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2024年8月29日 Journal club

みなさま、こんにちは。

当分野で2週ごとに行っているJournal clubの内容をご紹介します。

今週は栗田 崇史先生が担当で、Clin Infect DisからSARS-CoV-2 Vaccination in the First Year After Hematopoietic Cell Transplant or Chimeric Antigen Receptor T-Cell Therapy: A Prospective, Multicenter, Observational Studyという論文を取り上げてくれました。

Allo/Auto-HSCT, CAR-Tレシピエントに対するSARS-CoV-2ワクチンの接種時期による免疫応答の違いを見た前向き観察研究です。ハードアウトカムではありませんが、結合抗体、中和抗体、T細胞応答を定量的に評価しているところが非常にユニークです。

細胞療法後のワクチン接種時期(4か月以内 vs 4~12か月後)では液性および細胞性免疫反応の差を認めませんが、CAR-TレシピエントはAllo/Autoと比較して結合抗体・中和抗体の増加が乏しく、これはB細胞数の低下を反映している、という結果でした。

また細胞療法前のワクチン接種や感染既往が、良好な免疫応答の予測因子だったことから、細胞療法前のワクチン接種の重要性や、細胞注入後3ヵ月でSARS-CoV-2ワクチン接種を開始するという現在のガイドラインを裏付けるエビデンスとなり得る結果だと思われました。

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