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憧れだった『デザインノート』で特集を組まれることになった。

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新年、あけましておめでとうございます。

巳年生まれの年男、クリエイティブディレクター/デザイナーの前田高志です。今年はアートディレクションに向き合いたい。趣味はAdobe Illustratorの地味にうれしいスクリプトを作ることです。

なんと、2025年2月14日発売の『デザインノート vol.101』で僕の特集が組まれることになりました。タイトルは「デザインノート Premium 前田高志の全仕事 デザインの攻略本」です。これを書いている今も、正直に言えばまだ実感が湧きません。実は取材ももうかなり進んでいます。それでもまだ信じられない。正真正銘、レジェンドデザイナーたちが掲載されてきたあの『デザインノート』。ほんとに「僕が特集でいいのかな?」という思いもありつつ、なかなか僕も珍しいデザイナーというのも自覚しているので、自信を持ってお届けします。

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巻頭インタビューのラフ案、震える!!!

この雑誌、2004年創刊やから約20年の歴史があります。編集長から「デザイナー新興勢力の時代が来ている。前田さんはそのひとり。」とお声がけいただいた。「特集号」というプレッシャーは感じる。デザインノート編集長から、認められたんだからうれしさの方が勝っている。この特集が僕にとってどれだけ大きな意味を持つかを、どうしても記しておきたくて、このnoteを書き始めました。

『デザインノート』(誠文堂新光社)は、2004年に創刊。
これまでVol.100まで発売されている。

佐藤可士和さん(サムライ)、水野学さん(good design company )、西澤明洋さん(エイトブランディングデザイン)、太刀川英輔さん(NOSIGNER)。この雑誌は隔月発売から「デザインノート Premium」というレーベルで不定期発売になった。Premiumになった以降、ひとり(会社)が1冊まるっと特集されてきた面々です。そして、今回の前田高志(NASU)特集。すごくない?

それぞれ90〜100ページの特集

このnoteを読んでいる方の中にも「前田高志って誰?」と思っている方もいるかもしれません。そんな方々にこそ、僕のこれまでの挑戦や想い、そして『デザインノート』が特集する理由を知っていただきたいです。


トップデザイナーたちとの貴重な接点

『デザインノート』は、デザイナーなら誰もが知っている雑誌です。僕が20代の頃に創刊された。初めて読んだとき、とても驚いた。今までこんな雑誌なかったから。心臓バクバク言いながら、ページをめくったのを覚えている。編集長に『デザインノート』vol.1の制作裏側の話をたっぷり聞いたことがあって、そのときの話は今でも宝物です。巻頭から原研哉さんやし、大貫卓也さんのロゴデザインの進め方、アートボードまるまる載ってるし、提案資料の文章が衝撃的でした。これが大きなヒントだった。この雑誌でいろんなことを教わった。それを会社で実践。僕がまだ任天堂で働いていた頃、広告デザイン業界に憧れを抱いていた時期のことでした。

伝説の『デザインノート Vol.1』

デザインの知識や技術のインプットは、休日の読書やセミナー、トークイベントがほとんどだった。『デザインノート』はデザインのプロセスをこんなのまで見ていいの?となるくらい見せてくれていて、僕にとっては本当に本当に本当に……ありがたい雑誌でした。トップデザイナーたちとの貴重な接点。

『デザインノート』は、広告デザイン業界で活躍する人たちの仕事や哲学を特集する雑誌であり、僕にとっては「憧れのステージ」を象徴する存在でした。そんな存在だからこそ、当時はこの雑誌に掲載されたい、特集されたいなんて微塵にも思わなかった。


4年前から始まった挑戦

本格的に『デザインノート』に特集されることを明確に目標に掲げたのは、2021年今から4年前のこと。ことあるごとにX(Twitter)にも投稿してきました。NASUのスタッフの本音はわからないけど、半信半疑だったと思う。僕も初めはそうだった。掲載ではなく「特集」だしハードルが高い。僕すら言葉にするのがしんどい目標だった。でも、ゴールとしてはビジョンが明快で僕の夢に直結していた。

