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LADEC2023 参加所感

LADEC2023 (Laboratory Automation Developers Conference 2023) に参加してきました。
LADEC とはラボラトリーオートメーション (研究の自動化) に関する議論・情報交換・交流のための学会です。主に生命科学分野を中心として行われている研究の自動化について、開発者・技術者・研究者が交流できる場となっています。
本会への参加は初めてでした。今所属している部署にこの辺りのテーマをやっている同僚がいて、部内の情報共有で回ってきて面白そうだと思って参加しました。
もちろん、それだけでなく今の業務が広い意味では研究の自動化に関わることでもあるので、そのニーズを探る、分野の情報を収集するという建前目的もありました。

イベントプログラム

場所は理研で、9/15, 16で6本の講演と、他にも10程度のポスター発表、メーカーの展示がありました。どの演題もリアルな課題に対してのいろんな工夫や問題解決がおもしろかったのですが、何より響いたのはやはり初日の特別講演、産業技術総合研究所の夏目先生による最終講義でした。

「単に楽するための自動化自体には価値はない」

本質をついているなと。あとソフトウェアの開発技術において通づるところがあるなと思いました。
自分自身、自動化大好きなのですが、それは確かに言ってみれば、自分が明日の1分を節約するための儀式なんですよね。
楽をするための自動化自体は人件費にしかならない。つまり効果の上限は見えている。コストカットは表層的にしかすぎず、本質はそこではないということです。自動化、効率化によって誰かに早くそして多く価値を届けることができたり、自分が他の生産性の高い仕事に集中できることが、なにより尊いんだと思いました。また、ラボの自動化の未来としてサイエンスの民主化、フラット化、オープン化といったお話しもされていたのですが、これもビジョンとして非常にワクワクするものがありました。

それから楽しかったのはラボ見学!今回、理化学研究所内で動いている MAHOLO を実際に見せていただくことができました。7軸の動作が可能なヒト型ロボットが目の前で実際に実験を行うその姿は、健気さもありかわいく見え、ワクワクしました。冷蔵庫を自力で開けて閉めるシーンもあったのですがすごく感動しましたね。

参加して感じたこと

自分はどちらかというとビジネス、開発者の集団で生きてきたので、研究者の集まり・文化に触れることは学生ぶりでした。ただ、お互いに情報を出し合って、仲間を見つけ業界の中で助け合おうという姿勢は、エンジニアのコミュニティで感じる雰囲気と似ていてすごく居心地が良かったです。
ポスター発表や懇親会では、全く知らない分野の内容を研究している方が大勢いて、無知ながらに興味本位で聞かせていただき、たくさんのことを教えていただけました。自分も聞いたからにはちゃんと Add Value できるようにならないとなぁと思う次第です。

おわりに

最後になりましたが今回の Conference、非常に雰囲気が良かったです。運営が素晴らしいと思いました。T シャツ、司会、座席の抽選、講演の合間のひととき、懇親会のドリンクのチョイス。いろんな点でイベント運営についても勉強になりました。
これからも時間を見つけて、この分野はリサーチしていきたいです。ありがとうございました!


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