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地元にある酒蔵さんで鮎を食べた話

梅雨が明けてまだ朝晩は涼しさのある季節。夕方になって夫婦で出かけた。
地元の酒蔵さんが開くイベントに参加するためだ。蔵のお酒が飲める上に、焼きたての鮎を振る舞ってくれるという。そんなわけで車で行けばすぐのところを、バスと列車を乗り継いで向かった。

夕方の無人改札。わいわいと中高生が降りてきたあとをくぐる。
乗り込んだのは僕らと小さな子どもを連れたお母さんだけだった。
冷房の効いた車内でぶんぶんと扇風機がまわる。
レンコン畑は成長が早い。梅雨前に苗が植えられたばかりなのにもう生い茂っていた。
いつもは昼間にしか訪れないから、提灯が灯っているのがなにか嬉しい。
古くからある酒蔵を改装していて、中でお酒をいただくことができる。お世話になります。
鮎の都合で予約制だったが、かなりの人が訪れていてテーブルはじきにいっぱいになった。
蔵のお酒がどれでもワンコインで飲める。酒好きにはたまらない。

食べ物にかぎって持ち込みがゆるされているということで、お惣菜や野菜でお弁当を作って持って来ていた。妻と楽しいねと何度も言いながら、ゆっくりお酒を楽しんだ。

近所の農家さんやお店が作った野菜とお惣菜。すごくおいしい。
いよいよ鮎が焼けてきた。焼きたてが配られる。みんな笑顔だ。
徳島の夏にはすだちが欠かせない。しぼって食べれば最高に美味しい。
てのひらですこし温めると香りが立ちますよ、とおすすめされて試してみた。こんなのも楽しい。

楽しい時間はあっという間で、お土産のお酒も買って会場をあとにした。
とても気持ちのいい人たちが、自分の仕事を真剣に楽しみながら取り組んでいる場所にくるのは、本当に嬉しい気持ちになる。

帰り道はきれいな夕焼け空で、無人駅が真っ赤に染まっていた。
思わず声が出た。こんな空の中を妻と列車で帰るのは初めてかもしれない。
楽しかったね、連れてきてくれてありがとうとお互いに言いながら帰った。
車内はとても空いていて、ずっと空を撮りながら帰った。
ほんとうにきれいだった。

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