12/16 面接に着ていく服がない

 どうやら、ふられなかった。お知らせがきて、うれしくてひとりで声をあげた。

 さて、どうしよう。面接に着ていく服がない。

 というか、面接に限らずなのだけれど、プライベートじゃないときに、人前に出るときに着用できるような『きちんと服』が、前職退職後の1年半でワードローブから軒並み消え去っている。消え去っている、とか他人事のように言ってみたけれど、自分で処分した。しばらくそういう機会はない。今度、そういう機会があったら、そのときの自分に合ったものを買おう。そんなつもりで、仕事用の白シャツや股のところが擦れるまで着倒した黒パンツを処分した記憶がある。

 転職活動の面接服だったら、スーツが基本だろう。けれど、スーツなんてもう何年着てないことか。しまいこんだスーツを出してきても、形の流行りや経過した年月を考えると、多分自分で合格点を出せそうにない。持っているジャケットは麻素材の夏用。今の季節だと、多分おかしい。どっちにしろ、インナー用にシャツがいる。それともきれいめカットソーでいいのか? ……そもそもきれいめカットソーなんて持ってなかった。なんでわたしの持っているカットソーはボーダーやワッフル素材のバリバリカジュアルだらけなんだ。時期的に、シャツにカーディガンやセーターでもいける? でも、服装を少しカジュアルにして、そのせいで気まずい思いをするくらいなら、かっちり決めていった方が安心だ。ばりっとしたボトムもない。真面目靴も就活のときからずっと履いているのしかない。書類がきちんと持ち運べるかっちりバッグもないぞ。どんな自分を見せたいんだ。

 あぁ、服を買いに行かなくては。面接のために服を買い揃えて、それで落ちたら泣ける。けれど、見た目が残念で自信が持てなくて受け答えに失敗して落ちたら、それはそれで後悔が残る。

 服以外にも、用意しないといけないものがいろいろある。どんなことを聞かれるだろうかとか、服以外にも見た目を整えなきゃとか、自分の気持ちとか。ちょっと浮かれてみたり、不安になったり、また気持ちが上下左右に忙しい。師走、走っているのは師匠じゃなくて、わたしの気持ちだ。

 こういうのに、いちいちばたばたしないのが『大人』だよな、と思う。いざ! のとき用の服がクローゼットにきちんと用意してある人。面接に呼ばれても、人前でプレゼンすることになっても、高級そうなレストランでディナーを食べることになっても、冠婚葬祭に呼ばれても。服どうしよう、とあたふたしない人。今のわたし、日常着しか持ってない。もし、外で働き始めたら、少しずつお気に入りで自分に似合う服を揃えていこう。

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