修士課程はオンラインで取得!! ~国際機関の応募要件 ’修士課程の保有’ をクリアしよう!~
国際機関にいると、アカデミックや開発分野といった、大学院進学を前提としたキャリア構築パターンと、
(私みたいな)コーポレート部門等の、大学院進学よりも実務経験を重視するキャリア構築パターンと、2パターンの人材がいると思っている。
(私が院へ進学したのは本当にたまたま。仮に学卒で就職していたとしたら、院進学=実務経験の機会損失、と捉えていただろう)
一方で、国際機関のポジションの多くは修士号の保有を、応募要件に課していたりする。
この応募要件は、特に日本の実務家にとっては頭の痛いことと思い、
社会人を続けながら履修可能な、修士課程のオンラインコースについて調べた。
もくじ
国際機関は修士課程オンラインコースもOKなのか?
オンラインコースのある修士課程プログラム
Quantic MBA(https://quantic.edu/)
University of the People(https://www.uopeople.edu/programs/online-master-degree-programs/)
放送大学の修士課程(https://www.ouj.ac.jp/hp/purpose/syusi.html)
Courseraでオファーしている修士課程(https://www.coursera.org/degrees)
最後に
国際機関は修士課程オンラインコースもOKなのか?
修士課程オンラインコースそのものを紹介する前に、国際機関へ応募する際に、修士課程オンラインコースがどのように扱われるかについて書きたい。
※あくまで、私が所属している開発金融機関内で、私が調べた限りの情報である。
・ 応募要件には、通学コース、オンラインコースの区別はされていない
・ そもそも競争率が高いので、余程有名校(アイビーリーグ等)とかでない限り、修士課程を取得する院名はさほど影響しない
・ ’行政や政府機関等から認可された教育機関か’についての確認の有無は特段明記されていない
⇒ 比較的最近開校した院の場合、応募時に人事担当へ確認することをおすすめする
・ 結局は、採用チーム、採用マネージャーの裁量による
感覚としては、オンラインコースで取得した修士課程もOKだが、念のため、都度人事担当者へ確認はした方がよい。
また、有名校の通学コースよりは学歴で劣後するが、無名校の通学コースとはそんなに大差ないのでは(職務経験の方が重要)という印象。
オンラインコースのある修士課程プログラム
実際はもっとたくさんあると思われるが、今思いつく限りでざっと記載する。
Quantic MBA(https://quantic.edu/)
開校当時はSmartly Institute MBAという名称であったが、最近名称を変更した。
開校当初は、Admission担当者がLinkedin経由でスカウトとかしていたようである。最近はある程度知名度も上がってきた様子。
プログラムはMBAのみ。他幾つか無料で履修可能なクラス科目がある。
授業料はなんと無料!!
(収益はスポンサー企業から。その対価として、スポンサー企業はここの卒業生を優先的にリクルートできる模様。)
一応、’The Distance Education Accrediting Commission (DEAC)’という所に認可された教育機関らしい(国際機関側がどう判断するのかは不明)
※上記認可団体は、’The U.S. Department of Education’から認可団体として承認されている模様。つまり米国政府のお墨付き??
University of the People(https://www.uopeople.edu/programs/online-master-degree-programs/)
2009年に開校。
Quantic MBAと同様、2014年に’The Distance Education Accrediting Commission (DEAC)’より認可されている。
発足がユニークで、なんと国際連合が、’世界初の授業料無料の大学’としてアナウンスされたらしい。
つまり、国際機関でもしっかり認知されていると思われる。
ここは学部もあるのだが、修士課程プログラムだと、MBAとEducationのみ(2020年5月時点)。
前述の通りだが、授業料は無料!!
但し、試験料や、アドミン手数料等のフィーが卒業までにかかってくるらしく、学部で40万程、MBAで25万程必要になってくるらしい(それでも格安!!)。
それらフィー支払いのための奨学金も準備されているので、まさに’人民のための大学’だなと。
放送大学の修士課程(https://www.ouj.ac.jp/hp/purpose/syusi.html)
1983年に設立された日本の私立大学。
TV放送で当大学の公開授業を観たことのある人も多いのではなかろうか。
現在、履修可能な修士プログラムは以下となる。
生活健康科学
人間発達科学
社会経営科学
人文学
情報学
自然環境科学
臨床心理学
授業料無料とまではいかないのだが、卒業までに必要な金額は46万~53万程度なので、かなり格安である。
社会人であれば捻出できない金額ではないであろう。
Courseraでオファーしている修士課程(https://www.coursera.org/degrees)
これらはCoursera経由で、各参加大学の修士課程をオンライン上で履修することができる。
特徴的なのは、そうそうたる参加大学である。
ミシガン大学 (パブリックアイビーリーグ)
イリノイ大学 (〃)
HEC経営大学院 (トップビジネススクール)
マッコーリー大学 (豪国トップ校)
アンデス大学 (中南米トップ校)
インペリアル・カレッジ・ロンドン (英国トップ校)
プログラムは大別すると、経営系、コンピューターサイエンス系、データサイエンス系、公衆衛生系に分かれる。
ただ、授業料は各大学それぞれで設定しており、お世辞にも安いとは言えない。
ただ、それら大学の通学コースよりは勿論割安である。
大学院名ブランドだったり指導教授を重視する場合にはありだと思う。
最後に
実はこれら情報は、私の友人に向けて調べたものだ。
彼は、お世辞にもスマートな人間ではないのだが、泥臭く努力することができる人間であり、
そんな彼が国際機関のキャリアに興味を持ちだしたので、私も色々とサポートをしている。
彼と話す中でネックになるのは修士課程の存在。。
歳も歳だし、社会人を辞めて学校に戻るというのは相当労力と勇気がいる(特に実務家にとって)。
そんな時間もお金もない、実務家なので仕事が離れることのリスクが大きい彼に、
どうにか修士課程取得と、社会人生活を両立するいい方法がないかと思い、色々と調べた結果がこれだ。
Quantic MBAや、University of the Peopleをはじめ、最近は授業料無料で履修できる修士課程も整ってきて、
素晴らしい機会に恵まれているなと感じた。
ただ、実際のところ、これら修士課程を履修した経験はないので、実情はどうなのか分からない。
ここから先は、各自で「そもそも修士課程を何のためにとるのか?」、
そのことを自問しつつ、最善のオプションが見つかればよいなと願っている。