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眩耀夜行 編集後記

皆さんこんにちはこんばんは。たまごです。
ちょっと色々まとめておきたいものがありまして筆を取った次第です。

2024年7月7日。まぁ七夕のお話なんですが、1本演奏動画を作りまして。
私の所属していますラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのファン有志による楽団「Bloom Wind Orchestra」にて、多重録音の動画を1本作りました。

曲名はスリーズブーケの『眩耀夜行』。
蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さんならきっと好きな方も多いであろうこの楽曲ですね。
こちらの曲を今回は楽団でのアンサンブルチーム「inconnue」で演奏してみました。

まだ観てないよーって方はもちろん、観て下さった方も改めて観て頂いてからこの記事を読むとより解像度高く読めるかもしれません…是非。


1.演奏することになった経緯

元々先日5/27(土)に行われました、Bloom Wind Orchestra Opening Concert(以下、オプコンと呼びます)にてスリーズブーケの『フォーチュンムービー』を披露させて頂きました。
実は元々オプコンの曲決めのときに候補に上がっていた1曲が今回の『眩耀夜行』と『フォーチュンムービー』でして、メンバーからも当時両方ともやってみたいねという声が(確か)上がっていました。
全体でのセトリ決めの際、候補2曲を上げてそこから決めていくスタイルだったのですが、偶然にももう1チーム同じ曲選をしているところがありまして…。
どっちがどっちをやるかという話し合いの中で、2つのチームの編成を見た限り構成とコンセプトがビッグバンドに近い私たちのチームが『フォーチュンムービー』をやるのが適任だろうということで事は決まりました。

時は流れオプコン当日。最高の形で『フォーチュンムービー』を完成させることができました。本当に感無量のステージでしたね…。こちらの方ももし機会があれば編集後記的なことを書いてみてもいいかもしれません。

同じ舞台で『眩耀夜行』も「金木九星」(ネーミングが天才すぎる…)が披露してくれたのですが、その演奏を聴いてやっぱり自分たちでも演奏したかったな…という気持ちが湧き上がってきました。

オプコンが終わったのが5月末。せっかくこの曲をやるなら七夕に出したい。けれどもあまり時間もない。でもやりたい。
そこで元々「金木九星」で編曲をしていたるぃーんさんに編曲したものを音取り譜面として使わせて頂いていいか話を持ちかけたところ快諾頂き、メンバーにも「また一緒にやりませんか?」と話したところ皆さんふたつ返事で了承して下さりました。
かなりこの辺は私のワガママを色んな方に聞いて頂いた部分で、本当にありがたいな…と思っていまし、もしかしたらどこかで想いが繋がっていたのかな…と感じた部分でもあります。
その節は本当にありがとうございました。

そして、この話をしたのが5月30日。
そこから1週間で私からアレンジをメンバーにお渡しして6月末を目安に各自音源と動画を収録して頂き、7月に入って音源のMIXと動画編集を行い、それを7/7に投稿するというかなりタイトなスケジュールで動くこととなりました。

2.アレンジについて

編成が
・アルトサックス
・テナーサックス
・クラリネット2本
・トランペット2本
・ドラム
・エレキベース
・キーボード(ピアノ)
という編成だったのですが、歌モノのアレンジにおいてまずは原曲でのメンバーの歌唱パートをどのように割り振るかから私の編曲はスタートします。

2.1. イントロ~1番A・Bメロ

イントロは原曲だとピアノ+ウィンドチャイムだと思うのですが、ウィンドチャイムを個人的に用意出来なかったのと、せっかくならピアノ1本で静かに聴かせたい、という意図でピアノのみで今回はやりました。

1番Aメロ・Bメロはフォーチュンムービーでもそうしたのですが、花帆をアルト、梢をテナーでというのはこの編成ではそれぞれの推し的にも音色的にもイメージとすっきり合う気がしてそのパート割りを主軸にしています。
また、原曲のギターのバッキングはクラリネットに振ったのですが、ここはるぃーんさんの編曲をかなり参考にした部分です。
そこにアクセントとして原曲にはないトランペットのベルトーンを差し込んで締まりを持たせてみました。

Bメロはまた雰囲気を変える意図、メロディーを偏らせない意図でメロディーのセクションを変更して(花帆→トランペット・梢→クラリネット)サビに向かっていく形にしました。

2.2. サビ( 1・2番共通)

サビの部分はフォーチュンムービーと同じくアルトサックスとクラリネット1本を花帆パート、テナーサックスとクラリネット1本梢パートに置きバッキングにトランペットに入ってもらう構図はあまり変わっていません。結構お気に入りです。

ただ、フォーチュンムービーを演奏したときにバッキングにトランペットのオクターブ下の支えが欲しかったというか、正直中音域がやや薄いなと感じたので(編成上仕方なかった部分ではありますが)そこは多重録音の利点を活かしてバッキング部分の音をテナーサックスの2ndに書き足しました。
よく聴いて頂けるとわかるかもなのですが、バッキングのオクターブ下があるおかげで元の編成より中音域が厚くなっていると思います。中低音厚いのってやっぱり大事だなと思います。(自分が中低音域のプレイヤーだからかもしれませんが…)

