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神様なんか、居ない。神様は…。

誰も自分を助けてくれない、一人で何とかしなくてはいけない。
奪え、さもなくば死ぬぞ。
という厳しい環境で生きてきたのら猫。
そこには手を差し伸べる神様はいなかった。
ある日、のら猫は1匹の年老いた犬に出会う。
のら猫を見ても知らんぷりをしている犬に、猫はしめしめと思い、
自分勝手にふるまうが…。というお話。

周囲に対するのら猫の不信感は、人の想いに気づけなかった、
自分の思春期の頃とよく似ていてほろ苦い気持ちになり、
年老いた犬ののら猫への想いは今の自分と重なった。
この本に、大人になったねと言われたような気がして少しホッとして、
言葉を交わさなくても思いは届くと勇気づけられた。

大人になった私も、のら猫と同じように
神様なんかいないと思っているが、理由は違う。
答えはこの絵本の中。
ラストに出てきた物言わぬ三毛猫が教えてくれる。

急速に世界や社会の仕組みが変わっていく今、
忘れたくない想いが詰まった絵本。
少し立ち止まって読んで欲しい。

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