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【漫画】『嘘喰い』26巻感想~コロンビアンネクタイって誰が考えたんだろう~

嘘喰い26巻読了しました。
切間創一のギャンブル回でした。
後半にはとんでもない化け物も登場しました。
感想書きます。

※ネタバレ注意

○『嘘喰い』26巻  読んだ感想

賭郎立会人から逃亡する切間創一は、防衛省職員の大船額人と活動を共にします。
大船は、防衛省機密漏洩事件の調査を行います。
25巻の終わりでは、とある地下銀行グループが裏金の洗浄を行っており、2人はその組織から裏金の1億円を押収していました。
今回は、その1億円を洗浄するように依頼した人物が機密漏洩に関わっていることがわかったので、情報を得るために、その依頼者について探ることにしました。

やってきたのはとあるファミレスです。
ここにマネーロンダリングを依頼した人物がいるようです。
尾行によりその動向を探ろうとする消極的な大船に対し、創一は自分からその人物の目の前に姿を現してコンタクトを取りに行きました。
そこにいたのは旧防衛施設庁の元職員である城道(きどう)という男でした。
細身ではあるものの、テーブルに大量の食事を並べてかっこんでいます。
創一は城道に対して、「今、相当な額に膨れ上がってるよ」と、カジノの取り立て人を装って話を持ちかけます。
城道はどうやらギャンブル狂のようで、創一のこの言葉にギクッとします。
城道は創一を追い払うためにとあるギャンブルを提案しました。

コインの幅寄せゲームです。ルールは簡単です。
紙に、上段10マスと下段5マスの枠を書きます。
各段の両端にコインを置き、対戦者が好きなだけ交互に動かす。
上段と下段は同時には動かせません。
自分のコインが両方動かせなくなった方が負けです。

ひとまず創一が先攻で1ゲームやってみますが、創一は瞬殺されてしまいます。
「え?これ、もう終わりなの?」
「弱いって知ってて僕をハメたな?」
と、無知なフリをして、もう1戦申し込みます。
城道は創一の提案を受け入れました。
ここでルールが追加されます。
テーブルの上には、いくつかのコーヒーフレッシュが置いてありました。
コーヒーフレッシュの裏側には、それぞれあらゆる番号が書かれています。製造番号ですかね。これを利用することとします。

追加されるルールは以下の通りです。
①コインを自由に動かせるというルールは、選んだコーヒーフレッシュの容器裏側の番号と同じ数に変更します。
※2桁の場合、たとえば「21」は「2」か「1」を選べるようにどちらかを選べる)。
②マス目の数よりも大きい数字を引いた場合、前か後ろに1マスだけ動かせます。
③使用したフレッシュはまとめてプールされていき、敗者は使用されたフレッシュ全ての番号の和×1万円を支払うこととします。
※これは途中で掛け算に変わります。
④サイコロとして使えるのは、基本的に使用前のフレッシュのみです。

大船はこういうのが苦手なのか、自分で枠を作ってみてそれをじーっと眺めてます。
創一は相手のルール変更を受け入れ、ゲームが開始します。
先攻は城道です。
ルール通りゲームは進んでいきますが、創一はコーヒーフレッシュがプールされていくのと同時に、発生するお金を実際にテーブルの上に積んでいきました。
城道はまだ気づいていませんが、このお金は城道が洗浄を依頼したお金で、すでに創一が奪っていたものでした。
つまり、城道に返ってくるはずだったお金ということです。
大船はこれを止めさせようとしまうが、創一は気にも留めずどんどんお金を出していきます。
それだけでなく、創一は店長さんを呼んで店中のコーヒーフレッシュをあるだけ買い取ると言い出します。
店長は最初は渋りますが、大量の札束を見て、言う通りに店中のコーヒーフレッシュを差し出しました。

創一は店長の持ってきたコーヒーフレッシュを観察して、城道がフタの柄で数字を事前に確認しているのではないかと予想します。
それくらい、城道はコーヒーフレッシュの数字を見る前に、その数を把握しているような動きを見せていたからです。
しかし、フタの柄で数字を見極めていたわけではなく、城道はゲームの前に指で全てのコーヒーフレッシュの底を触って数字を確認し、それを覚えながらテーブルに配置して自分に都合の良いゲーム展開を作っていたのです。
…それをするのもすごいですけどね。

ゲームは進んでいき、賭けられたお金は59万円となりました。
なぜこんな大金を持っているのか不思議に思う城道に対し、創一は「これはついさっき君が洗浄屋に渡した1億円だ」と、そのお金の正体をばらします。
城道もこれにはびっくりです。
城道はこの1億円を受け取って逃げる算段だったのに、そのお金が謎の男の手に渡っており、そのお金をばらまき始めたからです。
城道はこのままゲームを続けるなら賭金をあげるように要求してきます。
そして、創一がそれに対し、「賭金を上げてほしかったらミサイルの密輸に使われる港と船を教えろ」と、大船の求めている情報を提示するように要求しました。
城道は頭が真っ白になってしまいます。
1億円欲しいのはそうなんですが、目の前の男は、不正の証拠となる1億円をコーヒーフレッシュを買い取るためにばら撒いたり、賭けのお金としてドシドシ使っちゃっているので。
さらにここで、「コーヒーフレッシュを持っていけば大量のお金がもらえる」という噂を聞きつけたファミレス中の人たちが、自席に設置されたコーヒーフレッシュを持って創一の求までお金をもらいに来ます。
大量にやってきた人たちに、創一は躊躇なく札束を配っていきます。
城道はどんどん抜け殻のようになっていきます。ちょっとかわいそう…。

