デザインがうまくなりたい君へ。
※本日9月17日発売のため、追記・編集しました。
コロナ禍以降、手に職をつけようという人が増えたらしい。
グラフィックデザインもそのひとつだ。
デザイン書や、デザインスクール、オンラインセミナーなど、学びのコンテンツや場が圧倒的に増えている。
僕は、専門学校HAL(3年)と大阪芸術大学(2年)をの非常勤講師をしていたことがあり、デザインの教育現場に立っていた。今ほど仕事もなかったのでデザインについて再考した。さらに前田デザイン室というコミュニティを主催していることもあり、若い人と接することが多い。ここではいろんな気づきをもらっている。noteやTwitterでもデザインに関する学びの発信はすこぶる反応がいい。確実に言える。
今、デザイン熱が高まっている。
これはコロナ禍以前からの「好きなことで生きていく」の流れから感じていた。それがさらに高まっている。「うまくなりたい」「プロとして稼げるようになりたい」という熱量を肌で感じている。
そのことに僕は喜びを感じていた。なぜなら、僕がずっとやろうとしていることはここ数年「広がれ、デザイン」だからだ。
自分なりのやり方で「デザインの価値を伝えること」を日々行なってきた。
2016年、任天堂を辞めてすぐに「デザインのプロセス」をブログに書き始めた。手の内をさらけ出すように細かく書いた。その時はそんなことやってる人ほとんどいなかった。任天堂にいたときの周りのデザインの理解度が、外の世界には感じられなくギャップを感じたからだ。だから手の内を明かしても伝えることを選んだ。本来、デザイナーであれば語らずに作ったもので語りたい。だが、そんなに若くない。そんな悠長なことは言ってられなかった。
知人から「こんなこと書いて大丈夫ですか?」と心配された。しかし、デザインは無数の細やかな判断の連続だ。だから、決して同じ答えにはならない。
世の中で「デザインのプロセス」もだんだん当たり前になってきたので、から「デザインのオピニオン」を発信するようになった。それが『勝てるデザイン』の出版につながっている。
「デザインのオピニオン」と並行して、生まれたのが「鬼フィードバック」だ。手応えを感じたので商標登録までとった。「鬼フィードバック」には®がつく。(でも、会社とかで上司に「鬼フィードバックしてください!とか使ってね。)「鬼」という言葉から怖いイメージがあるかもしれない。しかし、鬼のように厳しいフィードバックをするという意味ではない。
鬼のように「ラリー」を繰り返して仕上げていく。これをすべて惜しげもなく公開している。それが「鬼フィードバック」だ。
これは僕が意図してやろうとして企画ではなく、偶発的に生まれた。きっかけは、当時の前田デザイン室・運営メンバー内で、イベントのバナーを僕がチェックしフィードバックをしていた。そのデザインをしていたひとりが異常にラリーをどんどん打ち返してくるのだ。こんな人は今まで大学にも専門学校の生徒にひとりもいなかった。
僕は楽しくなってそれにどんどん返していった。そのやりとりを見ていたひとりが、「これ、もったいないので前田デザイン室ないで公開しましょう」と提案され、前田デザイン室内で公開で始まった。
こうして「鬼フィードバック」が生まれた。
これは、今までになかったコンテンツになった。これを前田デザイン室のメンバーがnoteにしてくれた。その記事はSNSを中心に話題になった。聞いたところによると、大手IT企業のデザインチーム内で記事が回っていたと聞いた。
デザイナー目線も参考になるし、ディレクターとしての指示の出し方もためになるらしい。(話はそれるが、noteはクリエイターに届けやすいし、出版にも届きやすい。クリエイターにとってありがたいプラットフォームだ。感謝。)
デザインをより良くしていくには、思考と行動の総量である。トライ&エラーしかない。
そして、グラフィックデザインを習得するには「経験」しかない。経験の中にはフィードバックも含まれる。自分だけで作っていても何にも変わらない。デザイナーは経験値さえ積めば食っていける。RPGのようにわかりやすい世界だ。高い経験値をいかに短い時間で稼ぐか。
僕は経験値を「本」にすることにした。
冒頭にも書いた「デザインは無数の細やかな判断の連続」これがより多く手に入る本だ。それが、この本「鬼フィードバック」。世の中にたくさんのステキなデザインの事例集はあるが、プロセスをドキュメンタリーにしたものはなかった。
MdN編集チームの方が「この本はためになる本じゃなくて、読んでておもしろい本を目指すのが正解ですね」と言ってくれた。おもしろくて、それが実は“ためになる”ことが僕が一番やりたいことだったからうれしかった。
さぁ、販売が開始された。
※金棒しおりは青山ブックセンター本店、代官山 蔦屋書店の購入者特典になります。
前田デザイン室のメンバーがデザインラリーに命を燃やした。魂の叫びが綴られている。この経験が得られるのだ。僕も命を削って作った。Amazon予約特典で、未公開の『鬼フィードバック』がついてくる。これは予約しないと損正義。→ こちらから
メタルスライム、はぐれメタル、メタルキング。(ドラクエ知らない人、ごめん)経験値の塊みたいな本だ。MdN編集チームさんと前田デザイン室のみんなと作っている。
デザインがうまくなりたい君へ。
この本を読んだライバルは、より多く経験値を手に入れる。
さぁ、君はどうする?
「デザインがうまくなるかな?」では足りない。
「絶対うまくなる」と言おう。
僕もまだまだだ。エゴサをしたら「任天堂ゴリをしするのやめて欲しい。デザイン、突き抜けてないし」と書いてあって泣いた。悔しかった。僕ももっとうまくります。
株式会社NASU/前田デザイン室
前田高志
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プロフィール
前田高志/デザイナー
1977年6月1日生まれ。兵庫県伊丹市出身。株式会社NASUというデザイン会社を経営しながら、デザイナーをやっています。2001年 任天堂(株)に入社。主に広告、販売促進のデザイン。会社案内などの制作に携わる。2016年父の認知症をきっかけに介護離職。社名の「NASU」は“為せば成る”が由来しています。デザインで成す。
主宰するクリエイターコミュニティ「前田デザイン室」の活動が話題に。このコミュニティ運営のノウハウを生かし、コミュニティ事業をスタート。CAMPFIRE株式会社と協業開始。青山ブックセンターのコミュニティを立ち上げ、運営をスタート。
2021年『勝てるデザイン』を出版。デザイン書としては異例のヒット。現在4刷。デザイナー以外のビジネスパーソンにも評価いただいています。
(追伸)
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