また、全体に渡る話なのですがベースとピアノは骨組みだけ渡して他はいい感じに各自いい感じにアレンジしてもらう形、ドラムは原曲っぽくおまかせでお願いしました。
私の心得があまりなかったり時間の都合で採譜に手が回らなかったりしたのもありますが、オシャレフレーズみたいなものはきっとその楽器をメインにやっている方が一番美味しく引き出せるかなと思っているので、私の譜面はあくまでも譜例として提供した形です。
実際聴いてみるとお三方とも結構いじって頂いていい感じに仕上がってるので感謝です…。

2.3. 2番A・Bメロ

2番Aメロはクラリネットから入りになっています。
歌詞がある場合はいいのですが、インストアレンジだとどうしても2番で1番と同じことをやると単調になってしまいがちなのを防ぐ意図と華やかなサビと静かなAメロという対比を付けたくて、暖かく程よい湿度を持った音の鳴るクラリネットに原曲の梢パートを振りました。梢の声ってどこか湿気を帯びてる楽器が合う気がするんですよね。
そういう訳で私の書くアレンジで梢パートは息の音とか湿度の入りやすい木管楽器に割と回しがちなところはあります。

2番Bメロの梢パートはテナーサックスに振ったのですが、ここ実は(確か)ハモが鳴ってるので譜面は2パートになっています。アルトにハモを回してもよかったのですがテナーに続く花帆パートのトランペットが2本同じ楽器で鳴る都合でテナーサックスにはまたまた分身して頂きました。編曲者は自分のパートに負荷をかけがち。 
サビ前のクラリネットのベルトーンは初めて書いてみたのですが、聴いてみたら結構いい感じに(音域的にも)エッジが付いて聴こえたので、薄い編成のときは有用かもしれません。(多分大きい編成でやるともっと色々重ねないと埋もれる気がします)
また、2番サビ前は1番と厚さの対比をつけるためメロディーはテナーサックス(梢)とトランペット1本(花帆)のみにしています。
多分多重録音である程度バランスを操作できたのもあって周りが鳴っていてもしっかり聴こえるようになっていると思います。

2.4. 間奏

間奏の原曲ギターソロは「金木九星」ではトランペットが吹いていたのがかなり印象に残っていました。
普段私が書くときは大体ギターソロってサックスに振りがちな傾向があるのでだいぶ新鮮に感じた記憶があります。
ここはその印象を活かしつつ、ソロをオクターブで重ねたら格好いいかなと思ったのとチームのコンセプトがビッグバンド風なのでテナーサックスとトランペットのオクターブで重ねて書きました。

本職(?)のサックスアンサンブルとか書くときにもソプラノとテナーをオクターブで書きがちな人間なんですが、オクターブで重ねるのが本当に好きなんですよね。この曲でも手癖の片鱗が見えているかと思います。

2.5. Dメロ~落ちサビ

ここからが私のやりたかった部分の話なんですが、
落ちサビの「綺麗な夜だね」をアルトに、
その後の「ここじゃない」をテナーに回したかったので
間奏では他のパートをしっかりメロディーで聴かせてから落ちサビに入る流れを作りました。

そういう訳でDメロはトランペットとクラリネットがメロディーを吹いてサックスがバッキングとか裏のストリングスを吹いていた訳なのですが、これもかなり個人的にフォーチュンムービーの2番Aメロなどでハマったなと感じたことで、それを今回の編曲にも還元した感じです。
Inconnueのそれっぽさとも言うかもしれません。

落ちサビでTpのちたんさんがUOを折られているのが印象に残ったという方も見ている感じ結構いらっしゃるのですが、ここ実は譜面に音符の上に《Ultra Orange》っていう表記がありまして。
原曲のステージをイメージした発想記号として書いたのですが実際に折ってくださるとは思ってませんでした。感謝。
今考えると原曲のイメージに近いのは《FireWorks》とかな気もしましたが当時はUOが何となくしっくりきてたんですよね…。雰囲気も出ていてとても良いなと思ったシーンです。

2.6. エンディング

最後に、ピアノのくろすりぃさんが録音の際に最後の音の残響をかなり残して下さったのでとても綺麗な終わり方になったと思います。是非最後の最後まで聴いて頂けると雰囲気を味わい尽くせるかなと思います。

3.Mixについて

こんな感じで作業してます。

今回は多重録音ということで、各自から音源と動画を頂いて僕の方でミックスする形を取りました。DAWはStudio Oneを使ってます。
プラグインはいつかizotopeで大安売りしてたものがあったのでその辺のものをちょいちょい使いました。

こういった形での多重録音のメリットとしては
・譜面に書ききれなかった部分の強弱を細かくつけられる
・各人の環境のズレによる音ズレを最大1音単位で細かく修正でき、より縦の揃った演奏になる
・バランスの修正が比較的やりやすい
・リバーブの挿入やパン振りなどでホールで演奏したような仕上がりに出来る
などがあると思います。
まだ私自身DAWの機能の半分も使いこなせていないと思いますが、現状やれるなりのことは出来たかなと思います。