最終的に、1億円の半分が失われてしまいました。
大船はこれで情報を得られなくなってしまったと落胆しますが、その予想に反して城道は港と船の情報を吐きました。
「港は横浜港中央埠頭の第5繋留所、船名はジャルード号」です。
城道は下手な嘘をつくより、正直に情報を渡し、残りの金を全て回収して高跳びすることを決めたのです。
ここから、賭け金を足し算ではなく、掛け算で計算していくことにします。
城道はここで勝負をつけると意気込みますが、創一もどうやら余裕そうな表情をしています。

結果を言ってしまいますが、コイン幅寄せゲームは切間創一の勝利となりました。
このゲームは、全て城道が決めていたように見えていたが、実は創一が城道にそうさせるように誘導させていたのだと明かされました。
さすがお屋形様、優雅な勝ち方でした。

さて、一方で斑目貘の動きです。
斑目貘は、捨隈に潰された目の治療を終え、左目に眼帯をつけていました。
眼帯の模様がかり梅なのが可愛いです。
ゆったりくつろぐ斑目貘に対して、梶くんの姿が見当たりません。
梶くんは、カールからとある重大な事実を聞かされていました。
業の櫓にて勝ち取った500億円が、何者かによって奪われてしまったのです。
カールがパスワードを謎の人物に奪われてしまったことに加え、斑目貘が梶くんに500億円を別の口座にすぐ移すように言われていたのに、それをすぐに実行しなかったことが原因でした。
梶くんは、斑目貘の傷ついた目が気になって仕方がなかったので…。
梶くんは、斑目貘に500億円の事を悟られない内に、「自分が何とかする」と言って単独で動き出しました。

マルコは梶くんから口止めされたので、梶くんの行方を聞いてきた斑目貘に全く別のことを答え始めます。
またこの誤魔化し方がかわいいんです。
マルコは自分が情けないというのです。
今まで、かり梅を買って50円のお釣りがもらえていたので、イチゴ味の飴を5つ買うことができていました。
それが、かり梅の値下がりによってお釣りが100円になったので、50円の野球カード付きポテチまで買えるようになってしまいました。
「当たり前…野球カードを見て…ポテチを食べて…アメを舐め…アメを舐めてポテチの繰り返しよ」
「50円で良しとしていたマルコがいつしか、もう100円でなきゃダメな体になってしまったよ」
「もう前とは違う…100円なんて知らない方が良かった…」
と、ポテチをポリポリ食べていました。
何なの…。

梶くんはカールから、とあるデータを友人に渡してきてほしいと頼まれます。
それを私に言われた場所へ向かうと、そこには「横井」という男がいました。
この横井という男は、大船とともに、暗謀設立の関係者として以前に登場していました。
ジャーナリストで、不正を許せないタイプのようです。
それと同時に、KY宣言に鹿臣として登場していた男が梶くんであったことをちゃんと見抜いていた人物でした。
横井は梶くんを車に乗せてそのまま港に向かい、今回問題になっているジャルード号の船員にコンタクトをとり、梶くんと共に捕まってしまいました。

この捕まえられた2人は、そのままジャルード号に乗せられてしまいます。
そして、大船、切間創一は、同時にその船にたどり着き、潜入に成功していました。
ちなみに城道も後をついてきています。
さて、ジャルード号には、今回のミサイル密輸の関係者がいました。
レーシィ船長です。
全裸でコート1枚だけ羽織った老人です。
この男は、「コロンビアンネクタイ」という拷問を好んでいます。
喉元を切り裂いてそこから引き出した舌をネクタイのように見せる処刑です。
怖すぎでしょ…。
実際に梶くんや大船の目の前で1人の男が喉元を切り裂かれて命を落としてしまいました。
ここら辺はグロ注意ですね。
レーシィ船長自身も、喉元に切れ込みがあり、舌をネクタイのように喉に垂らすことができます。

皆の動きを整理します。
まず、レーシィ船長は、ミサイル密輸のため、ミサイルを積んだコンテナを船に乗せようとしていました。
しかし、このコンテナは創一によって伝票を破棄され、港に運ばれた大量のコンテナに紛れてしまいました。
部下にコンテナを探させているところです。
その間に船に乗り込み、裏から船を出航させないよう時間を稼ぎます。
大船はレーシィに船を出航させないように交渉をします。
梶くんと横井はレーシィの船に拉致され、レーシィと大船の交渉を観察しています。

梶くんは、2人のやり取りを冷静に観察し、冷静に分析します。
大船は応援を要請しているが、その応援は果たしてやってくるのか。
もし防衛省の上層部が黒幕であれば、その要請自体が握りつぶされている可能性もあると予想しました。
レーシィにとっては、このまま時間を稼がれて大船の要請した応援が来てしまうのが困るのではないかと問いかけます。
そして、2人のうちどちらかの目的を完璧に達成できる場を自分が提供することができると提案します。
立会人を呼ぶのです。

やってきたのは、九拾壱號立会人の最上妙子という女性でした。
キューピーちゃんみたいな髪型をした女性です。
最上さんの登場で26巻終了です。

切間創一の豪快なギャンブルの回でした。
考えていることが読めないし、逆に相手の考えていることやギャンブルの展開は切間創一には手に取るようにわかっているようでした。
斑目貘と雰囲気が似ています。
髪型がずっと気になりました…。

父の撻器は亡くなってしまいました。
撻器は焼かれながらも、創一のことを想い、彼の記憶喪失を人生を楽しむ要素と捉え、創一の人生を楽しそうだと羨みながら消えていきました。
豪快でありながらも儚い最期でした。

次回からはレーシィ船長との勝負になりそうです。
すごく楽しみです。

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