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気をつけ姿勢の落とし穴

こんにちは!KidsFRP &FRP フィジカルケア南藤沢校講師の保坂です。
普段は理学療法士として東京にある整形外科クリニックに勤務しています。
このnoteではカラダに関する情報や、養成講座に関する情報を少しずつ共有しています。

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今回のテーマは学校教育における“気をつけ姿勢”について共有していきたいと思います。

はじめに

 気をつけ姿勢には、文部科学省で明確に定義づけられているのをご存知でしょうか。これについて全国の教育委員会で解説PDFなどがインターネット上で多数共有されています。深く学んでみたい方は体育(保健体育)における集団行動指導の手引を参考にしてみて下さい。

『気をつけ姿勢の定義』
□直立姿勢で両かかとをつけ、つま先を自然に開く
□両腕は体側にそって肘を伸ばして下ろす。
□手は指をそろえて軽く伸ばし手のひらを体側につける
□あごを軽く引き、目は正面をまっすぐに見る 
「体育における集団行動指導の手引き」文科省

 この気をつけ姿勢。結論から言うと、いわゆるヒトの構造に合った“快適さ“や“ニュートラル”を追求した姿勢ではありません。では何のために考えたのか。そしてどこに戻れば良いのか。これを知っておくことが、学校教育の中でも重要かと思ったので今回のnoteにまとめさせていただきました。

不自然でも目的がある。

集団行動の中の気をつけの姿勢の目的
→緊張の姿勢をとらせることで人の話をきちんと聞くためと定義されている

つまり集中させるための姿勢ということになります。
規則への意識、調和、謙虚さ、きちんとした“心が締まる”姿勢(ある種、精神論)、国民性を示す練習というところでしょうか。

ちなみにこの日本人らしいマインドは私はとても好きです。〝和〟〝武士道〟的な感じですね。

“シャキッとしろ!”って言われると、“ビシッ”って気をつけをしたくなるのが国民性かと思います。

ざっくり言うと緊張状態を生み、“ニュートラル(中間)”から逸脱した姿勢ということになります。

“ニュートラル(中間)な姿勢”

ちなみに“ニュートラル(中間)”というのは、前にも後ろにも左右どちらにも移りやすい姿勢です。いわゆる真ん中です。もちろん構築学的な構造破綻などがあれば話が変わってきますが・・・。

そういった“ニュートラル(中間)”の観点から姿勢を考えるとやはり、気をつけ姿勢は違和感があるのは当然の話ですね。

視界が偏る

顎を引いて視線を正面は相対的に視界が下がります。

天井も床もバランスよく見える位置は顎を引いていては見つけることができません。
ニュートラルな姿勢では思ったよりもやや上ということになります。

(さりげなく顎を浮かせてます。結構自然・・・笑)

クビにシワ

顎を引く=クビにシワです。
意外と多いのが顎を引いてという指導。
意図的に必要な場合もあるけど、顎の引き過ぎは首の前を潰すので伸びることができません。
かといって顎を浮かしすぎると今度は首の後ろにつまる感覚が出ます。
オススメの伸び方は、顎をほんの少し引いてから重力に対してしっかりと上に伸びる。そして、その状態から顎がやや浮くとシワがない状態かと思います。

歯が接触する

歯科の分野では一般的に下顎安静位(以下リラックスポジション)は上下の歯の隙間は2〜3mm空いているのが望ましいと言われています。またこのリラックスポジションは,「筋肉も靭帯もすべてリラックスした状態」とも言われています。

つまり、頭の傾きが上すぎず、下すぎず、顎がリラックスしているポジションってことです(そのまんま 笑)

リラックスタッピング

ここでは顎がリラックスしたニュートラルな位置関係を見つける“リラックスタッピング”をご紹介します。

いかがでしたでしょうか。

顎を引きすぎると歯の食いしばりが起こり、上げすぎると歯の隙間が空きすぎて、顎が緊張します。

つまり気をつけ姿勢の顎を引くということは“緊張”の姿勢ということなんです。

ご紹介した内容は簡易的な方法ですが、本来、下顎のリラックスポジションを見つける方法は背もたれのある椅子に腰掛け、70度程度リクライニングし全身をとにかくリラックスさせる。そして顎位を床と水平に保つ適切なポジションで開始します。参考までに。

まとめ

 今回は気をつけ姿勢を頭頸部・視線・咬合・シワの観点から解説してきました。
ここで重要なことは、気をつけ姿勢には“身体を緊張させて集中力を高める”集団行動の中で“話を聞くための姿勢”ということが明確に定義づけられているということを忘れないで下さい。あくまでも、姿勢のニュートラルは緊張もリラックスもどちらにも行ける。偏りのない姿勢という解釈も重要かと思います。
 学校教育の中でも広まってほしい考えの一つです。教育というものは様々な解釈があるのは当然なのでその解釈を、私たち身体の専門家は専門的な見解の中から発信していかないといけませんね。子どもたちの未来に(大人たちもだけど)還元していきましょう!

ファンクショナルローラーピラティスではキッズFRPとしてコンテンツ展開しています。今回ご紹介した遊び以外にも多くの遊びを日々子ども達と考えています。子どもは遊びの天才クリエーター。私たち大人は最低限のリスク管理だけで十分かと思います。大人及びインストラクターとして大事なことは解釈の軸・幅をしっかりと持つこと。私たちはそれを全国の仲間と共有し発展させています。子ども達の明るい未来をこれからもサポートしていきたいと思います。ご興味のある方はDM頂ければ嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ライタープロフィール

保坂知宏(ホサカトモヒロ)
理学療法士、FRPMT &mentor、FRPKidsIR &mentor、RYT200Yoga IR
遊びを楽しむカラダの専門家。 
子どものためのファンクショナルローラーピラティス著者。
Twitter:ホサカトモヒロ【カラダの専門家】 @tmhr720
Instagram:エクササズの共有と子育て情報を!@tmhr720
個人HP:TTやWSなどのご確認ができます! physio minerva

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