3.1.多重録音の楽しさ

実は多重録音は音源を編集している時間が個人的に1番楽しい時間だなと思っていて、皆さんから集まってきた音源をひとつひとつ合わせてひとつの音楽の形として仕上げていくのがとても幸せなんですよね。
もちろん微妙な音ズレなどの修正は細かい作業になるので結構大変なのですが、音源同士がきっちり譜面通り噛み合ったときの爽快感はすごいです。

あと、吹奏楽などの合奏だとバランス感はある程度編成を組んだ時点で決まると思うのですが、多重録音だとその辺はミックスの過程で作っていく感じが強いです。
それぞれ録音機材や環境、マイキングなども違いますし、そのままだとトランペット1本よりクラリネット1本の方が大きく聞こえるなんてのも結構ザラです。
そういうのをいい感じに自分で作っていくのも結構楽しかったりします。
逆に言うといただいた音源を私がどう料理するかは結構腕の見せどころ…なのかもしれません。

3.2. 今回のこだわりポイント

で、今回のこだわりポイントなのですが
ミックスの際、大体私は楽器ごとに左右のパンをある程度振って仕上げるのですが今回は実際にオプコンでのステージの並び順にほぼ即したパンを振っています。
下手からリズム隊、サックス、クラリネット、後列にトランペットという風にパンを振りました。

オプコンのステージ構成。

また、リバーブについてもオプコンで使った会場くらいの残響が残るようなリバーブをかけています。
イヤホンなど音の分離がわかる環境で聴いて頂けると更にいい感じに聴けるかもしれません。あとはいい感じに盛り上がりを作れるように音源の大きさをちょっといじって強弱を際立たせられるようにするとか、そんなことも最近覚えたのでやってみました。 

なんせ譜面を書いたのが自分なので、どこを出したいかどこで落としたいかどこをしっかり揃えたいかなどは自分の中にある程度まとまっていたのでその辺の作業はとてもやりやすかったですね。逆に言うと譜面は割とフラットな形で書いて吹いて頂き、私の方で色々編集でいじらせて貰うのが割とスタイルとしてある気はします。

MIXで何がしたかったのかというと、多重録音で「inconnueがオプコンで眩耀夜行を演奏した」というifルートをやりたかったんですね。(多重録音でしか出来ないこともやっちゃってますが…)実際にあの場所で私たちが演奏したらそういう風に聴こえたのかな…という妄想です。

また、ここまで色々出来たのは以前Bloomで『素顔のピクセル』を投稿した際にミックスを担当させて頂きそのときに得た知見などを活かしている部分が結構多いです。この動画もめっちゃ良い。ほぼ吹奏楽です。
もしよろしければこちらも観て下さると喜びます。

4.動画について

今回は動画編集も私の方でやらせて頂きました。
公式のリリックビデオ風の演奏動画を作りたいというのがまず頭にあって、それを骨組みとして動画を作っていきました。使用ソフトはDavinci Resolveです。
PCを変えてAviUtlから乗り換えたばかりなのでこれも多分機能の半分も使えてないと思いますが、動画は個人的にもこれからやっていきたいなと思っているのでもっとちゃんと扱えるようになりたいですね…。

オープニング・エンディングはリリックビデオ準拠で文字などのタイミングなども合わせ、ボーカルの入るタイミングで9人の演奏動画を同時に流すスタイルを取りました。
ボーカルを浮き出させるような演出も考えたのですが、結果として画面がごちゃごちゃしてしまいそう&作業時間があまり取れなかった、という理由で結構本編はシンプルな作りになってます。

あとは全体を見て各動画の色味を揃えたり明るさを軽くいじったり、こういった部分は普段趣味でやっている写真の編集などの延長線として出来たのは良かったかなと思います。Davinci Resolveはこういう色味などをいじる部分が写真の編集ソフトと割と近しい部分が多いのでそこはやりやすかったです。

一応並び順や歌い分けなどはそれっぽく枠を作ったり配置をいじったりしてこれも先ほどのifルートの話と繋がっていたりします。(申し訳程度ですが)

自分自身、まだ動画編集とソフトの扱いなどについては勉強中な部分も多く伸びしろだらけなのでこれから色々やってモノにしていきたいですね。
今の時代、演奏技術はもちろんですがどうやって自分自身を世界に発信していくかもプレイヤーの腕のひとつだと思うので。

5.おわりに

ここまでお付き合い頂いた皆さん、本当にありがとうございます。
この部分を書いている時点でもありがたいことにかなり沢山の方に視聴頂いており、出せて良かったなぁ…という気持ちが大きいです。

あと、「七夕に眩耀夜行の動画を出す」っていう個人的な目標?夢?が叶って嬉しかったですね…。
一緒に作り上げてくださった皆さん、本当にありがとうございました。

自分でも毎日何回も聴いちゃうくらいには好きな動画を作れて嬉しい反面、まだアレンジもMIXも動画作成も伸び代は感じるので色々機会作ってこの世に放っていきたいなと思う所存です。

また気が向いたら何か書いてるかもしれません。
そのときはお付き合い頂ければ幸いです。
ありがとうございました。






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