宇宙服
文章を書くことはいつでも恥ずかしさを伴う。過去の文章を読むとなんとも言えない気持ちになる。
なぜ自分が文章を書くのか。それは自分が一番疑問に思うことである。文章を書くというのは恥ずかしく辛いことだ。
文字を連ねる時、大抵はどこかが弱っている時だ。体でない場所の傷は内出血のように文字を溜め込む。
脳が麻痺している感覚がある。周りがやたらに明るく見える。感情という感情が薄く平坦でどこまでも続く地平線のように滑らかで触れないものになっていく。
食べられなく味のしない砂糖を頬張るような虚しさが、肺の中に根を張るような空気の重さが私をそれと同じように平らに滑らかで触れないものにしていく。
今日、月が夜空に輝いているのを見て恐ろしいと思った。それは美しかったからなのか、それともあまりに明るかったからなのかは分からない。ただそれが恐ろしかった。
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