12/2 何もしてない

 友達と会ってきた。「そういえば、前回会ったときも寒かったね」みたいな会話をして、前回はいつだったのかを調べたら、大体1年ぶりだった。

 前回会ったときとまったく同じ店でお昼ごはんを食べておしゃべりして、また前回とまったく同じ店に移動してお茶しながらおしゃべりした。あまりに居心地よく気持ちよく過ごせるので、今後もふたりの定番コースになりそうだ。

 友達の1年分の話を聞いた。ときどきLINEでざっくりな近況報告は受けていても、実際に会って話すと、聞いていた話の詳細も盛りだくさんだし、聞いていなかった話だって盛りだくさんだ。あの事件のときはどうだった、台風のときはこんなふうなことがあった、そういえばこんな事件に巻き込まれた……。出てくる出てくる。仕事の話もプライベートの話もいろいろあって、聞いているだけでびっくりするくらいどんどん時間が過ぎていった。

 彼女は、前回会った時点でいくつかの目標を口にしていて。今日会ったのは、そのうちひとつの目標を達成したお祝い、という目的もあった。目標達成をきっかけに、彼女の人生はまた大きく動いていく。「2020年は変化の年! 厄年だけど! お祓い行かなきゃ!」と笑顔で言っていた。この1年、様々な努力を重ねていた。「大変より、楽しかったが大きい」と言っていた。仕事して、仕事後は勉強して、休日は動いて。気力体力行動力に行動量がすごい。

 そんな彼女の話を数時間聞いたあと。「なんだかわたしばっかり話しちゃってた。今年、どんな1年でしたか?」と訊かれた。わたしのこの1年……? 頭をフル回転させて、今年あったこの場で話すに値するエピソードがないか、記憶を大捜索した。……自分には、この1年の『これぞ!』というエピソードが思いつかなかった。特筆すべきハレの日、特にない。日常、ケの日の積み重ね。こんな日常を送っているよ、という話をしながら、そういえば高尾山に登った、とか、今年はいろんなゲームをしたよ、とか、そういう話をした。ケ話。

 というわけで、2019年のわたし、何をしていたんだ、ということを突き付けられた日だった。いや、心身ともに元気になるたためにゆっくり過ごしていたのだし、ちょろちょろでも仕事を始めたのだけれど。お休みの1年。人と比較してどうというわけじゃない。と、頭でわかっていても、ちょっと焦ってしまった。自分のペースで大丈夫。言い聞かせる。

 来年はどんな1年だろう(あれ? この言い方だと他人事っぽいな? 『どんな1年にしようかな?』かな?)。急に師走感。

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