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無情

74年8月に東京・丸の内の三菱重工業ビル玄関前に置かれた爆弾が爆発した事件では、8人が死亡し、300人以上が重軽傷を負った。 弁護士の八代英輝氏(59)がは「私の父親が事件当日、この時間帯、重工ビルの隣のビルにいまして“ガラスが降ってきた”ってことで、被害を受けて同僚の人を病院に連れて行った」と事件当日、隣のビルにいたと語った。


東アジア反日武装戦線のメンバー桐島聡を名乗る人間が出てきたが
何もわからず亡くなった。
私はこの事件の世代ではない。
が、大概の日本人は
彼の顔写真を見て育っているのではないか。

テロというと私が小学2年生の頃に、
オウムのサリン事件は起きた。
私の父も叔父も、恋人も当時丸の内で働く会社員だったが
たまたま遭遇しなかった。
今思えば、たまたまなのだ。

子供ながらに何て惨い、
そして何故こんな怪しげな人を崇め
何故こんなことをしたのか
しかも聞いてみれば高学歴で優秀だという。何故?
子供の私は母に聞いた。
「何で優秀なひとがそんなものに傾倒したの」
母は「頭が良すぎたからよ」と答えた。

あまりに賢く純粋だと、周りの人間は愚かに見えるのかもしれない。
だが、結果的に愚かなのは自分たちであると分からないのか、
小学生の私は憤りを感じた。

事件が起きれば
加害者も被害者もいる。
加害者の家族は?被害者の家族は?周囲の人は?

1人傷つけても
傷つくのは1人だけではない。
たくさんの人が胸に何かを抱えて生きていく。

多くの人が、今回の逃亡犯を名乗る男が現れたことで
時間がいくら経とうと
事件は風化しないことを改めて感じたのではないだろうか。