寺の目の前に、なんと三鷹のハンカチを掲げたのです。

マルコは、銅寺と会う前に、伽羅の前でじっと佇んでいた三鷹に声をかけていました。
マルコは斑目貘から「女の人には、実際より若く言ってあげると良いことがある」という教えを受けており、三鷹に対して「お姉さんはどんなゲームをするつもりですか?」と、ちゃんと気をつかっていました。えらい!
しかし、三鷹はそもそもこの屋形越えには乗り気ではないようで、簡単にマルコにハンカチを渡してあげていました。
マルコはそれを大事に抱え、斑目貘に都合の良いゲームを考えている人を探し出し、その人にあげようとしていました。

銅寺はそのいきさつを知り、三鷹のハンカチをもらうために自分の考えているゲームを明かしました。
銅寺が考えていたのは「ドティの部屋」でした。
マルコはこれを聞き、いったん三鷹のハンカチをもってトイレに行くと言って、その場を去りました。
マルコは「運」と「読み」が必要なドティの部屋を行おうとしている銅寺にハンカチを渡すことをやめ、他の人にも会ってみることにしました。
そして、律儀にそれを銅寺に伝えに行こうとすると、それよりも先に銅寺の元に門倉が辿り着いていました。

門倉と銅寺で戦闘が始まりました。
門倉の攻撃を避け、後ろをとって攻撃をしようとする銅寺ですが、動きが速くなった門倉の攻撃を食らうだけとなってしまいました。
門倉は、箕輪の攻撃による前頭葉の損傷により、体質が変わり、以前より強くなっていたのでした。

ここで、銅寺の悲しい過去が明かされました。
彼には眉目秀麗で年の離れた兄がいました。銅寺は兄を慕い、とても懐いていました。
そのため、趣味などいろんなもので兄の真似をしていました。
しかし、兄ならかっこいいのですが、銅寺がやるとそれは嘲笑の対象となってしまいました。
銅寺は弱音を吐くような男の子ではありませんでしたが、さすがに思い悩むようになってしまいました。
そして、兄もそれに気づいていました。
兄は、単身でいじめっ子の親の元へ乗り込み、自分の弟がひどい目に合っていることを伝えに行ってしまいました。
そして、兄はそこで逆上した相手の親に暴力を振るわれ、亡くなってしまっていたのです。
兄はその後、銅寺の元に現れて「何がかっこいいかは重要じゃない、お前がかっこいいと思う事をやることが一番大事なんだ」と幽霊になっても伝えたかったことを伝えに来てくれました。
兄は、自分に「弟を守る」というルールを課していました。
そして、兄は「こんなこと、まだまだだ。お前を守るには十分じゃない」と言いながら消えていきました。
兄が死んだ後に現れたのは、銅寺の夢でしたが、それをきっかけに銅寺は折れぬ心を持つことを決めていました。

銅寺は門倉がパワーアップしても諦めずに立ち向かっていきました。
そして、門倉にパンチをお見舞いし、手の骨を折ることに成功します。
しかし、門倉は強かったです。
銅寺に二発目のパンチを与えて銅寺に制電が行われました。
勝負は門倉の勝利です。
これで門倉は4枚のハンカチを所有することになりました。
あと1枚獲得すれば、過半数のハンカチを手に入れたことになるので、門倉の勝利です。
そこに小動物のようにマルコが現れました。
門倉の様子を探り、「どんなゲームやるの?」と尋ねます。

ここで銅寺は2人の会話を遮って門倉に対し、「あと1枚で勝ちなんだからこんなところで油を売っていていいのか」と聞きます。
これは遠回しに、マルコに対して門倉にハンカチを持っていることがバレたら狙われるぞというメッセージでした。
マルコはそれを聞き、いったん考えるためにトイレに行くと言ってその場を離れようとしました。
しかし、そこで門倉がマルコに「ハンカチは?」と聞きます。
マルコは素直なので、門倉のその問いかけに対して「鷹さんのハンカチは持っていく」としゃべっちゃいます。
門倉はそれを聞き、マルコのトイレにダッシュでついて行っちゃいました。
マルコは必死で「来ないでー!」とお願いしてますが、聞いてもらえなさそうでした。

マルコを追いかける門倉の視界は、普通とは異なっていました。
ぼやけています、というより、よく見えすぎています。
門倉は、頭を怪我したことにより、サヴァン症候群を発症していました。
それにより、微細な粒子を嗅ぎ分けて麻薬の煙を視覚的に見分けられるようになっていました。
それで麻薬を含んだ空気を避けながら、他の立会人と戦っていたことがわかりました。
そして、マルコが逃げ込んだ先は麻薬の濃度が特に濃い森の中でした。
門倉は深追いせずに、その手前で立ち止まり、様子をうかがっていました。

少し麻薬の空気が薄くなったところで門倉は歩を進めますが、その瞬間、門倉の左手が砕かれました。
さらに森の中から拳が飛んできて、門倉のインナーに一撃、打撃が与えられたのです。
そこには精神統一した真鍋が座っていました。

44巻終了です。
立会人同士の戦いを見るのは楽しいです。

まず、老人勢が若い者に権利を譲っていた感じがしたので、それがなんか…良かったです。
あと銅寺の過去辛すぎませんか…。
余計好きになっちゃいました…。

次回も楽しみです。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集