生きるための
椎名林檎の「ありあまる富」という曲を何気なく聴いて、椎名林檎は真面目な人なんだなぁと思った。
僕らが手にしている富は見えないよ
彼らは奪えないし壊すこともない
という歌い出しに、
とはいえ、生きていかないといけない
と私は無意識に思った
明日のご飯を、好きな本を、家を、守っていかないといけない。そのためのお金を稼いでいかないといけない。
それが構造的暴力だと思った
全てのものに価値がつきすぎるこの社会を批判したあと、平気でアルバイトに行く自分自身がそれを体現していた
あなたはあなたのままでいんだよ、と優しく囁きながら、馬乗りで殴られているような気分である
生きるための音
それは心臓の音なんかじゃない
それはスロットの音
じゃらじゃらとメダルが流れる音
パチンコ屋でバイトをしている時が、1番私は生命を感じている気がする
この間が給料日で、スマホを開くと明細は120000という数字が出ていた
この数字が、私のHPだと思った
今月は頑張ったので、4000円の本を買った
3時間分、と思った
昨日母が50歳になって、今年は食いしん坊になって美味しいご飯を食べることが目標だと言っていた。
食べる、という行為は、生きるために欠かせない行為だと思う
やりたくない仕事をする時の言い訳として、「食っていかないといけない」というような表現をする
だからなんなのかはわからないが、とにかく、椎名林檎は真面目な人だと思った。
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