そして、言葉だけじゃなくてデザイナーですから、ビジュアルも作った。いわば、絵霊(ビジュだま)。それってデザインそのものなんですよね。言葉と絵が、ゴールに連れて行ってくれる。この写真は社内に飾ってたし、なんども目標を言葉にした。

2021年は、株式会社NASUの社員が増えはじめた頃、「デザインの価値を日本に残せるんじゃないか?」と思い始めました。大きな可能性を感じ、僕の夢が定着した。僕はみんなによって活かされていると感じる。NASUでの活動を通じて、デザインを「お茶の間にまで届ける」ことをミッションに、数々のプロジェクトに挑んでいました。

NASUの床パネルに「SPREAD THE DESIGN(広がれデザイン!)」と明記

しかし、「デザインを日本文化に残す」には、説得力、実績、実力が必要だと痛感する日々でもあった。『デザインノート』は、そうした意味で僕にとって「大きな目標」であり、自分自身の「ものさし」なんですよね。


泥臭く、挑戦者であるということ

僕は特別な才能を持った天才ではありません。どちらかといえば、泥臭く、汗臭く、ひたむきに努力を続ける凡人です。だから『デザインノート』のような雑誌が必要だった。今は、メディアが分散したSNS時代。SNS時代とは天才ではないデザイナーが大半のマジョリティ時代。発信を続け、オープンにすることで、仲間を増やし、新しいプロジェクトを形にしてきました。そういう意味では、今まで存在しなかったデザイナーかもしれません。ある尊敬するデザイナーさんは「これまで一匹狼を好むデザイナーが、みんなで集まり楽しんでいる」あるブランディング会社の代表の方からは「デザイナー新人類がきた」と言っていた。実は自分ではあまり意識していなかったけど、僕のパーソナリティとして、「みんなでなんかやる(共感と共創)」というのは喜びとしてありました。

随時、仲間を募集中です!

発信とは、村づくり

僕は「発信がうまい」とか言われるけど、ぜんぜんうまくないと自分では思っている。もっとうまい人いるやん?ただ、発信においては明確に背骨がある。発信は英語では“Outgoing”と書く。この英語がすごく好き。「外に行け!」とも読める。僕は、相当な内弁慶なので、自分を良くする(抑する)言葉として胸に刻んでいます。外と道をつなげ、前田村が嫌いな人は村に近づかないように発信している。村は出入り自由。去っていく人もいるけど、新しい人と出会う方が大事だ。人生は有限。合わない人とはさようならをし、合う人と出会う。それが僕の生き方。僕の村作りだ。

デザインを楽しむために独自進化してきた。僕はゲーム会社から独立したインハウスデザイナーが独立して、デザイン会社を作った。しかも、根っからの広告デザイン業界ファン。だからこそ、デザイナーとして生き残る術に柔軟なのかもしれない。ブログ、SNS、コミュニティを最大限活用し、独自進化してきた。その奥底に「デザインの攻略」があった。「デザインの攻略本」は編集長がつけてくれた。たしかに僕なりのやりかたで仕事を攻略している。デザイナーとしても攻略している。そして、元任天堂、遊び心あるデザインというゲームという文脈もあり、これしかない感を感じた。

※表紙のデザイン案の一部
NASUのデザイナーがデザインしてくれている。

デザインはゲームだ。

怒られそうなフレーズだ。でも、僕が掲げている信念の一つに「デザインはゲームだ」という考えがあります。ゲームには必ず攻略法があり、ステージをクリアする楽しさがあります。デザインも同じ。課題を見つけ、遊び心でそれを解決し、完成までの道のりを楽しむ。固定概念にとらわれず、柔軟に攻略していくことは時代が移り変わっていく中で大事な考え。僕はそのプロセスをゲームのように捉え、楽しみながら仕事をしてきた。

たくさんのアイテムを用意し、どれを使っていくか?デザインそのものだと思う。


「デザインノート Premium 前田高志の全仕事 デザインの攻略本」

※モック画像です

特集のテーマ:「デザインの攻略本」

今回の特集では、僕がこれまで実践してきた「デザインの攻略法」がテーマになっています。「デザインの攻略」と言ってしまうと、拙著のベストセラー『勝てるデザイン』のようにまた誤解されそうな強いタイトル。でも、僕もそうだったのですが、デザイン学習者の大半は、デザインが楽しくなるまで時間がかかるんですよね。新人デザイナーはしんどい期間が長い。わかりやすい「攻略本」が必要だ。最初っから楽しい人はできる人。そういう人はほんのひと握りしかいない。

例えば、NASUでは「デザインの必殺技」という思考のもと、アイデアを増幅させる。チーム全体で共通言語を持ちながら進める方法を取り入れています。このカードはゲーム感覚で楽しみながら、デザインの基本を学べるツールであり、初心者からプロまで使える実践的な思考法です。

※一応発売前で仮のものなのでモザイク処理

また、プロジェクト「CHEERPHONE」では、クライアントとの対話を通じて「心のマグマ」を掘り起こし、ブランドの核心を形にしました。『愛されるデザイン』は思考の部分で書いているが、『デザインノート』の良さはビジュアルが多い!プロセスを惜しみなく見ることができます。こうした事例を通じて、「共創」がいかに重要であるかを特集内で語っています。


inovative kitchen 8goのデザインプロセス

まだプロセスを語ったことがない「8go」もたっぷり紹介している。「BreakingDown」「街録ch」「WTBL」「サタケシュンスケのポートフォリオサイト」などデザインのラフやプレゼン資料をたっぷり紹介している。そして、もうひとつのポイントは「マエデ(前田デザイン室)」のプロダクトもたっぷり紹介している。マエデ自体が社会にとって異常な存在だし、前田高志の代表作なのだ。

これから1月は校了に向けて詰めていく。今までの歴代の『デザインノート』のなかでも、かなり資料とラフデザインが豊富な方ではないか?と自負している。


なぜ、この本を手に取るべきなのか?

この『デザインノート 前田高志特集 デザインの攻略本』は、デザイン初心者からプロフェッショナルまで、誰にとっても役立つ内容が詰まっています。

  • 初心者にとっての価値: 遊び心あるデザイナー思考の前田高志。デザインの基本や楽しさがわかりやすく解説されており、「デザインは楽しい」という希望を持てる一冊。初学者がデザインを楽しむ方法が身に付きます。

  • プロにとっての価値: 前田高志はゲーム業界にいたことから固定観念がない。固定概念を壊し、新しいアプローチや発想を得られる。時代に即した「共創」の視点が、今後の仕事に役立つ。

  • デザインを扱うビジネスパーソン: 実際のプロジェクト事例を通じて、「デザインとはこういうものだ」という具体的なイメージが湧く。誰でもデザインを考えていい、みんなのものだと前田高志は伝えている。


ようやく立てたスタート地点

4年前に掲げた目標が、2025年2月14日に実現します。けれど、これはゴールではありません。むしろ、ようやくスタート地点に立てたような気持ちです。ありがちなフレーズですいません。ようやくたどり着いた!たどりついたぞーーーー!僕はこれからアートディレクションをもっと高めていく。これまでアイデアや企画から、アートの力を最大化できるように力を蓄える。

それが、成すために僕の為すべきこと。Design de NASU.

デザインを「お茶の間に届ける」というテーマを掲げている以上、僕の挑戦はまだまだ続きます。そして『デザインノート』前田高志 特集をきっかけに、多くの人に「デザインの楽しさ」や「共創の力」を届けたいと考えています。


最後に:皆様へのお願い

最後まで読んでくれてありがとう。そんなあなたは僕の仲間です!このnoteを読んで、『デザインノート vol.101』に興味を持っていただけたら嬉しいです。そして、僕の挑戦を少しでも応援してもらえたら、それ以上の幸せはありません。

デザインを通じて、新しい価値や楽しさを共有する。その一歩を、ぜひ一緒に踏み出しましょう。

前田高志

2025年1月1日

大阪にあるNASU。ここから、
「デザインをお茶の間に」デザインを広げていく。


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